「東日本大震災の釜石」「スマトラ沖地震で数百人の命を救った少女」から学ぶこと

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出典:www.mahoroba-jp.net

2011年の東日本大震災、2004年のスマトラ沖地震。ともに甚大な被害に見舞われた中、日頃から行っていた訓練を実践したこと、「自分の命は自分で守る」という意識が、多くの命を救ったこともまた事実です。

釜石の件は多くの方が知るところだと思いますが、今回はスマトラ沖地震で数百人の命を救ったとされている少女の判断も含めて、いま一度教訓とするべく振り返ってみます。

釜石市では全児童の99.8%が無事だった

岩手県釜石市では全児童生徒の99.8%に当たる2921人が津波から避難して無事でした。この時の避難行動は「釜石の奇跡」と報道され、防災教育のモデルとして知られるようになりました。

地震が発生した時は放課後だったため、ほとんどの子どもが下校していたのが釜石小学校です。学校にいないため先生の指示も受けられません。自宅に一人でいる子どももいました。しかし、子どもたちは日頃からの訓練に基づいた的確な判断で、全校生徒184人全員が一人も命を落とすことなく無事に避難しました。

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出典:7.setsuri-sky.info

以下、釜石小学校の子どもたちの言葉です。

自分の身は自分で守るようにずっと言われてきたので、お母さんやお父さんのことを考えないで まず自分一人でも生き延びろって言われてたんで、一人で逃げました。

避難訓練で何回も練習してるから「釜石の奇跡」ではなく、実力を発揮しただけです。

東北地方にある「津波てんでんこ」という言い伝え

東北地方には「津波てんでんこ」という先人からの言い伝えがあります。津波が襲ってきたら、てんでんばらばらに逃げないと家族や地域が全滅してしまうという教訓です。上記の釜石小学校の子どもの言葉にもあるように、「自分一人でも生き延びろ」ということになるのでしょうか。

この言い伝えからは、東北地方への津波襲来のたびに、家族の絆がかえって一家の滅亡を導くという不幸な結果が繰り返されてきた…という背景が読み取れます。言いかえれば、一人ひとりが自分の命に責任を持つこと、家族同士がお互いに信じ合っていること(絶対に逃げていてくれている!と信じること)になるのでしょうか。

10歳のイギリス人の少女が、スマトラ沖地震で数百人の命を救っていた

次にスマトラ沖地震の事例です。「津波の前兆」を授業で習っていた10歳(当時)の少女・ティリー・スミスちゃんが、スマトラ島沖地震で数百人の命を救っていたという話です。

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2004年のスマトラ沖地震の時、ティリーちゃんは津波の被害を受けたタイのプーケットのビーチホテルに家族と滞在していました。ティリーちゃんは小学校の地理の授業で、「津波の前兆である、潮が海岸線から引いていき、白い泡が立つ現象」をしっかりと覚えていました。

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ティリーちゃんは、そのことを両親に伝え、両親が周囲の人々や宿泊先のスタッフに伝え、大勢の観光客が津波が来る前に避難することができたそうです。ティリーちゃんのおかげで、被害の無かった数少ないビーチのひとつとなったとのこと。

この時、ティリーちゃんは「泡が出ている!水の泡よ!」と何度も繰り返して両親に訴えかけ、半信半疑だった両親を説得したといいます。

こうした事例からは、日頃からの訓練、自分の命は自分で守るという意識が、いかに大切かを痛感させられます。

<動画はこちら>

出典:YouTube


出典:www.nhk.or.jp / www.youtube.com


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