ふらふらすることを指すグロッキーという言葉は、もともとは頭がふらふらになるほどアルコール度数の強いお酒が語源とされています。
そんなグロッキーはボクシング用語として使われる反面、日常会話でもへとへとになっている状態で使うことのある言葉です。
ここでは、そんな汎用性の高いグロッキーのという言葉についてその成り立ちや背景などを交えながら解説させていただきます。
お酒に関する豆知識も併せてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
目次
「グロッキー」とは
そもそもグロッキーとはどういう意味を持つ言葉なのでしょうか?
ここではまずグロッキーという言葉について解説します!
「グロッキー」の意味
グロッキーとは唖然として、または困惑して反応が遅くなることを指します。
ボクシングなどの格闘技で使われる際は、相手からのパンチなどによる攻撃でダメージが蓄積して弱っている様子を指しています。
また、疲労困憊であったり、頭に響くほどの二日酔いによりぐったりとしている様子としても用いられます。
「グロッキー」の類義語
グロッキーはふらふらになっている状態ということもあって、類義語もそれらに似たような意味を持つ言葉が多くなっています。
例をあげると「くたくた」「ぐたっと」「ぐったり」のように疲労困憊な様を例えた言葉。
また、「げっそり」のよるに、衰えている様も類義語として挙げられます。
いずれも、スタミナ切れやダウン寸前の様子を指す言葉が主となります。
英語だと「グロッギー」
グロッキーというのは英語かと思われるかもしれませんが、実は英語が日本で訛った独自の発音となっています。
英語での表記は「groggy」です。
このスペルからもわかる通り、英語本来の発音はグロッギーとなります。
「グロッキー」という言葉が生まれるまで
グロッキーという言葉、実は成り立ちがなかなかややこしくなっています。
なので、ここではグロッキーの由来と成り立ちについて解説していきます。
グロッキーの由来は「グロッグ」というラム酒の水割り
もともとグロッキーという言葉は、あるお酒を使ったカクテルにあるとされています。
その語源となったのが、18世紀に活躍したイギリス海軍提督エドワード・バーノンが支給したラム酒の水割り、通称「グロッグ」です。
イギリス海軍では当時、水を長期保管できないため、毎日アルコール度数の高いラム酒を兵士に支給していました。
しかし、兵士の中にはこのラム酒を貯えておいて、まとめて飲むという者が多くいました。
ラム酒というと、アルコール度数は40~50%はあります
そんなお酒を大量に摂取したら次の日はフラフラで使い物になりません。
そんな状況をどうにかするため、エドワード・バーノンはラム酒を水割りにしてから兵士たちに提供することにしました。
水が混ざっているので、アルコール度数が薄くなるだけではありません。
日持ちしない水に混ぜることで、兵士が隠して貯えておくなんてできないようにしたのです。
「グロッグ」はお酒を支給した提督のコートから
そのグロッグというお酒の名前は、エドワード・バーノンが着ていたコートが由来となっています。
提督であったエドワード・バーノンはいつもグゴグラム模様のコートを着ていたそうです。
その姿からオールドグロッグというあだ名で呼ばれていたのだとか。
このあだ名をもじって、支給されたラム酒の水割りも「グロッグ」と呼ぶようになったとされています。
不評だった「グロッグ」は定番に
このグロッグはストレートのラム酒を欲した水兵たちからは当初不満が募っていたが、次第に定番化していきました。
そして、18世紀中には、ストレートのラム酒よりも好まれるカクテルになったのだとか。
そんなグロッグは、水割りであっても十分にアルコール度数が強かったため、何杯か飲めば十分フラフラに酔うほどでした。
そんな姿を見てフラフラな人を「groggy(グロッギー)」と呼ぶようになったとされています。
お酒に関する豆知識
グロッキーという言葉の成り立ちだけではありません。
お酒に関しては様々な豆知識がありますので、ここでいくつかご紹介していきます。
大酒飲みにプレゼントしたい花、アザレア
アザレアは大酒飲みにプレゼントしたい花です。
なぜならその花言葉のひとつに「禁酒」があるからです。
ついつい飲みすぎてしまう方にやんわり節制してほしいことを伝えたい際には最適なプレゼントになるでしょう。
ただし、相手が花言葉を調べたくなるような言葉も一緒に伝えないとダメですが!
料理酒はそのまま飲んではダメ!
日本のお酒というと、日本酒や焼酎などの他に、料理などで使われる料理酒もありますよね。
しかし、日本酒は飲めるけれど料理酒はそのままでは飲めません。
なぜなら、料理酒には塩が添加されているものが多いためです。
その他にも酢や調味料などが添加されているものもあります。
なぜ主に塩などが含まれているのかというと課税対象外とするためとされています。
塩を加えて飲めなくすることで、酒税の対象範囲から外れるわけですね。
つまり、そもそも料理酒は飲む用に作られているわけではないのです。
そのため、料理酒は塩辛かったり、酸っぱかったりするのでそのまま飲んではいけません。
必ず料理用に使用しましょう。
日本酒の「鬼殺し」がいくつかのメーカーから出ている理由
日本酒「鬼殺し」はいくつものメーカーから出ていますよね。
そもそも鬼殺しはどういうお酒なのかというと、本格的な辛口の日本酒のことを指しています。
この鬼殺し、商品名だけど商品名ではないという曖昧な存在なのです。
なぜそんなあいまいな立ち位置なのかといえば、商標登録していないため。
だからこそ、全国各地で自由に販売されているのです。
これらの「鬼殺し」はメジャーなものからマイナーなものまで含めると日本全国で約100種類以上あるとされています。
まとめ
グロッキーという言葉は、もともと水兵たちに支給されていたアルコール度数の強いお酒「ラム酒の水割り」から来ている言葉となっています。
現在ではボクシングなどの格闘技で使われることが多い他、日常生活でも疲労困憊のときなどに用いる言葉となっています。