辛い調味料の「豆板醤」と「コチュジャン」、その違いは何?

豆板醤とコチュジャンは共に辛い調味料です。
しかし、豆板醤は中国発祥で、コチュジャンが韓国のある朝鮮半島発祥の調味料です。

発祥地以外にも豆板醤とコチュジャンには違いがあるので、今回の記事ではそれぞれの違いについて詳しく解説させていただきます。
激辛料理が好きな方は、豆板醤もコチュジャンも好きという方が多いと思いますが、どちらがより辛いのかといった点も纏めますね。

豆板醤とは

 

豆板醤は、ソラマメや唐辛子を主原料とする中国の発酵調味料です。
まずは豆板醤がどういうものなのかを見ていきましょう!

豆板醤の発祥

豆板醤は今から約二百数十年前、中国四川省で作られた調味料だとされています。
現在でも四川省は、豆板醤の一大産地とされています。
中国では古くから豆板醤を使っており、中華料理には欠かせない調味料の1つとなっています。

豆板醤の作り方

では、豆板醤はどのようにして作られるのでしょうか?

豆板醤の原料となるのはソラマメと唐辛子です。
ソラマメは皮がとても硬いため、発芽させて皮を剥くなどの下処理が必要です。

現地ではこの発芽した状態を「豆板」と呼び、ペースト状の調味料のことを「醤」と呼びます。
つまり豆板醤とは、発芽した豆をペースト状にした調味料という意味なのです。

豆板醤は日本の味噌のように蒸すことはありません。
そのまま麹に漬け、食塩を添加し半年ほど発酵させます。
そこに、唐辛子などを加えて、さらに約1カ月~数年熟成させるのが伝統的な豆板醤の製法とされています。

皮を剥いたソラマメを吸水させて蒸さずに麹とし、塩漬けにして発酵させた上でごま油や味噌、香辛料、砂糖などを入れて熟成させるのが特徴です。

本来は唐辛子を入れずにソラマメだけで作ったものを豆板醤と呼びます。
日本では豆板醤=唐辛子の入った辛い調味料という認識が一般的ですので、イメージと差があるかもしれません。
現地では、唐辛子を入れた辛い豆板醤を豆板辣醤と呼び分けられることも多いです。

しかし近年では、現地でも唐辛子を入れた辛いものを豆板醤とすることが多いともされます。

豆板醤を使った料理

豆板醤を使った中華料理は多々あります!

豆板醤は唐辛子が含まれていることも多いためにとても辛いのですが、加熱することで香りが引き立つ調味料です。
そのため、中国では多種多様な料理に豆板醤が使われています。

代表的なものだと麻婆豆腐に回鍋肉や担々麺といった四川料理、乾焼蝦仁のような上海料理などに使われます。

コチュジャンとは

 

コチュジャンとはもち米麹や唐辛子を主原料とする発酵調味料です。
次にコチュジャンがどういうものなのかを見ていきましょう!

コチュジャンの発祥

コチュジャンは今で言う韓国が発祥です。
厳密には朝鮮半島が発祥の地ですね。

コチュジャンは主原料の唐辛子が1日本から伝来したことで17世紀ごろ誕生した調味料だとされています。
18世紀の本にはコチュジャンを作る方法が言及されていることから、18世紀頃には明確に作られていたことがわかっています。

今では韓国料理に欠かせない調味料として、現地でも色々なメーカーが作っています。

コチュジャンの作り方

コチュジャンは、もち米麹などと唐辛子の粉などを使い作られています。
使う麹には、時代や地域によっても違いがあります。
もち米麹以外にも、大豆や麦に小麦粉やキビなどを混ぜたり、これらを使った麹を使うなどの工夫がされています。

いずれかの麹を用いてもち米や米を糖化させ、そこに唐辛子の粉の他、塩や醤油などを加えます。
これを発酵熟成させることでコチュジャンが完成します。

コチュジャンを使った料理

唐辛子による赤みを帯びた色合いと甘辛い味のコチュジャンは、韓国料理にとって欠かせない調味料のひとつです。
多種多様な料理に合うとされており、特にビビンバの必需品とされています。
日本でも人気の、サムギョプサルやタッカルビなどにも使われていますね。

現地ではコチュジャンを鍋物や煮物に使うだけではなく、炒め物や和え物にも用いられます。
また、薬味として入れられたり、生野菜にディップしたり、直接ご飯などに混ぜて食べたりもするようです。

より辛いのは・・・どっち?

 

豆板醤とコチュジャン、どちらもとても辛い調味料なのですが、どちらの方がより辛い調味料なのか。
もちろん、製法や製品などによって違いはありますが、一般的には豆板醤の方が辛いとされています。
コチュジャンは麹で糖化させているため、味にまろやかさや甘みが加わっています。
そのため、糖化させていない豆板醤の方が辛いという事になります。

ただし、豆板醤は元々、唐辛子を入れない豆をペースト状にした調味料のことです。
そのため、豆板醤はそもそも辛くないのでコチュジャンの方が辛いともいえるかもしれませんね。

食べ物に関する違い

 

食べ物には他にも、違いの分かりにくい似たようなものが多々あります。
そこで、ここからは食べ物の中でも似て非なるものをご紹介します!

「ミートソース」と「ボロネーゼ」の違い

ミートソースとボロネーゼは日本人の感覚からすれば「どちらも似たようなものだよね」と思うかもしれません。

しかし、ミートソースとボロネーゼは何で煮込むかによって違いが生じます。
ミートソースはトマトで煮込むものを指しているのに対して、ボロネーゼはワインで煮込むものを指すのが一般的です。

また、使うパスタも違います。
ミートソースは細い麺状のパスタ「スパゲッティ」にかけるのが普通ですが、ボロネーゼは平打ち麺状のパスタ「タリアテッレ」にかけて食べるのが定番となっています。

さらには盛り方もそれぞれ違うんですよね。
ミートソースは麺の上にかけるのが定番なのですが、ボロネーゼは麺と絡めて提供されるのが一般的とされています。

「そうめん」と「ひやむぎ」の違い

そうめんとひやむぎも非常に似ている食品ですが、厳格な違いがあります。
その違いとは麺の太さにあるそうです。

JAS規格によると「そうめん」は長径1.3㎜未満とされています。
たいして「ひやむぎ」は長径1.3㎜以上1.7㎜未満」の麺と定められています。
つまり、太さによって違うわけですね。

ただし、これは機械製法の麺による区別です。
手延べ麺の場合は、麺の太さが1.7mm未満であれば「そうめん」でも「ひやむぎ」でもどちらと表記してよいとされています。

「唐揚げ」と「竜田揚げ」に違い

唐揚げと竜田揚げの違いはカテゴリにあります。
唐揚げは揚げ物の総称であるのに対して、竜田揚げは唐揚げの一種という位置づけの食べ物です。
唐揚げは衣の部分は小麦粉や片栗粉などを用います。
対して竜田揚げは片栗粉をまぶして揚げたものとされています。

つまり、大カテゴリとして唐揚げがあり、その下のカテゴリに竜田揚げがあるイメージですね。

まとめ

豆板醤とコチュジャンは共に辛い調味料です。
しかし単に辛いといっても違いはあります。
使われている原料や、それぞれの製法の違いです。

豆板醤はソラマメと唐辛子を使っているのに対して、コチュジャンはもち米もしくは米と麹、唐辛子を使っています。
発祥の地も中国四川の豆板醤と朝鮮半島のコチュジャンというちっがいもあるため、それぞれ使った料理は異なるものです。
豆板醤は麻婆豆腐をはじめとした四川料理など、コチュジャンはピピンパなどに使われています。

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