目先の利益にとらわれることをなぜ「朝三暮四」というの?その意味や由来を解説

目先の利益にとらわれることを「朝三暮四」と言います。
ところで、この数字は何を示しており、なにが朝が3で暮れが4なのでしょうか?
実はこれ、ある故事が語源となっているのです。

そこでここでは、「朝三暮四」の意味と由来についてご紹介します。

「朝三暮四」の3つ意味

朝三暮四は、目先の利益にとらわれることのあらわす言葉です。
それが転じて複数の意味合いで用いられています。
しかし、他にも別の事柄を指す言葉だったりもします。

意味①:目先の利益にとらわれる

朝三暮四は、目先の利益にとらわれることをあわらします。
実質的には変わっていないものの結果が変わっていると勘違いして納得してしまうことを言います。

意味②:詐欺

朝三暮四は、人を欺いて愚弄することなども意味します。

本質的な物は何も変わっていない事柄などを口八丁手八丁で言いくるめる口のうまい詐欺の手口としても用います。
これは、「朝三暮四」の由来にも関わる意味合いだったりします。

意味③:不安定な様

その他、朝三暮四は変わりやすく安定しないことも指します。
状況によって表面的に変わっていくことをあわらす言葉です。
そのため、不安定な状況をあらわす言葉としても使用されることがあります。

「朝三暮四」の由来

では、朝三暮四はどこから生まれた言葉なのでしょうか?
これには、サルに関する故事が関係しているとされています。

サルの食事から生まれた「朝三暮四」

朝三暮四は、古代中国の思想書「荘子」の斉物論や同じく古代中国の時代に書かれた道家の文献「列子」などの故事から生まれた言葉です。

あるところに「狙公」という人物がいました。
狙公はサルを飼っており、餌として木の実を与えていました。

ある時、狙公は財産を失ったためサルの餌の量を減らさなくてはならなくなりました。

そこで狙公は、食事として木の実を『朝に3つ、暮れに4つ』にする、とサルたちに提案しました。
しかし、それに対してサルが「少ない」と文句を返してきました。

そこで狙公は、『朝に4つ、暮れに3つ』ならどうかと改めて提案しました。
これを聞いたサルたちは、朝の数が増えるという事で喜び、その提案を受け入れました。

実際は、最初の提案と同じく一日に木の実が7つという事は変わらないにもかかわらずです。
この荘子などで書かれた物語から「やり方を変えただけで実際は変わっていないことに気付かない様子」を朝三暮四と表現するようになりました。

つまり、朝三暮四はサルの食事の量から生まれた言葉なのです。

故事に伝わる教訓

朝三暮四が生まれた話は続きがあります。
それは「聖人の智を以って愚衆を籠絡する様は、狙公の智を以って衆狙を籠するが如し」という文言です。
知恵者が、無知な人をだまそうとする時の手法はこの狙公のとった手立てと変わりはない。
実際のところは何も変わらないのに、上手く言葉を飾って一喜一憂させるのだ、といった内容になります。

転じて、目先の違いにだけこだわると、全体の詐術に気付けないということをあらわしてもいます。
「口先だけのことに騙されるな」という教訓とも言えるかもしれません。

「朝令暮改」との違いは?

朝三暮四と似た言葉に朝令暮改という言葉があります。
この言葉との違いはどのような点にあるのでしょうか?

「朝令暮改」の意味

朝令暮改は、法律や命令が短期間に二転三転して安定しないことの例えです。
また、方針や主張などが頻繁に変わることもあらわします。
近年は言動が一致しない人に対しても使用する言葉です。

四字熟語をそのまま噛み砕くと以下のような状況となります。
「朝出た命令が暮れには改められている」という状況です。

本来はネガティブな言葉だが、現在はポジティブな意味でも使われる

もともと朝令暮改はネガティブな言葉でした。
なぜなら、頻繁に指示が変わっていては、指示を受けた人は結局なにをしたらいいか分からなくなるからです。

しかし、現在では常に刷新されていく状況に対して、臨機対応な指示を出すといったポジティブな意味合いで用いられる事もあります。

まとめ

朝三暮四は、目先の利益にとらわれることを言います。
まあ、詐欺や不安定な様子をあらわしたりする言葉です。

この言葉は、サルが食事の量を変えると提案された際、朝食と夕食の量を入れ替えただけで喜んで受け入れたという故事から生まれました。

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