魚なのに翼と脚がある?!ホウボウってどんな魚なの?

ホウボウはカサゴ目ホウボウ科に属する魚です。
その見た目はとてもユニークかつオリジナリティに溢れている魚です。
なんと、魚なのに翼や足のようなものが生えているのですから!

ここでは面白い姿形をしているホウボウが、どんな魚なのかを見ていきましょう。
この奇妙な出で立ちの魚、日本近海にも生息しているんです。

ホウボウの翼と脚の正体

 

カサゴ目ホウボウ科のホウボウは、魚なのにも関わらず翼と脚を持つ魚です。
ではまず、ホウボウのこの翼と脚の正体に迫ってみましょう!

翼の正体と役割

ホウボウの翼は、魚でいうところの胸鰭お部分に該当します。
体から突き出た、この羽のような胸鰭を上手に使う事で泳ぐことができます。

翼を見間違うほど発達した胸鰭の主な役割は、外敵を威嚇して身を守るためのものだとされています。
天敵が近づいてきた際に、この胸鰭を広げて警告する姿が確認されています。

脚の正体と役目

ホウボウの脚もまた胸鰭の一部です。
この一対6本の脚のような胸鰭を器用に使う事で、海の底を歩くことができます。

その役割は海底を歩き回るだけではありません。
餌を探す機能もあります。
高性能な感覚器官を有していることから、センサーの役割も担っているのです。

ホウボウはこんな魚

日本におけるホウボウの生息域は、北海道以南の海となっています。
その他、アジアの海にも生息しており、黄海や渤海、東シナ海、南シナ海などにも分布しています。

多くの場合、水深約100m~200mほどの砂泥底を好んで活動するとされます。
しかし、水深約25m前後の浅瀬から約600m前後の深海といった広範囲な水域で確認されています。
ホウボウは、これら海の底を歩くように泳いで生活しているのです。

大きさは成魚で体長約40cm~60cm近くになります。
そこまで大きな魚ではないですが、見た目のインパクトからダイバーたちの間でも人気の魚となっています。

ホウボウの名前の由来

 

では、次にホウボウという変わった名前についても見ていきましょう。
ホウボウの名前の由来には3つほどの説があります。

海底を這うから?

ホウボウは、海底を這うように移動する魚です。
その姿から「這う魚」の意味でホウボウと名前が付けられたとされています。

ちなみに「ホウ」は這うという意味で「ボウ」は魚名語尾として用いられる言葉となっています。

ホウボウと鳴くから?

ホウボウは、魚なのに浮き袋を振動させて鳴くことができます。
その鳴き声が「ほうぼう」と聞こえたところからホウボウという名前となったのではないかという説もあります。

ホウボウは浮き袋を鳴き袋として活用しており、水中で特殊な音を奏でることができるとされています。

頭部の形状から?

ホウボウの頭部は角張っています。
その形状が帽子のようにも見えることから「方帽」と名付けられたという説もあります。

お食い始めに用いられることもあるホウボウ

 

このホウボウ、地域によってお食い始めに用いられることもあります。

お食い始めとは

お食い始めとは、赤ちゃんが健康に成長することを願って行うお祝いのことです。
赤ちゃんに食事をする様子を真似をさせることによって「一生食べ物に困らないように」と願う行事となっています。

これらは生後100日目に行われることから、その日数から「百日祝い」とも呼ばれているそうです。
両親や祖父母などが集まって行う地域が多いですが、中には家族や親戚の他にも知人や友人など親しい人を招いて盛大にお祝いする地域もあります。

ホウボウに込められた願い

関東をはじめとしたお食い始めでは、タイが使われます。
しかし、関西の一部地域ではタイの代わりにホウボウを使う場所もあります。

ホウボウはタイと同じように体が赤いため、古くから魔除けや厄払いの意味があるとされてきました。
また、ホウボウの頭が硬くて鳴くという特徴があります。
そこから「頭の骨が硬くなるように」そして「夜泣きしないように」との願いも込められているそうです。

まとめ

ホウボウは魚には似つかわしくないパーツがあります。
それは、魚なのに翼や脚があるという点です。

しかし、この翼と脚、厳密にいうと胸鰭が発達したものです。
とはいえ魚としては非常に珍しい見た目をしていることには変わりありません。
海底を這うように進む様子と併せて、ダイバーから愛されている魚となっています。

そして、関西の一部地域では、タイではなくこのホウボウがお食い初めで用いられています。
頭が丈夫なことから「頭の骨が硬くなるように」、魚なのに鳴くという特性から「夜泣きしないように」という願いが込められているんだとか。

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