「カナヘビ」と「トカゲ」の違いは?違いをポイントごとに解説

原っぱや住宅街でも見かけることのあるカナヘビとトカゲ、両者は非常にそっくりなので見分けが付きにくいですよね。
しかし尻尾や外見、そして行動を見比べると実は両者の違いが分かってくるんだとか。

ここでは、そっくりな生き物カナヘビとトカゲの違いから、なぜカナヘビには足があるのにヘビと呼ばれているのか、その理由を解説します。

カナヘビもトカゲも「有鱗目」

カナヘビもトカゲも「有鱗目」と呼ばれる爬虫類の一種です。
この有鱗目、トカゲ目といわれることもあるので、カナヘビもトカゲの仲間と思われるかもしれませんが、科・属と細分化していくと全く異なる種となりますので注意が必要です。

日本に多く生息する「ニホントカゲ」

日本の生息しているトカゲ、その代表的な物が「ニホントカゲ」です。
このニホントカゲ、厳密には三重県から和歌山県を境にしてそれより西に住むものが該当し、それより東に生息するものはヒガシニホントカゲと呼ばれ別種とされています。

実は細分化されたのは最近のことで、2012年となっています。
それ以前はニホントカゲもヒガシニホントカゲも同一種とされ、両方ニホントカゲと呼ばれていました。

食性は動物食で、主に昆虫類や甲殻類などを食べています。
自分よりも大型の獲物を狙うこともあるなど、実は意外な大食漢なのです。

「ニホンカナヘビ」もトカゲの一種

カナヘビもまた、世界中に生息している爬虫類です。
日本以外にもユーラシア大陸やアフリカ大陸にも分布していますし、東南アジアにイギリスといった島にも生息しているのが確認されています。

日本で見られるカナヘビは「ニホンカナヘビ」という種で、日本の固有種となっています。
地域によっては「カナチョロ」や「カマチョロ」と呼ばれることもあるそうです。

生息域としては北海道から本州、四国、九州など幅広く生息しています。
食性はニホントカゲと似ていて、小型の虫などを主に食べて生きています。

カナヘビとトカゲの違い

カナヘビとトカゲはとても似ているので、よく観察しないと見間違うことも多いです。
ただ、違いさえ知っておけば見分けもつくので、ここからご紹介する違いについてご紹介しますね。

体表の違い

カナヘビとトカゲは体の表面に違いがあります。

光沢のないざらざらした見た目をしているのがカナヘビで、光沢のあるつるつるした外見をしているのがトカゲです。
このざらざらとつるつるは触った時にもわかる違いとなっています。

舌の違い

それぞれ舌にも違いがあります。
舌先が割れているのがカナヘビで、割れていないのがトカゲです。

尻尾の違い

尻尾は見た目だけなら似ているのですが、長さが違ってきます。

カナヘビは全長の約3分の2が尻尾と尻尾がかなり長いです。
それに対してトカゲのしっぽは全長の半分程度となっています。

生息場所の違い

カナヘビもトカゲも水中と空といった「ここ」というピンポイントな場所を生息地にしていないため、時と場合によってはイレギュラーな場所で見かけることもありますが、それぞれ好む場所にも違いがあります。

藪地や低山地など日当たりが良くない日陰を好むのがカナヘビで、草原や高山地にある日当たりの良い日向を好むのがトカゲです。
ただし、カナヘビが体温調節のために日光浴をするため日向にいることもありますし、逆にトカゲが直射日光を避けるために日陰に隠れることもあります。

習性の違い

他にも行動の習性からも違いが見えてきます。
その一つが土の中に潜るかどうかで判断できるので、時間があれば観察してみるのも面白いかもしれません。

土の中に潜らないのがカナヘビで、潜るのがトカゲです。
こればかりはしばらくじっと見ていないと見分けられないですね。

トカゲの仲間なのに「ヘビ」と呼ばれるカナヘビの名前の由来は?

トカゲの仲間に分類されているカナヘビですが、なぜそもそもヘビと呼ばれているのでしょうか。
ここからはカナヘビの名前の由来について、いくつか語られている説を中心にご紹介します。

愛らしい姿だから?

古語で「愛らしい」「可愛らしい」を意味する言葉として「愛し(かなし)」という言葉があるのですが、その「かな」を取ってカナヘビと名付けられたという説があります。
ただし、他に「愛らしい」の意味の「かな」から名前が付けられた動植物が他にあげられないことから、これは俗説だともされています。

そもそもヘビがどこから来たのかについては、この説では言及されていません。

体の色合いから?

体の色合いが金属のようだから「金蛇(かなへび)」だという説もあります。
土のように鈍い金属のような色をしていることから、カナヘビと呼ばれるのだとか。

ただ、これも実際に光沢があるのはトカゲの方であり、カナヘビは光沢がありません。そのため、俗説だという意見もあります。

ヘビみたいに動き回るから?

カナヘビがヘビと呼ばれる説についてはいくつかの説があります。

カナヘビは非常に俊敏な動きをします。
トカゲよりも細身な体という事もあり、トカゲよりもしなやかな動きもします。
そのしなやかにちょろちょろ動き回る体は足のあるヘビのようとも、足が無くてもヘビのように動き回りそうだという事から名前にヘビと付いているともいわれています。

他にもトカゲをヘビの先祖だとする伝承に由来する説や、足のある分トカゲの方がヘビより上位の存在でヘビの神様の使いだという信仰に由来するという説もあります。

まとめ

カナヘビはトカゲの仲間ですが、そこには体表や舌や尻尾などの違いも多々あります。
日本で姿を見やすいニホントカゲとニホンカナヘビを比較すると、体長はほとんど同じですが、体に対し尻尾の割合はカナヘビの方が大きく長い尻尾となっています。
カナヘビは体表がざらざらしているのに対し、トカゲは艶のある体表となっています。

また、トカゲは強靭な前足を持っているので土を掘りその中で休むこともありますが、カナヘビは地面を掘ることはありません。

もし見かけた場合は実際にニホンカナヘビなのかニホントカゲなのか,このような点から見極めることができます。

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