「転ばぬ先の杖」とはどんな意味?その類義語や対義語は?

万が一のために手を打つことを意味する「転ばぬ先の杖」。
この言葉は、あらかじめ用心して準備することに対して用います。

ここでは、この「転ばぬ先の杖」という言葉について、その意味や類義語、そして対義語について解説します。

「転ばぬ先の杖」とは

 

まずは「転ばぬ先の杖」がどのような言葉なのか、その意味を見てみましょう。

「転ばぬ先の杖」の意味

「転ばぬ先の杖」とは、万が一の時のために用心して手を打っておくことの例えです。
いざという時に安心なよう、用意周到に準備しておくことを指します。

それが転じて、前もって準備さえしておけば失敗することがないという戒めとしても使用されることもあります。
不測の事態に対して十分に備えておくことの重要性を表現した言葉となります。

「転ばぬ=失敗しない」「先=未来」「杖=準備」という関係性で成り立っています。
実際に転びそうになってからでは、杖を用意することはできませんので、転んでしまいます。
そこで、事前に杖を突いて歩くようにしておけば、転びそうになった時に支えとなります。
このような状況の描写から生まれたとされています。

「転ばぬ先の杖」の類義語

 

ここからは「転ばぬ先の杖」の類義語を見ていきましょう。
その類義語としては、「石橋を叩いて渡る」「浅い川も深く渡れ」「濡れぬ先の傘」などがあげられます。

石橋を叩いて渡る

「石橋を叩いて渡る」とは、用心に用心を重ねることの例えです。
物事を慎重に進めるという意味があります。
何か行動を起こす際に細心の注意を払うことをあらわしています。

石橋は木橋よりも頑丈なので、そこまで警戒する必要はありません。
しかし、そんな橋でも叩いて安全を確保しながら渡ろうとする人を用心深い人として例えた言葉となります。

浅い川も深く渡れ

「浅い川も深く渡れ」とは、些細なことでも用心すべきという戒めの言葉です。

浅い川は底が見えても、どこで足を取られるかわかりません。
だからこそ、深い川だと思って気をつけて渡るべきだ、という訓戒から来ています。

簡単そうなことでも油断せずに気を引き締めて取り掛かるべきという意味で使用されます。

濡れぬ先の傘

「濡れぬ先の傘」とは、失敗しないように前もって準備をしておくことを意味します。
雨が降っても良いように事前に傘を用意しておくことから来たとされています。

転じて、失敗しないように前もって備えることが大切だということをあらわしています。

「転ばぬ先の杖」の対義語

 

最後に「転ばぬ先の杖」の対義語を見ていきましょう。
対義語としては「渇して井を穿つ」「泥棒を捕らえて縄を綯う」「虎穴に入らずんば虎子を得ず」などがあげられます。

渇して井を穿つ

「渇して井を穿つ」とは、必要に迫られてから慌てても間に合わないことを意味します。

緊急事態になってから準備したところで、用意が間に合うことはありません。
そのため、前もって予防や対策を練ることが必要だということをあらわしています。

「穿つ」とは、穴を空けたり掘ったりすることを意味しており、「渇して井を穿つ」は喉が渇いたから井戸を掘るという状況になります。

泥棒を捕らえて縄を綯う

「泥棒を捕らえて縄を綯う」とは、事が起こってから慌てて準備を始めることを指します。
普段から準備を怠っていることをあらわす言葉でもあります。

この「泥棒を捕らえて縄を綯う」は、泥棒を捕らえてから泥棒を縛るための縄をこしらえ始めたという描写の言葉となっています。

虎穴に入らずんば虎子を得ず

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」とは、危険を冒さなければ大きな成果は得られないことを意味します。

虎が住むほら穴に入らなければ、その中にいる虎の子を捕獲することはできません。
転じて、リスクを冒さなければ得られないものがあるという戒めともなります。

まとめ

「転ばぬ先の杖」は、トラブルに備えることを指す言葉です。
事が起こる前に準備や用意を済ませることを言います。

類義語としては、「石橋を叩いて渡る」「浅い川も深く渡れ」「濡れぬ先の傘」などがあげられます。
対義語としては「渇して井を穿つ」「泥棒を捕らえて縄を綯う」「虎穴に入らずんば虎子を得ず」などがあげられます。

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