怪しい雰囲気の意味で用いられる「きな臭い」、何が臭うの?「きな」とはなんのこと?

怪しい雰囲気をあらわす「きな臭い」という表現。
これは、不穏な様子についても使用されます。

ではこの言葉、「きな」とは何のことでどのような臭さから来ているのでしょうか。

そこでここでは、この「きな臭い」という言葉について見ていきましょう

「きな臭い」の「きな」とは何のこと?

まずは「きな臭い」の「きな」について見ていきましょう。
ここでは有力とされている由来についてまとめていきます。

「衣」のこととする説

「きな臭い」には、「きぬくさい」から来ているという説があります。
この説では「きな」とは「衣(きぬ)」が由来とされています。

衣が焦げ臭いことから来ているとされています。

「木」のこととする説

「きな臭い」は、「きのくさい」から来ているという説もあります。
この説では、「きな」は「木の(きの)」が語源となっているとされます。

つまり、木が焦げて臭うことをあらわしていたとされているのです。

「きな臭い」は何が臭うの?

「きな臭い」は、衣や木が焦げるような臭いをあらわしています。
どちらの説から見ても、通常ではしないはずの焦げ臭さが来ているとされています。
そこから普段通りなら平穏なはずのに、どこか不穏な怪しい雰囲気が漂っていることを「きな臭い」と表現するようになったわけです。

「きな臭い」とは

ここからは「きな臭い」という言葉の意味について見ていきましょう。

「きな臭い」の意味

「きな臭い」は、なんとなく怪しくて胡散臭いことを意味する言葉です。
もともとは衣や木、布や紙などが焦げた匂いを指していました。
いずれも火事などの災害の原因となるため、不気味な空気をあらわす言葉としても定着したとされています。

火薬や硝煙と関連付いた用いられ方

「きな臭い」は、火薬や硝煙の匂いなども指すことがあります。
転じて、戦争や動乱が起こりそうな気配を指すこともあります。
一触即発のような、いつ爆発するかわからない様子を「きな臭い」と表現することもあります。

その場合、現代では「国家間の情勢がきな臭くなってきた」などのように使用することが多いです。
比較的規模の大きいトラブルが起こりそうな場合に用いられる傾向にあります。

「胡散臭い」との違い

「きな臭い」に語感が似た言葉に「胡散臭い」という表現があります。
ここからは「胡散臭い」とはどのような言葉なのかを見ていきましょう。

「胡散臭い」とは

「胡散臭い」は、人や物が怪しいことを意味する。
そのため、「きな臭い」と比べても大差はないように思えます。

ただし、怪しく思うことのベクトルが異なるので注意しましょう。

「きな臭い」と「胡散臭い」は怪しいの方向性が違う

「きな臭い」は、トラブルが起こりそうな怪しい雰囲気がるというニュアンスで用います。
それに対して「胡散臭い」は、対象がインチキやイカサマといった詐欺行為をしていそうというニュアンスで使われます。

一口に「怪しい」といっても、両者にはこのような違いがあるのです。

まとめ

「きな臭い」とは、怪しい雰囲気があることをあらわしています。
特に不穏な空気やトラブルが起こりそうという場合に用いられる傾向にあります。

「きな」とは、かつて衣や木を指しており、これらが焦げる際に発する臭いから来た表現とされています。
それが転じて、不気味な状況そのものをあらわす表現として定着していったのです。

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