多くの一般ランナーが参加することで知られる「東京マラソン」。そんな大会における“知られざる事例”が多くの反響を呼んでいます。
そして、その事例は多くの人に知ってほしいことです。命を救うということを改めて考えさせられるツイートをぜひご覧ください。
目次
多くの人に知ってほしい!
投稿されたのは、Twitterユーザーの看護師のおとも(@99emergencycall)さん。過去12回開催された東京マラソンで発生した心肺停止患者にまつわる事例を綴られています。
あまり知られてないですが東京マラソンは過去12回中、心肺停止患者11名発生してます。
しかし知られていないのは、心肺停止に陥ったランナーは全て救命されたこと。
さらに知られていないのは11名全員が社会復帰を遂げたこと。
もっと知られてないのは300〜500m間隔でAED隊がスタンバイしてること。
— ?看護師のおとも? (@99emergencycall) February 26, 2021
本当に対応が早いと...
傷病者(CPA)発生
→近くのモバイルAED隊が初期対応
→その場で蘇生
→救急隊がROSCした患者を搬送という理想的な連携がとれます。対応時の記録を見る機会がありましたが本当に迅速かつ適切な対応が蘇生に繋がると実感したものです。https://t.co/LvDEUCJGci
— ?看護師のおとも? (@99emergencycall) February 26, 2021
※CPA(Cardiopulmonary Arrest)=心肺停止、ROSC(Return Of Spontaneous Circulation)=心拍再開。
筆者も初めて知りましたが、これまでに心肺停止に陥ったランナーは全て救命されて社会復帰しているとのこと。さらに、300~500m間隔でAED隊がスタンバイしているのですね。
心肺停止は、いつでもどこでも誰にでも起こり得ることです。ましてや、マラソンは心臓に負担がかかる運動ですし、心肺停止のリスクが常に伴いますが、その対応をそこまで徹底されていたのですね。全ての心肺停止患者が救われているのは、そうしたリスクヘッジの賜物だと思います。
医療者だから助けられたのではない
ここで重要なのは、医療者だから助けられたのではないということです。心臓発作で心停止となった場合、何もしないと1分経つごとに助かる可能性は10%減っていき、10分経ってしまえば助かる可能性は限りなくゼロに近づきます。
そのため、医療者だから・・・というわけではなく、近くにいる方の早期発見と早期対応がものを言うのです。
AEDは誰にでも使える
想定されるのが、AEDの使い方を「知らない」「なんとなく知っているけど使える自信がない」「いざという時に使えるのか不安」などとお考えの方が多いのでは?ということ。
AEDの使い方はカンタンで、誰にでも使えます。AEDのある場所がわかれば、電源を入れ、音声ガイダンスの指示に従えばいいだけです。「パッドを右胸と左脇腹に貼ってください」「心電図を調べています」「電気ショックが必要です。体から離れてください」「点滅するボタンを押してください」といったように、丁寧且つ簡潔に教えてくれます。
ただ、残念なことに、「誰かの目の前で心臓発作で倒れた人に、救急隊の到着前にAEDで電気ショックが与えられた割合」はわずか4.7%というデータも出ています(平成28年総務省消防庁調べ)。日本のAED設置数は50万台以上であり、普及率は世界一と言われているにもかかわらず・・・です。
すぐに行動に移してほしい
大切なことは、心肺停止患者のすぐ近くにいる方が、すぐに行動に移すこと。これによりかけがえのない命を救うことができるのです。AEDは置いてあるだけでは意味がありません。
命がかかる緊急事態時に、落ち着いて行動するのは難しいと思いますが、最初から完ぺきにできる人なんていませんし、1秒も無駄にせずに迅速に行動することが重要。そうすることで、救命率は向上します。もちろん、できるのであれば日頃からAEDへの関心を持ち、いざという時に実践できるよう訓練しておくことがベターです。
健康管理のための努力も
心肺停止を未然に防ぐことができれば、それが一番です。運動不足は万病のもと。コロナによる自粛の影響で運動不足に陥っている方も多いと思いますが、家のまわりを散歩したり、歩ける場所へは歩いて行ってみたり、やれることは色々とあるはずです。
AEDの使用に関わる正しい知識の広がりは、救命率の向上に大きく影響します。ひとりでも多くの人がいま一度そのことを認識し、いざという時に備えておきたいところです。
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出典:Twitter(@99emergencycall)