太平洋と大西洋「たい」の漢字が違うのはなぜ?

太平洋と大西洋はどちらも「たい」から始まる単語ですが、そもそもどうして「太」と「大」という2つの漢字が使われているのでしょうか。

どちらも読み方としては「たい」ですが、ここには明確な違いもあります。そこで、ここでは太平洋と大西洋の違いについて解説しながら、なぜ漢字が違うのかについてご紹介します。

諸説あるもののこの記事では一般的に言われている説をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

太平洋と大西洋

太平洋と大西洋はそもそもなぜ漢字が違うのでしょうか。場所や大きさから字の違いが生まれたのでしょうか。これらの違いについては、漢字の由来や成り立ちから見えていくとわかりやすいです。

ただ、海の名前の伝わり方にも違いがあるため、そちらは「それぞれの命名理由」の項目で解説します。これらは場所や大きさの違いがそのまま字の違いになったわけではありません。

太平洋とは

太平洋とは世界最大の海のことを言います。アジアとオーストラリア、南北アメリカ、南極などに囲まれている海のことで、その総面積は約165,200,000 km²もあるそうです。

そんな太平洋に使われている「太」という漢字は、「大」という漢字に二重線を足してより大きいことを表した文字から生まれたとされています。

つまり、大西洋よりも大きい海が太平洋という風にも解釈が出来ますね。

大西洋とは

大西洋とはヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカに囲まれている海のことで、総面積は約106,500,000 km²とされています。

「大」は人が両手両足を広げた様子から生まれた字で、「太」に比べると小さいものの、一般的には大きなものを示す漢字です。

つまり、太平洋よりは小さいけれどそれでも大きな海と認識されているのが大西洋という風に認識もできますよね。

それぞれの命名理由


上記のような認識のしかたもあるのですが、実は元々の語源に秘密があるという説もあります。
それは、太平洋と大西洋は、もともと英語の名前を漢字表記にした際に違いが生まれたというものです。

これらに関しては諸説あるものの、海の呼び方も伝わり方によってそれぞれ変わったとされています。

以下、項目ごとに分けて詳しく説明するので併せてご確認ください。

太平洋の名前

太平洋の名前には以下のような由来があります。

マゼランに由来

太平洋は探検家マゼランが初めて船で世界一周の旅を成し遂げた際、大きな嵐に遭遇しなかったことから「平和な海」という意味で「Pacific Ocean」と名付けられたそうです。

そのまま「Pacific」が平和を意味し「Ocean」が海を意味しています。

平和=泰平(太平)

「平和な海」と名付けられた太平洋が翻訳された際、同じく日本で平和を意味する「泰平(太平)」という言葉を使ったのではないかとされる説もあります。

事実、昔は泰平洋と表記されていたこともあったそうで、それが近年になって太平洋と表記されるのが一般的となったそうです。

大西洋の名前

大西洋の名前には以下のような由来があります。

アトランティスに由来

大西洋はギリシャ神話に登場する巨人の神、アトラスにちなんで「アトラスの海」という意味で「Atlantic Ocean」と名付けられたそうです。

「Atlantic」がアトラスの意味を持ち「Ocean」は海を意味しています。

中国で漢字にする際に

イタリア人宣教師のマテオ・リッチという人物が中国を訪れた際に「坤輿万国全図」という世界地図を作ったのですが、当時の言葉では「Atlantic Ocean」を漢字表記するのが極めて難しかったそうです。

特に中国人にとってアトラスやアトランティックという言葉は馴染みがなかったため、マテオ・リッチはどう表記するか悩んだのだとか。その結果、単純に西洋の大きな海という意味で「大西洋」と表記することにしたそうです。

日本にもでもそのまま翻訳されて伝わり、結果的に大西洋と呼ばれるようになりました。

まとめ

太平洋も大西洋も漢字は違うけれど「たい」から始まる読み方が特徴です。しかし、そこには明確な違いがあり「太」は「大」よりも大きい海を意味するとされています。実際に大きさも大西洋より太平洋の方が大きいです。
その他、嵐のない平和な海という意味で「Pacific Ocean=平和な海」と名付けた説やアトラスの海という意味で「Atlantic Ocean=アトラスの海」と名付けたともされており、太平洋と大西洋は根本から違っていることがわかります。
漢字が似ていてこんがらがってしまうこともありますが、この違いについてはぜひ覚えておきたいですね!

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