大成する人は幼少の頃から優れているということを言った言葉、それが「栴檀は双葉より芳し」です。
これは才覚のある大人に対して使用される言葉です。
しかし、なぜそれが「栴檀は双葉より芳し」なのでしょうか?
今回はそれら「栴檀は双葉より芳し」について解説します。
ここでは特にその意味はもちろん由来や語源も説明します。
目次
「栴檀は双葉より芳し」とは
まずは「栴檀は双葉より芳し」について見ていきましょう。
「栴檀は双葉より芳し」の意味
「栴檀は双葉より芳し」とは、大成する人は幼少の頃から優れているということの例えです。
成功する人は子供の頃からその才覚を発揮しているものです。
つまり、優秀な人ほど幼い頃から何かに秀でていたということを言った言葉となります。
それら優秀な人を褒める言葉が「栴檀は双葉より芳し」です。
子供には用いず、幼少時代から優秀だった大人に対して用いる
「栴檀は双葉より芳し」は褒め言葉として使用されます。
しかし、あくまでもその対象は大人となるのが特徴です。
子供は対象としないので注意したいところです。
なお、このことわざには「栴檀」と「双葉」を組み合わせた「栴檀双葉」という四字熟語も存在します。
これは「栴檀は双葉より芳し」を略したもので意味は同じです。
そのため、どちらを使用しても問題はありません。
「栴檀は双葉より芳し」の由来
では「栴檀は双葉より芳し」はどこから来たのでしょうか?
「栴檀」とは「白檀」のこと
「栴檀は双葉より芳し」は平家物語の言葉が誤って広まったとされています。
実際に平家物語には「栴檀は二葉より芳しとこそ見えたれ」とあります。
それらが誤用という形で広まったとされているのです。
なお、「栴檀は双葉より芳し」の「栴檀」は「白檀」のことです。
これらは高級な線香などに使用されており、非常に良い香りのする東南アジア原産の香木として知られています。
特に「沈香」や「伽羅」などの香木と並んで知られる存在です。
アロマオイルの世界などでは「サンダルウッド」と呼ばれて親しまれているので、聞いたことがある方もいるかもしれません。
「栴檀は双葉より芳し」の「双葉」は双子葉植物の2枚の葉のことです。
それらを「まだ芽が出たばかり」という状態に例えて「幼少期から」という意味が生まれたと考えられます。
「栴檀は双葉より芳し」の「より」は、動作や時間の起点となる意味を持つのが特徴です。
つまり、「双葉より」は「双葉の時から」という意味になります。
それが転じて「幼少から」という意味となったと考えられるのです。
日本の「栴檀」は香らない
「栴檀は双葉より芳し」は成木となって芳しい香りを放つ栴檀が双葉の頃から既に良い香りを放っていることを言った言葉です。
そこから転じて、大成する人は幼少の頃から優れているという表現となったそうです。
しかし、日本の「栴檀」は双葉の頃には香りません。
そこは「栴檀は双葉より芳し」が本来意味する状況とは異なります。
その点には注意しておきたいところです。
「栴檀は双葉より芳し」の類義語
最後に「栴檀は双葉より芳し」の類義語を見ていきましょう。
蛇は一寸にして人を呑む
「蛇は一寸にして人を呑む」とは、優れた人は幼い頃から普通の人と違ったところがあるということの例えです。
蛇がわずか一寸ほどであっても人を飲み込もうとする気迫があることを言った言葉となります。
これらはどちらかというと小さなものでも侮れないようなニュアンスもある言葉です。
そう考えると「栴檀は双葉より芳し」とは意味合いが少し異なります。
ただし、優れた人は幼い頃から逸脱しているという点が同じだと言えるでしょう。
虎豹の駒は食牛の気あり
「虎豹の駒は食牛の気あり」とは、大人物は幼少の頃から常人とは違ったところがあることの例えです。
これは虎や豹の子はまだ幼いうちから牛を食べるほど血気盛んであることを言った言葉となります。
こちらも小さなものでも油断できないというニュアンスが強いです。
意味合いとしては「栴檀は双葉より芳し」と若干違うかもしれません。
しかし、大人物は幼少の頃から一味違うという点が似ているのではないでしょうか。
まとめ
「栴檀は双葉より芳し」は大成する人ほど、幼少の頃から何かと才覚を発揮していたということを言った言葉です。
これらは大人に対して使用する褒め言葉となります。
子供には使用しないので、その点は注意しましょう。