
※この記事は、2016年7月30日に公開した記事を再編集したものです。
60年間にわたって虐待され続けたゾウ・・・。
保護されるもあまりにも衰弱がひどく、わずか1ヶ月で天国へと旅立ってしまいました。
ゾウの名はサオノイ。
観光客のために長年働かされ、虐待を受け続けてきました。
そんなサオノイを動物愛護団体「Boon Lott’s Elephant Sanctuary(BLES)」が保護。
余生をストレスのない場所で生きてほしいと同団体のスタッフらは考えていました。
目次
サオノイ
こちらがサオノイ。
これは立っている写真ですが、ひどく衰弱して足腰も弱りはて、何度も倒れてしまう状態だったといいます。
これまでの虐待がいかに過酷だったかを物語ります。
平均寿命が80歳ともされるアジアゾウ。
サオノイは既に60歳になっていました。
同じ境遇の友達のゾウができる
保護区でサオノイには友達ができました。
サオノイと同様に観光客を乗せて働いていたブーンソンです。
しかし、ブーンソンも長年の虐待により、体の至る箇所に傷があったといい、片目は失明していたといいます。
それでもブーンソンは、自分よりも弱っていたサオノイにいつも優しく寄り添い、一緒に仲良く過ごしていたそうです。
そして、今後も共に生きていくはずだったのですが、サオノイの体力が限界を迎えます。
それでも保護団体のスタッフらはあらゆる手を尽くしてサオノイを看病し続けたといいます。
しかし、サオノイには既に生きていく力が残されていませんでした。
そんな中でも、以下の写真のように自力で立ち上がる時もあったそうです。
立ち上がってから6日後、天国へ
立ち上がった日(上記の写真)から6日後、サオノイは静かに息を引き取りました。
以下の写真は、死に際にサオノイのことを鼻でさすっているブーンソン。
ゾウのこの行動は、親が子どもに対して愛情を表現する時の行動だといいます。
スタッフらがメッセージ
サオノイの死を目の当たりにしたスタッフらはメッセージを残しています。
過酷な労働を強いられてきたゾウたちの自由と尊厳を取り戻すため、私達は活動してきました。
彼らのトラウマを解放するかのように、彼らが本来持っている強さを取り戻すため、1日1日を彼らとともに過ごしてきました。弱りはてていたサオノイをなんとか助けるため、私たちは出来る限りのことはやりました。
しかし、サオノイは旅立ってしまいました。ゾウとは思えない痩せ細った身体からは、サオノイの辛い過去が透けて見えることもありました。
本当に辛い経験をしてきたのだと思います。しかし、サオノイはとても優しい性格を持ったゾウでした。
私たちに対して、苦境でも希望を捨てないことの大切さを教えてくれたのです。
私たちは、最後まで懸命に生きたサオノイを誇りに思っています。ようやく自由になれたサオノイのことを決して忘れません。
自由を手に入れることができたサオノイ、安らかにお眠りください。
大好物のフルーツや花が供えられました。
あまりにも長すぎた虐待期間。
ほんの少しの間でもブーンソンとたわむれることができ、それがせめてもの救いでしょうか。
あまりにも無念です。
今回、サオノイのために力の限りを尽くしたBLESのスタッフの皆さまには敬意を表するとともに、サオノイのご冥福をお祈りいたします。