用紙のサイズにA判とB判の2種類あるのはなぜ?

用紙のサイズにはいくつか種類がありますが、違いが分かりにくいのがA判とB判の2種類です。
この2種の用紙サイズ、B判の方が大きいです。
そのため、B4で設定したものをA4で印刷しようとすると、縮小印刷しないといけなくなります。

では、なぜ用紙のサイズにはA判とB判があるのでしょうか?
この記事では、この用紙サイズの違いについて解説していきます。

A判とは

 

まず、用紙の寸法にはA列・B列・AB判の他、四六判や菊判やハトロン判などがあります。
これらの中でA列とされているものが、いわゆるA判です。

A判は世界規格

A判はいわゆる国際規格のサイズとなります。

これは。面積が1m²のルート長方形「A0」を基準にした用紙の国際規格サイズです。
この用紙規格は世界共通で採用されています。

発祥はドイツ

A判はドイツ発祥とされています。
その起源は19世紀末ドイツの物理学者オズワルドによって考案されたものだとされています。

彼が考案したA判は、もともとドイツ国内で通用する規格でした。
しかし、世界に広まったことで、用紙の国際規格となったのです。

B判とは

 

A列の用紙サイズも多いですが、B〇と書かれた用紙も多くあります。
これはドイツ発祥のA列用紙とは全く異なる基準と起源で生まれた用紙サイズとなっています。

B判は日本独自

B判は日本独自の用紙サイズです。
面積が1.5m²のルート長方形「B0」を基準にした用紙となっています。

美濃和紙がはじまり

B判の起源は代表的な和紙のひとつ、美濃和紙にあります。

美濃和紙とは、美濃国とかつて呼ばれていた地域で製造されている和紙のことです。
1985年5月22日、現在の経済産業省により伝統的工芸品の認定を受けています。
この美濃和紙の技法は1969年4月15日に重要無形文化財にも指定されいます。

この美濃和紙が、公用紙だったことのある歴史からB判という用紙サイズは生まれました。
江戸時代、美濃和紙は徳川将軍家の御用紙に採用されていました。
この影響から、多くの場所で美濃和紙は用いられていました。

また、明治政府になっても、江戸時代御用紙であった美濃和紙のサイズは引き継き継皮れてきました。
戦後も日本工業規格では「帳簿類の寸法はB判を原則とする」と定められていましたし、B判は日本の用紙サイズとして定着していたのです。
1980年代まで国の公文書の約9割がB判を使っていたのだとか。

ところが、1990年代に入ると、ノートのサイズが国際規格A判に従って製造されるようになりました。
その影響から2000年ごろまでは、教科書もB5サイズで作られていましたが、A4にサイズ変更されるようになりました。

これによって変更をすることになったのがランドセルです。
これまでのランドセルはB5サイズに対応していました。
しかし、教科書もノートもサイズが変更されたことで、従来のランドセルでは不都合が出てきました。
そのため、2010年ごろからA4サイズに対応するランドセルが販売されるようになりました。

A判とB判どっちが大きい?

 

それではA判とB判はどちらの方が大きいのでしょうか?
以下、A判のサイズとB判のサイズを簡単にご紹介します。

A判のサイズ

以下がA判の主なサイズとなります。


・A0:841×1189mm(A0は面積が約1m²)
・A1:594×841mm(A0の半分)
・A2:420×594mm(A1の半分)
・A3:297×420mm(A2の半分)
・A4:210×297mm(A3の半分)
・A5:148×210mm(A4の半分)
・A6:105×148mm(A5の半分)
・A7:74×105mm(A6の半分)
・A8:52×74mm(A7の半分)
・A9:37×52mm(A8の半分)
・A10:26×37mm(A9の半分)

A0から始まり、数字が大きくなるごとに半分の面積になっています。

用途によってこれらのサイズが使い分けられています。
一番手にすることが多いのはA4サイズの用紙とされています。

B判のサイズ

日本独自規格であるB判の各サイズは以下の通りです。


・B0サイズ:1030×1456mm(B0は面積が約1.5m²)
・B1サイズ:728×1030mm(B0の半分)
・B2サイズ:515×728mm(B1の半分)
・B3サイズ:364×515mm(B2の半分)
・B4サイズ:257×364mm(B3の半分)
・B5サイズ:182×257mm(B4の半分)
・B6サイズ:128×182mm(B5の半分)
・B7サイズ:91×128mm(B6の半分)
・B8サイズ:64×91mm(B7の半分)
・B9サイズ:45×64mm(B8の半分)
・B10サイズ:32×45mm(B9の半分)

B判の方が大きい

なお、サイズとしてはA判よりもB判の方が大きいです。
例えば、同じ「4」というサイズでもA4よりB4の方が大きいサイズとなります。
(A4は210×297mm、B4は257×364mm)

ところで、先ほどノートや教科書のサイズがB5からA4になったという話をしました。
すると縦横どちらもA4の方が大きいという事が分かります。
(A4は210×297mm、B5は182×257mm)
このサイズの違いにより、教科書やノートは重くなっています。

まとめ

日本で使われている用紙の中にはA判とB判があります。
A判は国際基準なのに対して、B判は日本基準のサイズです。
たとえばA4とB4を比べた場合、両者は同じサイズということはなく、B判であるB4の方が大きくなっています。

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