高級肉「サーロイン」ってどの部位?その名前の由来には王様がかかわっている?

高級肉として知られる「サーロイン」は、ステーキやローストにして食べると絶品ですよね。
ではこのサーロイン、どの部位の肉のことを指しているのでしょうか?

そこでここでは、どの部位についての解説はもちろん、その名前の由来にはとある王様が関係しているという説もあるサーロインについて見ていきましょう!

サーロインはどの部位?

 

食肉用の牛肉は、各部位で呼称が変わってきます。
それではサーロインはどの部位に該当するのでしょうか。

まずは画像からサーロインがどの部位になるのか予測してみてくださいね!

サーロインは牛の腰肉

サーロインは牛肉の腰肉を指し、腰上部の部位を意味します。
画像でいうと④の部位になります。
みなさんのご想像は正解だったでしょうか?

他の番号の部位がどこか気になると思いますので、参考までに他の部位もご紹介しますね。

①ネック・肩
②肩ロース
③リブロース
④サーロイン
⑤ランプ・内もも・外もも・イチボ
⑥肩バラ・前バラ・三角バラ
⑦ナカバラ・トモバラ

部位ごとに呼び方が他にある場合もありますが、おおよそこのような部位名となります。

サーロインはとても肉質が軟らかくてキメが細かく、咀嚼する度に上質な脂が溢れてくる高級肉です。
主にステーキやローストにして食べられており、「肉の王様」と称されることがありますよ。

サーロインはロースの一種

そんなサーロインは、実はロースの一種でもあります。
日本では、ロースを肩から腰にかけての背中にかけての肉を指す言葉として使われています。

つまり肩ロースにリブロース、サーロインの総称という事です。

このロースという言葉は英語の「ロースト(roast)」にちなんでおり、ローストに適した肉の部位という意味があります。
ちなみに、牛肉だけではなく豚肉や羊肉の部位でもこの部位はロースと呼ばれます。

サーロインの名前の由来は?

 

サーロインという名前は、そもそどこからやってきたのでしょうか。
諸説あるのですが、ここでは代表的な説をひとつご紹介します。

王様がほめたたえたのがきっかけ?

サーロインは、王様が称えたことによって生まれた呼称と言われています。
イギリスのヘンリー8世がとある夕食で、当時は「ロイン」と呼ばれていた腰肉を食べた時の事です。
そのお肉のあまりの美味しさに「この肉にサー(ナイト)の称号を与える」と言ったことから来ている、という説があります。

ちなみに、ナイトの称号はイギリスの叙勲制度における栄誉称号の1つで、騎士に与えられる称号です。
そこから「サー(騎士)」の「ロイン(腰肉)」という意味で、サーロインと呼ばれるようになったというのです。

ところがこの逸話、他の王にも同様の話があることなどから、俗説なのではという意見もあります。

肉の位置から来たという説も

サーロインというのは、部位の位置をあらわす単語が組み合わさった言葉という説もあります。

英語では「sirloin」と表記しますが、原型はフランス語の「シュールロンジュ(surlonge)」にあるというのです。
「sur」が「上」、「longe」が「腰」を意味しますので「腰の上」という事になります。
そこから「surlonge」が「surloigne」に変化し、16世紀頃には英語の「surloyn」から現代で使われる「sirloin」へと変化していったとこの説では考えられています。

知っておきたいお肉の豆知識

 

普段から食べているお肉には、知っておきたい豆知識もあります。
ここからはそんな豆知識の中でも、特にそれぞれの部位に関するものをご紹介します。

ロースは「赤身肉」、カルビは「脂ののった肉」という認識が生んだ問題

2010年、ロースとされた焼肉が実際はランプ肉などの赤身肉が用いられているという慣習に対して、消費者庁が表記見直しを求めました。

もともと「カルビは脂身が乗った肉」「ロースは脂身の少ない肉」という認識が広まっていました。
そのため、下腰肉のランプやもも肉など脂肪の少ない赤身肉がロース肉として提供されていました。
実際のロースである、リブロースやサーロインは上ロースとして提供されていました。

メニュー名と提供されている肉とで一致しない、この業界の慣習を消費者庁は問題視したのです。

この表記問題、現在は業界団体としては「ロースの表記はそのままでメニューに〈この肉はもも肉を使用〉と付記すればいい」と周知することで現在対応されています。
たしかにお客側も古くからの慣習からロースは脂っこくない赤身肉だという認識している事も多いでしょうし、急に脂ののったサーロインとかが出るようになっても困りますからね。

ただし大手チェーン店ではこのような表記があるものの、個人経営の店ではこれまで通りロースとしか書かれていない場合があるそうです。

「ハラミ」も「サガリ」も横隔膜。では違いは?

実は似たような部位でも違った呼び方をすることがあります。
横隔膜がその代表的な例です。

横隔膜の部位が提供される肉は2つあります。
それが「ハラミ」と「サガリ」です。
同じ横隔膜ながら、この2つは何が違うのでしょう。

ハラミは横隔膜の肋骨側です。
対してサガリは横隔膜が胸椎に繋がる部位です。

同じ部位ではありますが、その場所が違う事で名前が変わっているんですね。

牛の胃袋はそれぞれ違う名前

牛には胃袋が4つある、という事をご存じでしょうか。
そしてこの4つの胃袋には、それぞれ違う名前が付けられています。

第一胃はミノと呼ばれ、別名こぶ胃といいます。
このミノは4つある胃の中でも一番肉厚で強靭です。
繊毛が密集しており、特に厚くなった部位は上ミノと呼びます。

第二胃はハチノスと呼ばれています。
他の胃とは違い、文字通り蜂の巣状になっているのが特徴です。

第三胃がセンマイで、別名は葉胃です。
千枚のヒダがあるような形状で、コリコリとした歯触りが特徴となります。
鉄分が多い代わりに脂肪分が少なく、とてもヘルシーな部位です。

第四胃がギアラと呼ばれ、別名でしわ胃と呼ばれています。
表面がつるっと滑らかで、薄く大きなヒダがあるのが特徴となっています。

まとめ

サーロインは、部位でいえば腰肉にあたります。
高級肉としても知られていますが、ローストつまり焼いたり炙って食べるのに適した部位であるロースの一種でもあります。

その名前は、イギリス王ヘンリー8世がその味をほめたたえたことに由来するとも、フランス語で「腰の上」を意味する言葉から来たともいわれていますよ。

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