リコリスは、日本で言うところの彼岸花のことです。
しかし、世界には同名で甘草のリコリスもあります。
こちらは、彼岸花とは全く違うものとなります。
そこでここでは、そんな彼岸花ともいわれるリコリスについて見ていきましょう。
併せてお菓子に使われる甘草のリコリスについてもご紹介しますね。
目次
リコリスとは?
まずはリコリスがどのような花なのかを見ていきましょう。
リコリス=彼岸花
リコリスは、いわゆる彼岸花のことです。
彼岸花の学名がリコリスとなっています。
日本では、園芸品種の彼岸花のことを指すことが多いです。
彼岸花とは、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の植物です。
ちょうど秋のお彼岸の時期に咲くことが名前の由来となっていますが、リコリンといった毒性アルカロイドを持つ毒花でもあります。
リコリスの開花時期
彼岸花が咲くのは、秋のお彼岸の時期でもある9月です。
その園芸品種であるリコリスもまた、9月ごろに咲くものがあります。
しかし中には、早いものだと7月~8月頃、遅いものでは9月~10月頃が開花時期となっている品種もあります。
全体的に見ると、夏から秋にかけて咲く花という事になりますね。
なお、花期は1週間ほどとなっています。
リコリスの原産地
リコリスは主に日本や韓国、中国南部に広く生息しています。
他にも、東南アジアや南アジアにも分布しています。
つまり、アジア全般で見られる花ということですね。
名前の由来
リコリスという名前は、ギリシア神話から来ています。
ギリシア神話に登場する女性の姿をした妖精「リコリアス」が名前の由来とされています。
リコリスの花言葉
リコリスには花言葉もあります。
ここからは全般的な花言葉と色別の花言葉をそれぞれご紹介します。
全般的な意味の花言葉
リコリスの全般的な花言葉は、「情熱」「陽気」「元気な心」「独立」「諦め」「悲しい思い出」「再会」です。
情熱や陽気といった花言葉は赤い花を咲かせるものが多いからとされています。
また、諦めや悲しい思い出という花言葉は、別名でもある彼岸花に引っ張られているものと考えられます。
色による花言葉
ここからは色による花言葉をそれぞれ見ていきましょう。
赤色のリコリス
赤色のリコリスの花言葉は、「情熱」「独立」「諦め」「悲しい思い出」です。
これは花火や炎をイメージさせる真っ赤な花色から来ています。
「情熱」「独立」などポジティブな花言葉がある一方「諦め」や「悲しい思い出」などネガティブな花言葉もあります。
白色のリコリス
白いリコリスの花には、「再会」「また会う日を楽しみに」という花言葉があります。
これは、開花時期が彼岸であることに関係しており、「彼岸=別れ」を想起させるところから来ているようです。
日本では、特に他界した人との再会を望む気持ちが込められてきたとされています。
そこから「思うのはあなた一人」「あなたに一途」などの花言葉も生まれました。
黄色のリコリス
黄色のリコリスには「陽気」「元気な心」「追想」「深い思いやりの心」などの花言葉があります。
こちらは、美しく鮮やかな花色にちなんでいます。
また、雄しべと花びらが踊っているように見えるのも由来だとか。
さらに、残暑を楽しんでいるように見えることも由来とされています。
リコリス菓子のリコリスとは別物
花のリコリスは、お菓子に使われる甘草のリコリスとは別物です。
ここからはお菓子に用いられるリコリスについて見ていきましょう。
リコリス菓子に使われるのは甘草のリコリス
リコリス菓子というヨーロッパに伝わるお菓子に用いられるのが、甘草のリコリスです。
実は、花のリコリスと甘草のリコリスはスペルが違います。
彼岸花の仲間であるリコリスのスペルは"Lycoris"、甘草のリコリスは"licorice"です。
花のリコリスと天草のリコリスは全くの別物ということがここからも分かります。
お菓子に使用されるのは、マメ科カンゾウ属の植物となります。
リコリス菓子とは
リコリスを使ったリコリス菓子とは、日本ではそう見ることのない真っ黒なお菓子です。
これは、蜜蝋を加えたゼラチンにリコリスの根で味付けし、それを炭素系の食品着色料で色付けして作られます。
北欧では、塩化アンモニウムと混ぜて作るサルミアッキというリコリス菓子も食されています。
このサルミアッキ、「世界一まずいお菓子」とも呼ばれています。
まとめ
リコリスの花は、彼岸花の学名であり、特に彼岸花の園芸品種の事を指します。
開花時期は彼岸花同様、9月ごろのものもありますが、8月や10月に咲くものもあります。
名前が同じなのでややこしいですが、リコリス菓子とは関係ありません。
このリコリス菓子に使われているのは、カンゾウ属の甘草です。