「月夜に釜を抜かれる」とはどんな意味の言葉?その由来や類義語に対義語は?

ひどく油断している様子にしいして用いる「月夜に釜を抜かれる」。
これは、なにごとも起きるはずがないと考えて気が抜けている状況をあらわす言葉です。

では、なぜそれが「月夜に釜を抜かれる」という表現になったのか、その意味や成り立ち、類義語・対義語について見ていきましょう。

「月夜に釜を抜かれる」とは

 

まずは「月夜に釜を抜かれる」という言葉の意味や成り立ちについて見ていきましょう。

「月夜に釜を抜かれる」の意味

「月夜に釜を抜かれる」は、著しく油断することの例えとして用いられる言葉です。
なにか悪いことなんて起きないだろうと、とすっかり気が抜けているために失敗をしでかしたり、そんな事ありえないと考えていたためにしくじることを表す際に用いられます。

被害を受けたにもかかわらずどんな状況なのか飲み込めず、間の抜けた顔をすることの例えとしても使用されます。
不注意極まりない状況を言う言葉ということになりますね。

鉄製の道具が貴重だった時代に生まれた言葉

昔、鉄製の道具というのは今とは比べられないほど高価なものでした。
そのため、地域によっては個人で所有するのも難しいなんてこともありました。
そんな鉄製の道具がまだまだ貴重だった時代に、鉄製の釜が盗まれてしまうという様子から生まれたのが「月夜に釜を抜かれる」という言葉です。

雲も浮かんでいない満月の日のように明るい夜なら、泥棒もこないだろうと高をくくって油断して過ごしていたら、いつの間にか釜を盗まれていた、そんな油断した姿から来ているのです。

なお、「月夜に釜」と表現されることもありますが、意味合いが「月夜に釜を抜かれる」から変化することはありません。

「月夜に釜を抜かれる」の類義語

 

ここからは「月夜に釜を抜かれる」の類義語を見てみましょう。

鳶に油揚げをさらわれる

「鳶に油揚げをさらわれる」とは、自分の大事なものや目当てにしていたものが不意に横からさらわれてしまうことを例えた言葉です。
まさかの展開に呆然としている様子のことに対しても用いられます。

油断していたところに空から急降下してきた鳶に油揚げを奪われてしまった、そんな状況から生まれた言葉となります。

高枕安眠

「高枕安眠」とは、油断して警戒を怠ることを言った四字熟語です。
枕を高くしてぐっすり眠りこけているほど気が緩んでいる事をあらわしています。

この言葉は、気の緩み事態や無警戒な状況を指してはいますが、「月夜に釜を抜かれる」のようになにか悪いことが起きてしまったといった状況はあらわしていません。

油断大敵

「油断大敵」とは、注意を怠れば思わぬ失敗を招くから十分に気をつけるべきであるということを言った四字熟語です。
気を緩めることは危険だ、というあらわす語句となっています。

油断こそ最大の敵であると認識せよという戒めでもあります。

「月夜に釜を抜かれる」の対義語

 

「月夜に釜を抜かれる」の対義語についても見ておきましょう。

ふんどしを締め直す

「ふんどしを締め直す」とは、決心を固くして気持ちを引き締めて物事に当たることの例えとなる表現です。
自分に気合を入れる際や他人に喝を入れる時に使用されます。

決心して物事に挑むといった意味でも使用される言葉です。

慎始敬終

「慎始敬終」は、物事を最初から最後まで気を抜かずにやり通すことを意味します。
手抜きせずに完遂することを意味する四字熟語です。

まとめ

「月夜に釜を抜かれる」は、すっかり油断しきっている様子をあらわす言葉です。
気が抜けているので不注意になっている様子に対しても用いられます。

明るい月の出ている晩なのにも関わらず、油断から貴重な鉄製の釜を盗まれてしまう、そんな様子から来た言葉となります。

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