「こんにゃくの花」の姿が意外すぎる!だけどその花は容易に見られるものではない?!

おでんなどでおなじみのコンニャク、その原料となる蒟蒻芋は「こんにゃく」という植物の球茎にあたります。
このこんにゃく、蒟蒻芋などのイメージが強いですが、実は花を咲かせる植物です。
ところがその花は、数年に一度しか咲かないため、なかなかその姿を見られるものではないのだとか。

そこでここでは、そんな珍しいこんにゃくの花についてご紹介します。
また、食用のコンニャクについても併せて解説します。
なお、便宜上この記事では食材を「コンニャク」、植物としてなら「こんにゃく」と表記をわけています。

レアなこんにゃくの花

 

こんにゃくは、サトイモ科コンニャク属の植物です。
その花は数年に一度しか咲かないとされています。

植物としてのこんにゃく

こんにゃくという植物は、高さ2mほどまで伸びる多年草です。
まるで、木の幹のようなしっかりした茎があり、葉がその茎の先から伸びている姿は若木のようにも見えます。

その葉は、毎年1枚だけ出るとされ、高さ1~1.5mほどの場所から生えてきます。
葉は先が3つに分かれており、それぞれの裂片が不揃いな羽状に裂けています。

おでんの具などで非常になじみ深いコンニャクですが、植物のこんにゃくはまだ研究が進んでいない植物であるため、謎も多いという一面があります。

こんにゃくの花が咲くのは5年に一度

 

こちらが「こんにゃくの花」です。
日本の在来種の植物にしては珍しい形状をしています。

そんなこんにゃくの花が咲くのは、約5年に一度とされています。
球茎が一定の大きさまで肥大しないと、花を咲かせることはありません。

とはいえ、個体によっては3年~4年で咲くものもあります。
国内には、2年に一度開花させている植物園もあるそうです。

それでも数年に一度しか咲かないため、希少な花と言えます。
しかも花は2日間ほどしか咲かないので、生で見られる機会はなかなかありません。

ちなみに、食用として栽培されているこんにゃくは、大体3年もあれば根の部分にある蒟蒻芋が収穫されてしまう事から、花を咲かせることはあまりないのだとか。

別名は「悪魔の舌」

こんにゃくの花には「悪魔の舌」という別名があります。
これは、花の独特の形状だけではなく、悪臭模することに由来するのだとか。

ちなみに、こんにゃくの中でも特に大きなショクダイオオコンニャクの花は、「世界一大きな花序」「世界で最も醜い花」「死体花」などとも呼ばれています。
どの別名もなんだか不気味ですよね!

 

ちなみに、こちらがショクダイオオコンニャクの花の姿。
なんと、横にいる男性よりもその花は大きいのです!!

こんにゃくの花は・・・臭い!

こんにゃくの花には、独特の臭いがあります。
その花は非常に臭く、開花後は日を増すごとに臭くなっていくそうです。

最高潮に達した際は、腐ったような強烈な匂いがすることも。

食材としてのコンニャク

 

食材としてのコンニャクは、植物のこんにゃくの球茎にあたる蒟蒻芋から製造されたものです。
ここからは食べ物としてのコンニャクについて見ていきましょう。

コンニャクの原料はこんにゃくの地下茎「蒟蒻芋」

コンニャクは、こんにゃくの地下茎や球茎にあたる「蒟蒻芋」を原料としています。
蒟蒻芋は、その成分のうち約40%が「グルコマンナン」という水溶性中性多糖物質となっています。
この蒟蒻芋中に含まれるグルコマンナンを溶かし、固めるとコンニャクができます。

なお、一度ぷるぷるの固形状態になると加熱しても元には戻らなくなります。
また、グルコマンナンの水溶性という性質も失われます。
その性質を活かして、コンニャクは色々な料理に活用されています。

ちなみに、このグルコマンナンは人間は消化することができません。
製造されたコンニャクは、95%以上とその大部分を水分で構成されていますが、残りはグルコマンナンが主成分となっています。
そのため、ダイエット食として取り入れられる事もあります。

蒟蒻芋は生では食べられない?!

蒟蒻芋は、生食ができません。
それは、毒性があるためです。
その毒はシュウ酸カルシウムというもので、素手で触るとカブレることもあるほどです。

このシュウ酸カルシウム、劇薬に指定されるほど強い毒性があります。
少量を口にしただけでも激しい灼熱感で喉が腫れ呼吸困難になり、大量に摂取すれば肝臓や腎臓に深刻な障害をもたらすとされています。
場合によっては昏睡状態や死に至る危険まであるのだとか。
毒性が弱い状態でも、腎臓・尿管・膀胱・尿道に結石をもたらすことも・・・。

シュウ酸カルシウムを含む生の状態では、食べるはもちろん直に触るのも避けたい危険なものなのです。

日本ではいつから食されている?

コンニャクが日本でいつ頃から食されるようになったのか、それは実は明確になっていません。
一説には、すでに弥生時代にはあったともされています。
他にも、飛鳥時代に仏教伝来と同じくして中国から伝わり、推古天皇の時代に薬として用いられていたともされています。

食べ物として扱われるようになったのは、鎌倉時代になってからなのだとか。

糸コンニャクとしらたきの違い

 

ここからはコンニャクの一種、糸コンニャクとしらたきについて見ていきましょう。

もともとは製法も異なった

糸コンニャクとしらたきは、もともと製法が異なるものでした。

糸コンニャクは、かたい板コンニャクを細く切ったものです。
板コンニャクを糸状に細かく切って作るため、太さも5mm~8mmと太めだったとされます。

しらたきは、コンニャクを作る前段階の、柔らかい状態の時に穴から押し出して作っていました。
そのため、古い製法のしらたきは2mm~3mmの太さになります。

現在は同じもの

糸コンニャクもしらたきも、江戸時代に考案されたとされています。
当時は、作られる地域や製法が違い、別の食べ物とされました。

しかし、現在では共に作り方が同じものになっています。
コンニャクを潰す、もしくはコンニャクを粉状にして凝固剤と混ぜてゆるく固めます。
これを小さな穴から押し出すことでチュルチュルッとした細麺のような形状に作り上げたものとなっています。

まとめ

植物のこんにゃくは、数年に一度だけ花を咲かせます。
その花は見た目が見た目が不気味であり、かつ悪臭を放つため「悪魔の舌」という別名もあります。

しかし、一度食材としての「蒟蒻芋」なると、独特の食感が癖になる食べ物に一変します。
ところが、原料となる蒟蒻芋は毒性があり口に入れるのはもちろん、素手で触るのもよした方がいいものとなっています。

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