「疾風勁草」とはどんな意味の四字熟語?「疾風迅雷」との違い、その由来、類義語は?

強い風の中でも折れない強い草を「疾風勁草(しっぷうけいそう)」と言います。
転じて、この言葉は苦難や試練に遭遇してこそその人の真価がわかるというような意味を持つようになったとされています。
しかし、そもそも「疾風勁草」はどこから来たのでしょうか?

今回はそれら「疾風勁草」という四字熟語を解説します。
特にここではその意味と由来、語源について詳しく説明します。

「疾風勁草」とは

まずは「疾風勁草」について見ていきましょう。

「疾風勁草」の意味

「疾風勁草」とは強い風の中に折れずにいる強い草を意味する四字熟語となっています。
また、強い風が吹いて初めて強い草であることがわかるというような意味も持っています。

転じて、苦難や試練に遭遇してこそ、その人の強さがわかるということ意味するようになったそうです。
実際に逆境や不運に見舞われた時こそ、その人が持つ本来の力というのがわかるのではないでしょうか。

なお「疾風」は激しく速く吹く風のことを意味します。
また「勁草」は折れずに立つ丈夫な草のことを意味します。

これらは近年では人に対して使用されることが多いです。
特に意志や節操がしっかりしている人の例えとしても使用されます。

「疾風迅雷」との違い

「疾風迅雷」とは強い風と激しい雷を意味する四字熟語です。
転じて、それら風や雷のように素早いことを意味します。
近年では勢いが乗っているような状態も指します。

これらは「疾風勁草」とは根本から異なる言葉です。
あくまでも「疾風勁草」は強風吹き荒れるような状況にあっても折れない逞しい草を表します。

逆に「疾風迅雷」は強い風や雷そのものを言うわけです。
このように字面は似ていても両者はまったく異なる四字熟語となります。

「疾風勁草」の由来

では「疾風勁草」はどこから来たのでしょうか。
ここからはそれらの由来や語源についてまとめます。

古代中国の武将・王覇を評価した言葉から

「疾風勁草」は古代中国の書物「後漢書-王覇」から来ていると考えられています。

1世紀頃の中国、新王朝への反乱が各地で発生していました。
そんな中、豪族の1人である劉秀も新王朝打倒に立ち上がったそうです。

しかし、反乱を起こすものの苦戦が続いたことで、当初従っていた者たちが次第に離反してしまいます。
そんな状況を目の当たりにした劉秀は、1人だけ残った王覇という武将に「疾風に勁草を知る」と言ったのだとか。

この言葉には「激しい風が吹いた際にこそ折れない草を見分けられるのだ」という意味が込められています。
まさに自分ために一緒に戦ってくれる王覇への賞賛とも取れる言葉と言えるのではないでしょうか。

実際に劉秀は王覇の助力もあって天下統一を実現します。
それによって後漢王朝を開くことができたのだとか。

「疾風勁草」の類義語

最後に「疾風勁草」の類義語を見ていきましょう。

歳寒松柏

「歳寒松柏」とは苦境に立たされても志を失わないことの例えです。

これらは冬の厳寒であっても松や柏が緑の葉をつけていることから来ている四字熟語となっています。

「歳寒」は冬の厳しい寒さもしくは冷える時期を意味します。
「松柏」は常緑樹である松や柏のことです。
転じて、追い込まれた状況でも折れない心を指すようになったのだとか。

それらの点が「疾風勁草」と似ているのではないでしょうか。

志操堅固

「志操堅固」とは自身の思考や主義などを堅く守って変えないことです。

「志操」は重要な思考や主義を変えない意志のことです。
「堅固」は何があっても堅く守ることを意味します。
転じて、何事にも左右されない強固な心を表すようになったのだとか。

それらの点が「疾風勁草」と同じと言えます。

まとめ

「疾風勁草」はもともと強い風が吹いても倒れない草のことを言った言葉でした。
しかし、現代では追い込まれた状況でこそ、その人が持つ本来の力がわかるという意味で使用されます。

これらは古代中国から来た言葉の一種です。
それが現代の日本にも残っていると言えます。

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