
蒸し暑さを数値化した指数を、不快指数と言います。
これは気温と湿度の状態によって算出されるものであり、この値が大きいほど人は不快感を抱くとされています。
逆に不快指数が低ければ、暑くても不快感を抱くこともありません。
例えば日本の真夏、40度に近い温度で湿気もある時、多くの人がその天候に苛立つと思います。
これは不快指数が高い天気だからです。
そこでここでは、そんな不快指数とはどういうものなのかを見ていきましょう。
目次
不快指数とは

不快指数とは、蒸し暑さを数値化したものです。
まずは不快指数がどのようなものなのかを見ていきましょう!
不快指数の意味
不快指数は、アメリカで考え出された指標です。
蒸し暑さによる不快感を数値化したものです。
人間が生活するうえで不快を感じるような体感を、気温と湿度を用いた計算式で算出します。
では、なぜ不快指数と呼ばれるのでしょうか?
これには、人間の体の構造が関係しています。
人間は気温が高いと汗をかいて、その熱を放出させます。
汗が蒸発することによって、体温が下がるのです。
しかし、周囲の湿度が高いと、汗は蒸発されにくくなります。
すると、汗が乾きにくい状況となり、体温が思うように下がらなくなってしまいます。
結果、熱も放出されずに体感温度がどんどん高くなってしまいます。
この状況を人体は不快に思います。
そこから、人が不快に感じやすい蒸し暑さを指して「不快指数」と呼ばれるようになりました。
不快指数の数値
以下、不快指数の数値が示す状態です。
・寒い:~55
・肌寒い:55~60
・何も感じない:60~65
・快い:65~70
・暑くない:70~75
・やや暑い:75~80
・暑くて汗が出る:80~85
・暑くてたまらない:85~
人によって差はありますが、この不快指数が70~74以上となると不快に感じる人が増えるとされます。
日本人の場合、77以上となると約65%の人が不快を感じるとされています。
さらに数値が75~79で半数以上、85以上となると約93%の人が不快を感じるのだとか。
なお、アメリカ人は不快指数80以上でほぼ100%の人が不快を感じるとされます。
日本人よりもさらに不快感に対して敏感だという事ですね。
不快指数の算出方法

では、不快指数はどのように算出することができるのでしょうか?
下記、不快指数を求める計算について見ていきましょう。
不快指数を求める計算
不快指数を求める計算式は以下です。
「0.81×気温+0.01×湿度×(0.99×気温-14.3)+46.3=不快指数」
例えば、気温27℃で湿度55%であれば不快指数は75となります。
また、気温29℃で湿度70%であれば不快指数は80となります。
計算式は少し複雑なのですが、気温とともに湿度が上昇すればするほど、不快指数も比例して高くなっていくという計算式になっています。
真夏日の30℃で湿度が70%あれば、不快指数は81となります。
猛暑日の35℃の時に湿度70%であれば、不快指数はさらに高く89となります。
このように同じ湿度であっても気温が高くなれば不快係数はさらに高くなります。
もちろん、同じ気温でも湿度が高ければこちらも不快係数は高くなります。
近年の日本では、真夏日や猛暑日を超える日もとても多くなってきています。
そういう意味では不快指数が異様に高い日を体験している人も多いのではないでしょうか?
他にもある計算方法
他にも不快指数の計算式はあります。
「0.4×(乾球華氏温度+湿球華氏温度)+15=不快指数」
こちらの計算式によっても不快指数は算出できます。
とはいえ、この式で使う温度は日本で一般的に使う摂氏ではなく「華氏」なので注意が必要です。
不快指数に関する豆知識

不快指数の算出方法やどの程度の温度湿度で不快感を抱くかを説明してきましたが、ここからは豆知識も兼ねて、もう少し深い説明をします。
不快指数が高いからと言って蒸し暑いとは限らない?
ここまで不快指数が高くなればなるほど不快感が増すと解説してきましたが、必ずしも不快係数が高いから蒸し暑くなるとは限りません。
人間が体感する暑さというのは、気温と湿度の他にも日射や風の影響を強く受けるものです。
そのため、不快指数は必ずしも体感とは一致しません。
不快指数が高い日や場所でも、強い風が吹けば不快感を抱かないこともあります。
逆に不快指数が低くても、凪の場所だと空気が動かず息苦しさを感じることもあります。
不快日数
1ヶ月の間で不快指数75以上となった日数のことを、不快日数といいます。
この不快日数は夏の蒸し暑さを表現する際に用いられることが多いため、特に日本では6月~8月に耳にする機会が多いです。
まとめ
不快指数とは、気温と湿度によって計算される指数のことです。
蒸し暑さを表現するための指数となっています。
この指数が高いと、人間は不快感を抱くことが多くなります。
しかし、日差しや風の影響で体感は変わってくるため、不快指数が高い=蒸し暑いとは限らない、ということも承知しておく必要があります。