ハンマーヘッドとも呼ばれる「シュモクザメ」は危険なサメ?それほどでもない?

シュモクザメはハンマーヘッドシャークとも呼ばれ、その頭が金槌のようになっているのが最大の特徴です。
この金槌を思わせる頭部の両端に目があることから、非常に視界が広いんだとか。

鈍器を思わせる頭部をしていますので、シュモクザメは凶暴で危険なサメかな?と思う事もあるかもしれませんが、サメの中では危険の少ないとされています。
ホオジロザメのような人間を襲うサメに比べて、自分から攻撃してくるということはほとんどありません。
とはいえ、海岸近くなどにその姿を見せたらその周辺の海水浴場は遊泳禁止の措置が取られます。

特徴的なハンマーヘッド

 

他のサメとは異なる金槌のような形状をした頭部は、シュモクザメ最大の特徴です。
この形状から英名ではハンマーヘッドシャークと呼ばれています。
まずはその頭について名前の語源や特徴を見ていきましょう。

名前の由来はその頭部から

シュモクザメの「シュモク」は、漢字で「撞木」と表記します。

この撞木とは、鐘や和楽器などを打ち鳴らす丁字型の道具のことです。
シュモクザメの頭部の形状が、この撞木と似ていたことから名前の由来となりました。

英名である「ハンマーヘッドシャーク(Hammerhead shark)」も頭の形状から金槌が似ていることからきているので、外見から付けられたという点では共通しています。

頭部の特徴

シュモクザメのこの独特な頭部には、非常に重要な役目があります。

まず、目があるのは左右の張り出しの先端となっています。
そのため、至近距離の正面は死角となってしまうものの、立体視覚は人間並みにあるとされています。

そして、この頭部の張り出した箇所にはロレンチーニ器官という微弱な電気を感知する器官があります。
このロレンチーニ器官は。サメやエイの仲間が持つ電気受容感覚のことです。
生物の筋肉などが発する電流を感知することができる高感度センサーという機能を有しています。

シュモクザメは、サメの中でも特にこのロレンチーニ器官が発達した種とされています。

シュモクザメとは

 

シュモクザメはメジロザメ目シュモクザメ科に分類されるサメで、世界中の海で見られる動物です。
ここからはそんなシュモクザメとはどういう動物なのかを見ていきましょう。

シュモクザメの生息域

シュモクザメは、世界中の温帯から熱帯の海域に生息しています。
日本でも沖縄県の与那国島や静岡県の神子元島などのダイビングスポットで観測されることが多いですが、太平洋沿いの海浜浴場でその姿が目撃されることも多々あります。
海外では、コスタリカやメキシコで大量の群れが発見されることもあるようです。

沖合だけではなく沿岸でもその姿は見られ、広範囲に生息しているサメとなっています。

シュモクザメの大きさや姿

シュモクザメは、最大で4m以上の個体になるサメです。
アカシュモクザメやシロシュモクザメなどの種類によって若干大きさは変わってくるのですが、3m~4m前後の個体が多いとされています。
ホオジロザメなどに比べると小型となっています。

体色は一般的なサメ同様、灰褐色の背面と白い腹部をしています。

シュモクザメは危険?

シュモクザメは、サメというからには危険なのでしょうか?
答えを先に述べますと、サメの中では危険性は低いとされています。

シュモクザメの仲間は小柄な種が多くいです。
そして、神経質なため、ダイバーなどを見かけるとすぐに逃げることも多く、人間を襲うのは相当なことがあったときだけとされています。

最大種のヒラシュモクザメにおいては、獰猛な見た目であることはもちろん、体長約6mほどで体重約450kgほどまで成長するために人間を襲ってもおかしくないと考えられています。
しかし、現在までに襲われた記録はほとんどありません。
その他のシュモクザメでも人間を襲うケースは非常に稀です。

もちろん、万が一ということがあるので、シュノーケリングやダイビングをする際には不用意に接近することは避けたいです。
また、海水浴場の付近でその姿が発見された際は即遊泳禁止になります。

シュモクザメに関する豆知識

シュモクザメは、頭部の形状以外にもユニークな面を数多く持っています。
そこで、ここからはそんなシュモクザメの豆知識をいくつかご紹介します!

好物は毒針を持つ「アカエイ」

シュモクザメの好物は、危険な毒針を持っているアカエイです。
頭部のロレンチーニ器官を使って海底の砂中に潜んでいるアカエイを発見すると、そのまま掘り出して食べてしまうとされています。
獲物に対しては頭部を打ち付けて押さえ込むようにして捕食することもあるなど、海のハンターらしい面も見せることもあるようです。

このアカエイには、毒があります!
人間がもしアカエイの毒針で刺されれば最悪の場合死に至ることもあり、死に至らずとも失神や痙攣、嘔吐や下痢、発汗などの症状が出ます。

毒も危険ですが、その毒の出る毒針自体も非常に危険です。
最大10cmにもなるので、刺された場合は毒だけでなく出血多量になってしまう危険もあります。

そんな毒針を持つアカエイの毒に対してシュモクザメは耐性があるため、毒針に刺されてもそのまま捕食活動を続けることができてしまうのです。

群れをつくる珍しいサメ

シュモクザメは集団行動をします。

サメの多くは、単体行動を好みます。
ところが、シュモクザメは数匹や数十匹で行動することが多く、ときに数百匹の群れを形成することもあるとされています!

しかし、現在のところ、なぜシュモクザメが群れを成すのかはわかっていないそうです。
好物のアカエイは地面に潜んでいますので、集団で狩りを行う事もありません。

比較的おとなしい性格とされますが、4mも体があるシュモクザメが襲われることはそうそうありません。

そのため、集団生活をなぜシュモクザメが行うかは謎とされています。

まとめ

シュモクザメ最大の特徴は、その金槌のような頭です。
その形状から、鐘や和楽器を鳴らすための道具である「撞木」が名前の由来となりました。
英名では、そのハンマーのような形状から、ハンマーヘッドシャークと呼ばれています。

このシュモクザメは人間を襲うことはほとんどなく、人的被害の例も非常に少ないとされています。
どちらかというと臆病な性格ともいわれていますが、それでも襲われる被害は0とは言えませんので、不用意に近付きすぎないようにはした方がいいかもしれませんね。

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