黄色い花の「キンセンカ」、その花言葉には2つの神話が!

キンセンカは黄色い花を咲かせる美しい植物です、
その花言葉として、「悲嘆・寂しさ・失望・別れの悲しみ・暗い悲しみ」などがあります。
ネガティブなものが多いですが、これらの花言葉は、ある2つの神話から付けられたのだとか。

そこでここではキンセンカがどういう植物なのかはもちろん、花言葉とそれにまつわる神話についても併せて解説していきます。

「キンセンカ」とは

 

キンセンカは、キク科キンセンカ属に分類される植物です。
まずは、キンセンカがどういう特徴を持っている植物なのかを見ていきましょう!

キンセンカの特徴

キンセンカは、別名として「カレンデュラ」とも呼ばれる植物です。
また、「ポットマリーゴールド」と呼ばれることもある花です。

ちなみにポットとは食用にできる野草という意味で、実際キンセンカは食用に用いられることもあります。

キンセンカは、春咲きの一年草として扱われています。
しかし、宿根草タイプは越冬することから「冬知らず」とも呼ばれます。

そんなキンセンカの特徴と言えば、やはりその黄色い花にあります。
鮮やかで美しい花の色は、どこか太陽を思わせます。

キンセンカの開花時期

キンセンカが市場に出回る最盛期は3月~6月となっています。
開花時期は12月~5月とされ、冬から春にかけて咲く花とされています。

その花は、朝方に開花する一日花です。
花径は約10cmほどあり、オレンジ色や黄色の花を咲かせます。
咲き方は豊富で、一重咲きや八重咲きが多いです。
また、中心が黒色のものもあります。

葉は長さは約5~18cmほどの単葉で、中には荒い毛が生えていることも。

キンセンカの原産

キンセンカは地中海沿岸を原産ちとしています。
仲間となる植物は約20種類ほどあり、現代では世界中で見られる花となっています。

特に近年では、北アメリカや中央アメリカ、南ヨーロッパなどで多く栽培されています。
日本でも花屋に行けば扱っていることも多いですね。

なお、日本では観賞用として花壇などに植えられています。

南房総や淡路島など暖かい地方では、古くから切り花用に栽培されています。
これらの土地では、キンセンカは冬から春にかけての風物詩となっています。

ヨーロッパでは原種はハーブの1つに数えられ、エディブル・フラワーと呼ばれる食用花としても扱われています。
観賞用や食用だけでなく、キンセンカから作られた軟膏は火傷からニキビまで幅広い皮膚のトラブルの治療薬になるとも考えられており、古くから利用されています。

「キンセンカ」の花言葉と神話

 

キンセンカの花言葉には、ある2つの神話が関係しています。
ここでは花言葉をご紹介するとともに、語り継がれている神話についても簡単に解説します。

全般的な意味の花言葉

キンセンカの全般的な意味の花言葉は「悲嘆」「寂しさ」「失望」「別れの悲しみ」「暗い悲しみ」などです。
非常にネガティブな印象の強い花言葉が並んでいます。

しかし、一部種類によっては「慈愛」「乙女の美しさ」といったポジティブな花言葉もあります。

「キンセンカ」とある精霊の伝説

ギリシア神話には、水の精霊クリュティエと太陽神アポロンにまつわるキンセンカの物語があります。

水の精霊であるクリュティエは、太陽神アポロンに恋をしていました。
しかし、アポロンはすでにレウコトエ王女と恋仲にありました。

それに嫉妬したクリュティエは、王女の父に密告し、怒った王は娘のレウコトエ王女を生き埋めにしてしまうのです。
その後、密告という自分の行ないを恥じたクリュティエは9日間地面に座りこんでいました。
その間、太陽神であるアポロンが空を通っているのをだけをひたすら見つめながら過ごしていました。
すると、クリュティエの体はいつのまにかキンセンカに姿を変えてしまっていたのです。

この悲しい恋の物語が、キンセンカの花言葉の背景にはあるんですね。

なお、クリュティエが姿を変えた花はキンセンカでなく、ヒマワリやヘリオトロープともいわれています。
とはいえ、ヒマワリはアメリカ大陸原産の植物です。
古代ギリシャの時代では、まだ現地では知られていない花ですので、時代が下る中で追加され変化していったものなのかもしれません。

「キンセンカ」と少年の伝説

キンセンカには、少年クリムノンと太陽神アポロンにまつわる神話もあります。

太陽神アポロンを崇拝するクリムノンという少年がいました。
クリムノンは、アポロンが大空を駆けている昼はとても幸せな気持ちでいられました。
しかし、夜になるとアポロンの姿が見えなくなるため、悲しい気持ちに毎日なっていました。

ある時、そんなクリムノンのことをアポロンが知ったことで、いつしかお互いに愛情が芽生え、幸せな日々をともに過ごすようになりました。
しかし、嫉妬深い雲の神はそんな2人に妬みした。

嫉妬にかられた雲の神は、アポロンを8日間も自分のテリトリーである雲の中に閉じ込めてしまいまったのです。
それによってアポロンと会えなくなったクリムノンは、耐え難い8日間を過ごすことになりました。

9日目になり雲から脱出したアポロンが姿を現したときには待ち焦がれるあまり、クリムノンは命を失っていました。
そして、亡くなったクリムノンをアポロンはキンセンカの花に変え、二人の愛の印としました。

キンセンカは太陽に向って咲くのは、太陽神であるアポロンのことを今でも見つめているからなのだとか。

キンセンカと似た花の関係

 

キンセンカにはとても似た花があります。
こちらも併せて確認しておきましょう!

混合される「マリーゴールド」

キンセンカと混合されるこことがあるのがマリーゴールドです。
マリーゴールドは、キク科コウオウソウ属に分類される植物です。
キンセンカ属のキンセンカとは異なる植物です。

ともに黄色く花弁が多い花という事で混合されることがあります。
特徴が似ていることから、「ポットマリーゴールド」という別名がキンセンカにはあるほどです。

しかし、キンセンカとマリーゴールドは完全に別物の植物です。
広くマリーゴールドと呼ばれる植物は、アフリカン・マリーゴールドやフレンチ・マリーゴールドのことです。
いずれもキンセンカ属の植物ではありません。

サフランの代用とされたキンセンカ

キンセンカは、かつて高級な香辛料であるサフランの代用品として使われていました。
その歴史から、キンセンカは「貧乏人のサフラン」や「エジプトサフラン」と呼ばれていたこともあります。

まとめ

キンセンカは、鮮やかな黄色い花を咲かせる植物です。
その花言葉は、「悲嘆・寂しさ・失望・別れの悲しみ・暗い悲しみ」といった悲しみを帯びたものが多くなっています。
その背景には、悲しい別れをした2つの神話があったのです。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事