「堅忍不抜」とはどんな意味の四字熟語?その由来や類義語は?

我慢強くて揺るがないことを「堅忍不抜(けんにんふばつ)」と言います。
特にこれらは意志の固さを表す四字熟語として使用されます。
しかし、そもそもこの言葉はどこから来たのでしょうか?

今回はそれら「堅忍不抜」について解説します。
中でもここではこれらの言葉の意味はもちろん、由来や語源についても説明します。

「堅忍不抜」とは

まずは「堅忍不抜」の意味について見ていきましょう。

「堅忍不抜」の意味

「堅忍不抜」とは忍耐に優れていて、確固として動じないことの例えです。

「堅忍」は意志が固く、我慢強いことを意味します。
「不抜」は意志が固く、揺るがないことを意味します。
もともと「不抜」は抜くことができないことを意味しました。
転じて、何事にも動じないことを意味するようになったとされています。

この言葉は苦痛も困難も固い心持ちによって耐え忍ぶことを言った四字熟語となります。
また、自分という軸があるために動揺しないような様子も指すそうです。

近年では単に自分の気持ちを貫く様子などのことも表す表現の1つと言えるかもしれません。

「堅忍不抜」の由来

では「堅忍不抜」はどこから来たのでしょうか?
ここでは「堅忍不抜」の由来や語源についてまとめます。

北宋時代の政治家「蘇軾」の言葉から

「堅忍不抜」は古代中国で活躍した蘇軾の「晁錯論」から来ているとされています。

そこには「古之立大事者、不惟有超世之才、亦必有坚忍不拔之志」という一節があるそうです。
これは「古の大事を立つる者、唯だ超世の才有るのみならず、亦た必ず堅忍不抜の志有り」と読みます。

その意味は「昔の偉人は才能があっただけではなく、我慢強く耐え忍んで何事にも動じない心を持っていた」となります。
そこから我慢強くて揺るがない心を持つ人を「堅忍不抜」と表現するようになったわけです。

もともとは成功した人物の特徴をあらわす言葉だった

もともと「堅忍不抜」は成功した人を意味する言葉でした。
特にこの言葉を生んだ蘇軾は非常に優秀な人物だったとされています。

「蘇軾」は政治家としてだけでなく、詩人・画家・書家としても活躍した

蘇軾は古代中国で政治家として活躍した人物です。
彼の手腕は素晴らしく、政治家としての名は中国に広く知られていたとされています。

しかし、蘇軾は他にも詩人や画家、書家としても才能を発揮した人物とされています。
特に宋代随一の文豪として他分野で功績を残した人物であり、その功績についても一言では語れません。

実際に蘇軾の才能は文学だけでなく絵画や書道、音楽などにも通じていたのだとか。
そのため、もともと「堅忍不抜」は蘇軾のような優秀な人を指す言葉として使用されていました。

そこから転じて我慢強くて揺るがないことを意味するようになったわけです。

「堅忍不抜」の類義語

最後に「堅忍不抜」の類義語についても見てみましょう。

鉄心石腸

「鉄心石腸」とは意志が鉄や石のように堅く、容易には動かせないことの例えです。
これらは強く堅い精神や鋼のような心持ちの例えとしても使用されます。

「鉄」「石」はそのまま鉄と石を意味する言葉です。
「心」「腸」は心臓や小腸、大腸などの内臓を意味します。
転じて、人が内に秘めている意志の例えとされるようになったそうです。

それら意志の強さを表現しているところが「堅忍不抜」に通ずるのではないでしょうか。

志操堅固

「志操堅固」とは思考や主義を堅く守り、何があっても変えないことの例えです。

「志操」は考えや主義などを守って変えない意志を意味します。
「堅固」はどちらも堅いこと(固いこと)を意味します。
要は自分の志を大切にして曲げないことを言った言葉です。

それらの点が「堅忍不抜」と似ています。

堅苦卓絶

「堅苦卓絶」とは人並み以上に突出して忍耐に優れていることの例えです。

「堅苦」は苦痛や困難にも耐えられることを意味します。
「卓絶」は比肩するものがないほどに立派であることを意味する言葉です。
つまり他人に比べて我慢強いことを言った言葉なのです。

それらの意味が「堅忍不抜」と同じと言えるでしょう。

まとめ

「堅忍不抜」は我慢強くて簡単には動じない、揺るがない意志を持っていることを言った四字熟語となります。
これらはもともと優秀な人を指す言葉でした。
それが近年では固い決意を持つ人などを指すようになったとされています。

近年では座右の銘にもされる言葉なので、ぜひ心に留めておいてみてはいかがでしょうか?

関連記事はこちら

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事