「おかき」と「おせんべい」、同じようなものと思ったら実は違いがあった!

おかきとおせんべいは、どちらも米菓なので同じようなものと思いがちですが、実は材料が違います。
また、おかきとあられは形状こそ似ていますが、それらも違いがあるとされています。。

そこでここでは、同じ米を原料としている「おかき」や「おせんべい」、「あられ」について、どのような違いがあるのか解説していきます。

おかきとおせんべいは材料が違う

 

おかきとおせんべいは使われている材料に違いがあります。
実は原料となる米の種類が違うので、詳しく見ていきましょう。

おかきの材料

おかきは餅などと同じ、もち米が材料となります。
特に粘り気の強いもち米はおかきに適しているとされ、古くから原料として用いられてきました。

おせんべいの材料

おせんべいは白米などと同じ、うるち米を材料としています。
粘り気の弱いうるち米はおせんべいに適しており、特に独特の食感を生むのに最適な原料として使われています。

おかきとあられの違い

 

もち米で作られるものの中でも、粒が大きいものを「おかき」、小さいものは「あられ」と呼ぶのですが、その違いは由来にあるとされます。

おかきは「かき餅」が由来

おかきという名前は「かき餅」から来ているとされます。

このかき餅自体は、お正月に供えられる鏡餅に由来があります。
かつて、正月11日の鏡開きの際に鏡餅に刃物を入れて切ることが忌避される時代がありました。

そこで刃物を鏡餅に入れて切るのではなく、餅を手で欠くようにして千切り取っていました。
この様子から、手で欠いた餅という意味で「かき餅」と呼ばれるようになったのだとか。

このかき餅の女房言葉となったのが「おかき」です。
女房言葉とは、室町時代の宮中で働く女性たちの中で当時流行った新しい言葉の事です。
名詞のあたまに「お」を付けたり、語尾を「もじ」に変えられたりしました。
例えば、強飯の頭に「お」を付けたものは「おこわ」、杓子の後ろを「もじ」に変えたものは「しゃもじ」となり、現在まで残っています。

「かき餅」がこの女房言葉になった際、頭に「お」が付けられ、「おかき餅」となりました。
これがさらに変化し、餅の字が略されて「おかき」になったのです。

あられは「霰」が語源

あられという名前はその姿形に由来します。
冬の空から降ってくる霰に形が似ていたこと、煎るときに音を立てて跳ね上がる形が霰に似ていたことから「あられ」と呼ばれるようになったとされています。

呼ばれる地域の違い

「おかき」は、関西を中心に広まった呼び名とされます。
「あられ」は、関東を中心とした呼び名となっています。

そのため、粒が小さくとも関西では「おかき」と総称される事もあります。
逆に、大きいと小さいものが混合していても関東では「あられ」とひとくくりにされる事もあります。

おせんべいの由来のいろいろ

 

ここからは諸説ある「おせんべい」の名前についていくつかの説をご紹介します。

草加の「おせんさん」を由来とする説

その昔、日光街道の宿場町「草加宿」に茶店がありました。
この茶店には、おせんさんという女性がおり、そこの団子がとてもいい評判を受けていました。

しかし、人気商品の団子も時には売れ残ってしまう事もありました。
日持ちがしないので、翌日出すこともできないので、もったいないとおせんさんは悩んでいました。

そんなある日、茶店に立ち寄った侍が「団子を潰して天日干ししたものを焼いて、それを売ってみてはどうだろうか?」と提案しました。
それはいいと早速売り出すとこれが飛ぶようになり売れし、一気に日光街道の名物となりました。

これがおせんべい、特に草加せんべいの起源とされています。

「千利休の弟子」にちなむとする説

おせんべいは千利休の弟子である茶人、千幸兵衛にちなむとする説もあります。
千幸兵衛はある時、小麦粉と砂糖を使った焼き菓子を考案しました。
このお菓子を師匠である千利休に出したところ、「千」の姓を名乗ることを許されました。
そしてこのお菓子に師匠と新しい自分の姓から「せん」と、自身の名前から「べえ」を組み合わせて、「せんべい」と名付けたのだとか。

「乾餅」という昔の食べ方から来たとする説

せんべいの原型ともいえる食べ物は、千数百年前にはあるとされています。
昔は、もち米やうるち米を問わず、米を蒸したものを強飯と呼んでいました。
前述のおこわの古い名前の事です。

そして、この強飯をついて潰したものが餅と呼ばれていました。
この餅の中でも、保存食として乾燥させていたものを「乾餅」と言います。

この乾餅は必要に応じて焼いて食べられており、これがおせんべいの原型ともいわれています。

まとめ

「おかき」と「おせんべい」の違いは、原料にあります。
おかきが「もち米」を使うのに対して、おせんべいは「うるち米」を用います。

そして、おかきに似た「あられ」とも違いがあり、大きいものを「おかき」、小さいものを「あられ」と呼ぶことが多いです。
また、大きさに関わらず、関西では「おかき」、関東では「あられ」と総称される傾向もあります。

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