「木枯らし一号」が吹くと冬が来る?そもそも木枯らしとはいったいどんなもの?

秋の終わりから冬の始まりにかけて吹く北風を「木枯らし」もしくは「木枯らし一号」と呼びます。
これが吹くといよいよ本格的な冬の始まりとされ、秋も終わりとされています。

では、この木枯らしとはどんなものなのでしょうか?
ここでは風の呼称の一種である木枯らしについて見ていきましょう。

木枯らしとは?

 

木枯らしは、「凩」ともいわれる北風の一種で、日本の太平洋側地域において秋の終わりから冬の始まりの間に吹く風速8m以上の北寄りの風のことです。
晩秋から初冬にかけて吹く、冷たい北風のこととなります。

冬型の気圧配置になったことを示す現象であるともされ、その気圧配置が西高東低となっている際に吹く風のことも指します。

毎年吹くわけではない

木枯らしは毎年必ず吹くわけではありません。
たとえば、関東地方では2020年の木枯らしが2017年以降で3年ぶりとなりました。
過去にも数年単位で木枯らしが吹かなかった年がありますので、必ずしも毎年のように吹いている風というわけではありません。

東京大阪にしかない?

「木枯らし」とされる条件は東京と大阪でそれぞれ決められており、最低限の条件を満たさない限り、木枯らしとは呼ばれません。

条件は東京(関東地方)と大阪(近畿地方)で若干違いますが、その最低条件として・最大風速8m以上・西高東低の気圧配置・北寄りの冷たい風であることとなっています。
この条件をみたしていれば、気象庁が木枯らしと認定して発表します。

発表されるのは、東京と大阪だけですが、他の地域に木枯らしという風が存在しないわけではありません。
単に気象庁が正式に発表するのは東京と大阪だけということです。

木枯らしの語源は?

 

なぜ秋から冬にかけて吹く冷たい風のことを「木枯らし」と呼ぶのか、その由来について見ていきましょう。

強い風が名称の由来

木枯らしという言葉は、木の葉を落として枯れ木のようにしてしまうほどの風という意味があります。
木枯らしは、その定義が風速8m以上の強い風ということもあり、そのかぜが木の葉を落として枯れ木のようにしてしまうことから来ているとされます。

木枯らしの類語は?

木枯らしに似た風としては、「北風」の他にも「寒風」や「空っ風」などがあり、いずれも冷たい風を表す言葉となっています。
日本では季節ごとに吹く風は変化が生まれ、秋の終わりから冬の始まりにかけて吹く風はとても冷たいのが特徴です。

季語として使われる

 

木枯らしは、冬の天文や気象に関する季語とされていることから、俳句や短歌でも使用されています。
過去の名作にも多く用いられており、偉人が詠んだ俳句や短歌の中にも登場しています。
以下、代表的な偉人が遺した名作です。

・松尾芭蕉「木枯らしや 竹に隠れて しづまりぬ」
・芥川龍之介「木がらしや 目刺にのこる 海の色」
・森鴎外「木枯や ひろ野を走る 雲のかげ」

どれも哀愁を帯びた情景を想像させる美しい俳句や短歌とされており、季節が移り行く光景が目の前に浮かんできそうですよね。

まとめ

木枯らしは、秋の終わりから冬の始まりにかけて吹く風速8m以上かつ西高東低の冷たい風のことです。
気象庁で木枯らしと認定し発表されるのは東京と大阪のみですが、他の地域でももちろん吹くことのある風となります。

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