最近は子どもに中性的な名前をつけるのも一般的になってきましたよね。
中でも女の子にも男の子にも人気の「りん」という名前ですが、その表記は「凛」と「凜」の2種類あるのはご存知でしたか?
似ているけれど微妙に違う2種類の「りん」。
ここでは、。この2つの違いについて見ていきましょう。
目次
「凛」と「凜」の意味は同じ!
似ているようで違う漢字「凛」と「凜」。
その意味は、結局同じのようです。
「凛」と「凜」の意味
「凛」と「凜」の漢字には、寒い、厳しい、激しい、心が引き締まる様子といった意味があります。
「凛とした姿」「凜々しい」などのように使うことが多いですね。
いずれも同じ意味で使われ、漢字のかたちが若干異なるだけとされます。
「凛」と「凜」の成り立ち
「凛」と「凜」の左側の部首は「にすい」と言い、氷を意味します。
対して「稟」「禀」の部分は、蔵や貯蔵庫を意味する文字です。
米などを入れておいた倉の近くに置かれている氷をあらわしているとされています。
そんな寒々しい情景から転じて、心が引き締まる様子などを意味するようになったのです。
「凛」と「凜」の違いは・・・
結局同じ意味を持つ「凛」と「凜」。
それでは、違いは一体何なのでしょうか?
「凜」は旧字
漢字には長い歴史があります。
「凜」は元々古くから使われてきた表記で、「旧字」と呼ばれています。
つまり、「凜」の方が古い表記の仕方ということになります。
「凛」は新字
対して、「凛」は「新字」と言われる漢字です。
新字は「俗字」「略字」とも言われ、時代に合わせて変化した形の漢字を指します。
名前に使用できるようになった歴史が異なる
「凛」と「凜」は、非常に似た文字ではありますが人の名前に使用できるようになった時期は異なります。
「凜」が先に使えるようになった
人の名前に使える漢字には制限があります。
いわゆる学校で習う常用漢字に加え、「人名用漢字」に指定されているものだけです。
「凛」と「凜」が人名用漢字に登録されたのは平成になってから。
先に「凜」の方が1990年に登録され、使えるようになりました。
「凛」が使えるようになったのは2004年から
「凛」が人名に使えるようになったのは2004年から。
意外と遅いのですね。
そのため、「凛」が使えるようになる前に「りん」と名付けられた人の名前には「凜」が使用されていることになります。
JIS漢字コードに先に登録されたのは・・・
漢字の使用頻度に応じて定めた漢字の規格をJIS漢字コードといいます。
こちらに先に登録されたのは「凛」の方で、「凜」が追加されたのは、1990年に名前に使用できるようになってからです。
そのため、「りん」をPCなどで変換した時に先に来るのは、変換履歴がない限り「凛」の方なるのが一般的です。
まとめ
「凛」と「凜」は同じ意味を持つ漢字。
「凜」の方が古い表記で、「凛」の方が新しく使われるようになった表記となっています。
いずれも、芯が強く知的でしっかりとした様を表す漢字なので、美しく逞しい子に育ってほしいという親の想いを託すのにぴったりの、素敵な漢字であることは間違いありませんね。