南蛮漬けやカレー南蛮に使われている「南蛮」とはなんのこと?その由来を解説

アジの南蛮漬け、カレー南蛮、チキン南蛮、鴨南蛮そばなど・・・「南蛮」と名の付く料理はとても多いですよね。

では、この「南蛮」というのはどういう意味なのか、みなさんはご存じですか?

「南蛮」とは、スペインやポルトガルの人やこれらの人物によってもたらされたものを指す言葉として用いられています。

今回は、そんな「南蛮」の由来ついてまとめてみました。

言葉の起源は古代中国

「南蛮」という言葉の起源は、古代中国にあります。

悪い意味で使われていた「南蛮」

「南蛮」という言葉は、中国大陸を制していた朝廷が従わない南方の異民族に対して疎んじる意味で用いていた呼称でした。つまり悪い意味で使われていたのです。

同様の意味で「東夷(とうい)」や「西戎(せいじゅう)」、「北狄(ほくてき)」という言葉があります。いずれも決していい意味はなく、差別的な言葉として使われてきました。

南蛮と呼ばれた土地はどこ?

では、古代中国で「南蛮」と呼ばれていた土地はどこになるのでしょうか?

それは中国の南方の領土外、古代においてタイの位置にあった「シャム国」や現インドネシアの主島である「ジャワ」、フィリピン諸島で最も大きな島「ルソン」などです。

三国志演技にも出てくる「南蛮」

実は「南蛮」は、諸葛孔明や呂布、関羽に曹操が出てくることでしられる小説「三国志演技」にも出てきます。

三国志演技では、劉備(りゅうび)率いる蜀漢(しょくかん)が南征をしたことで従えた「孟獲(もうかく)」が治める地が南蛮だったとされ、孟獲は南蛮の王とされています。

しかし歴史書の「三国志」では、孟獲はミャンマー北部付近まで影響力を持っていたとされる現在の中国・雲南省の人なので、南蛮の王ではなかったようです。

料理での「南蛮」の由来は戦国時代

お酢の効いた南蛮漬けや、宮崎県名物のタルタルソースがたっぷりと乗ったチキン南蛮、蕎麦屋やうどん屋のメニューでお馴染みのカレー南蛮や鴨南蛮そばなど・・・

「南蛮」とつく料理がたくさんあります。この料理に使われる「南蛮」の由来は戦国時代に遡るそうです。

西方のヨーロッパ人だけど「南蛮人」

戦国時代に、南欧州系の人が日本にやってくるようになりました。彼らの多くは、インドネシアなどを経由する「南方」から来ました。

本当は西の遠方から来たヨーロッパ人を、当時は南方からやって来ていたため「南蛮人」と呼んだのです。

特にポルトガル人、スペイン人など南欧系の人たちのことを南蛮人と呼びました。

同じ理由から、南欧系の人たちが持ち込んだものを「南蛮渡来」と呼ぶようになり、「南蛮」は外国から来た珍しいものを意味する言葉として定着していったのです。

南蛮渡来と呼ばれたもの

南欧系の人たちが日本に持ち込んだ「南蛮渡来」のものは、一体どのようなものがあるのでしょうか?

唐辛子

唐辛子は別名で「南蛮辛子」「南蛮胡椒」と言います。南アメリカ原産の唐辛子は南蛮渡来のものとして有名ですね。

日本に伝来した初期は、食用として用いられず、観賞用、毒薬、霜焼け止めとして用いられていました。

金平糖

金平糖と言えば、昔ながらのお菓子ですよね。ところがこの金平糖は日本由来ではなく、南蛮渡来のものなのです。

ポルトガルの砂糖を使ったお菓子「コンフェイト」が伝わったものとされています。

金平糖は、カステラや有平糖などとともに南蛮菓子としてポルトガルから西日本へ伝わりました。

伝来時期は戦国時代の1546年頃といわれており、有名な戦国大名である織田信長にも献上されたそうですよ。

カステラ

カステラは、金平糖とともにポルトガルから伝来した南蛮菓子です。

ただ現在のカステラは、ポルトガルから伝わった南蛮菓子を元に、日本で独自に発展した和菓子になります。

ポルトガルには「カステラ」という名前のお菓子はなく、カステラの原型となったお菓子もカステラとは見た目、製法ともに異なります。

「南蛮」と名前に入る料理

料理名に「南蛮」が入る料理は、全て同じ由来ではないようです。

例えばヨーロッパの料理がアレンジされた料理もあれば、南蛮人によって伝えられたとされる食材を使っているとされる料理もあります。

そこで、どのような料理があるのか見てみましょう。

南蛮漬け

南蛮漬けは、魚や肉を油で揚げ、ネギ・玉ねぎ・人参・唐辛子と一緒に甘酢漬けにした料理のことですね。

このネギ・玉ねぎ・唐辛子入りの甘酢のことを「南蛮酢」と言います。

南蛮漬けの原型は、地中海料理のマリネの一種「エスカベッシュ」であるとされています。

そして、鶏肉を使って作られた南蛮漬けが「チキン南蛮」ですね。チキン南蛮は南蛮漬けの一種ということです。

ちなみにエスカベッシュは、スペイン料理ではタパス(小皿料理)の1つで、お酒を飲みながら食べるおつまみとして人気があるメニューです。

南蛮が名前に付く蕎麦

お蕎麦屋さんに行くと、「南蛮」と名の付くメニューがいくつかありますよね。代表的なのが「カレー南蛮」と「鴨南蛮」です。

カレー南蛮は長ネギを用いたカレー汁を蕎麦にかけた料理で、鴨南蛮は汁に鴨肉と長ネギが入っている料理です。

この2つの共通点は具材に長ネギが使われているという点です。つまり、お蕎麦屋さんでは長ネギの入った料理に「南蛮」と付く傾向にあるということのようです。

では、なぜ長ネギを用いたものが南蛮と呼ばれるのでしょうか?

一説によると、日本に来た南蛮人が健康のために長ネギをよく食べていたからだといわれています。

他にも「南蛮から来たもの=新しいもの」ということで、新しい料理という意味で南蛮と付けられたそうです。

また、長ネギが大阪・難波の名産品だったことから、"ナンバ"から"ナンバン"になり"南蛮"に転じたともいわれています。

ちなみにカレー南蛮に似た料理として「カレーうどん」がありますが、その具は長ネギではなく玉ねぎが一般的です。

牛タンには欠かせない「南蛮」

宮城県の仙台名物、牛タンの付け合わせの「南蛮」をご存じですか?この「南蛮」は、青唐辛子をまるごと味噌漬けしたものです。

深みのあるピリッとした辛さが、牛タンの美味しさを引き立ててくれます。ごはんのお供や、お酒のおつまみにぴったりですよ。

ちなみに青唐辛子が、南蛮渡来の食べ物とされていたことが名前の由来とされています。

南蛮味噌

南蛮味噌は、唐辛子を細かくしたものと味噌を混ぜ合わせたもの、または細かくした唐辛子を麹などとともに発酵させたものです。

南蛮味噌は辛味調味料や薬味として使われており、焼肉、冷奴、ラーメンなどの料理に用いられます。鍋料理に使用するポン酢醤油に加えて食べることもあります。

まとめ

南蛮漬けやカレー南蛮などの「南蛮」という言葉は、スペインやポルトガルなど南欧系の人たちや、そこから伝来してきたものを意味します。

南蛮から伝来してきたものは「南蛮渡来」と呼ばれ、日本にはたくさんの南蛮渡来のものがあります。

南蛮の由来を知ると、その「南蛮」とつく料理の意味がよく分かり、とても興味深いですね。

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