語学習得などを考えた際に留学と並んで候補に上がる「海外ボランティア」。
ディーサイド留学情報センターを運営する株式会社アットワールドは、全国の海外ボランティア経験者の男女を対象に、「海外ボランティアで成長したこと」に関する調査を実施しました。
その調査結果について、ここではまとめていきます。
目次
調査概要
・調査テーマ:「海外ボランティアで成長したこと」に関する調査
・調査方法 :インターネット調査
・調査対象者:全国の海外ボランティア経験者の男女1,008人
・調査実施日:2023年4月13日(木)〜2023年4月14日(金)
・モニター提供元 :ゼネラルリサーチ
海外ボランティアを選んだ理由
まずは、なぜ海外ボランティアに参加しようとしたのか、その理由を回答から見ていきましょう。
成長を目的とする人が半数!
「海外ボランティアに参加をした理由を教えてください(複数回答可)」と質問には、最も回答が多かったのが『人として成長をしたかったから(52.3%)』。
次いで『視野を広げたかったから(43.7%)』『豊富な経験を得たかったから(36.9%)』と続きました。
「人として成長をしたかったから」「視野を広げたかったから」などの回答がそれぞれ4割以上見られたことから、海外ボランティアという新しい経験を通して価値観を深め成長を遂げたいという理由から参加する人が多いことが分かりました。
留学ではダメだった理由
海外に出て新しい経験を経て成長する、という点では留学という手段も考えられます。
しかし、なぜ留学ではなく海外ボランティアに参加したのか。
留学ではいけなかった理由に関する回答を見ていきましょう。
・海外の問題の状況を身近に知ることができるから(10代/女性/東京都)
・短期留学よりも、学べることが数多くあると思ったから(30代/男性/大阪府)
・幅広い視点で世界に貢献したかった(30代/男性/兵庫県)
・実際に小学校などで生徒や先生たちと一緒に生活することで、生活習慣やリアルなものの考え方に触れられると思ったので(40代/女性/東京都)
海外ボランティアはより現地の人との距離が近く地域や国の問題に触れられることから、より良い経験を積み視野を広げられると考えた方が多いようです。
経験者が語る海外ボランティア
海外ボランティアに参加したことで分かったり実感した、海外での生活やボランティア活動の上で苦労話というのもあるようです。
どのような点で大変な目にあったと振り返ることが多いのでしょうか。
海外ボランティアで大変だったこと
「海外ボランティア中の大変だった出来事を教えてください(複数回答可)」と質問には、『食文化が体質に合わなかった(45.7%)』と回答した方が最も多く、次いで『言葉が通じなかった(43.2%)』『気温が体質に合わなかった(32.8%)』と続きました。
「食文化の違い」「気温の違い」という回答がそれぞれ多く集まったことから、住み慣れた日本との環境・文化の違いに苦労する場合があるようです。
加えて、言語が異なるのも海外で生活するうえで大きな悩みになることが分かりました。
海外ボランティアで嬉しかったこと
「海外ボランティア中の嬉しかった出来事を教えてください(複数回答可)」と質問にもっとも回答が集まったのは『視野を広げることができた(46.9%)』。
次いで多かったのが、『人として成長ができた(45.7%)』『現地の人に感謝をされた(44.4%)』という回答です。
嬉しかった出来事としては「視野が広がった」「成長できた」という回答が多く見られました。
海外ボランティアに参加する狙いとして挙げられていた2点について、実際に達成できた方が多いようです。
ボランティア活動以外の現地エピソード
・ガイドブックには載っていないようなことが体験できた(20代/女性/広島県)
・日本での生活では見る事がないような、素晴らしく美しい南の空や海を見る事が出来た(30代/男性/兵庫県)
・日本では見たことない商品や、日本では輸入費用が加算されて高かった物を安く買えたのは嬉しかった(30代/女性/大阪府)
・夜は仲良くなった仲間達と飲みに出かけて現地の料理や酒を楽しんだ(40代/男性/岡山県)
日本ではできないことを体験できたというエピソードが多いようです。
また、ボランティアをきっかけに訪れたことで、ガイドブックには載っていないことも体験できた方もいるようです。
海外ボランティアで成長できた?
成長したいと考えて参加した海外ボランティア。
実際の経験者は自分が成長できたと考えているのか、そのアンケート結果について見ていきましょう。
人間的な成長に繋がったという回答が85%以上
「海外ボランティアでの経験は、人間的な成長に繋がりましたか?」という質問には、『大いに繋がった(46.3%)』『少し繋がった(41.9%)』『あまり繋がらなかった(10.2%)』『全く繋がらなかった(1.6%)』という回答が集まりました。
『大いに繋がった』『少し繋がった』と回答した方を合わせると、8割以上の方が海外ボランティアの経験は人間的な成長に役立ったと感じているようです。
人間的な成長に繋がったと感じられた理由
・視野が広がった。世界の問題にも他人事で考えてしまうクセが少し抜けた(20代/女性/大阪府)
・相手が何を求めているかジェスチャーや身振り手振りで会話を繋げてコミュニケーション能力が高くなったと思う(20代/女性/鹿児島県)
・何事にも挑戦できるようになった(20代/女性/福岡県)
・物怖じしなくなった(50代/男性/埼玉県)
視野が広がった、物怖じしなくなったなど、実際に現地へ訪れてその地の問題やさまざまな人たちとの関わりによって成長できた方が多いようです。
海外ボランティアは社会人生活で活きていく?
成長につながったという回答も多かった海外ボランティア。
その後、社会人生活の中でその経験は活かされたものなのでしょうか。
帰国後に社会人として役立ったとする回答が85%以上
「海外ボランティアでの経験は、帰国後の社会人生活の役に立ちましたか?」と質問は、『とても役に立った(41.6%)』『少し役に立った(43.8%)』『あまり役に立たなかった(12.3%)』『全く役に立たなかった(2.3%)』という回答結果になりました。
『とても役に立った』『少し役に立った』とという回答を合わせると、8割以上の方が海外ボランティアの経験は社会人生活の役に立ったと感じているようです。
社会人生活で役立ったと感じる理由
・まだ仕事では直接的に作用していないが、今後海外の仕事を任されるようになった時に大いに役にたつと考えられるため(20代/女性/大阪府)
・いろんな環境があることがわかったから(30代/女性/兵庫県)
・自分は恵まれているなと感じれたから(30代/女性/愛知県)
・何事にも動じなくなった(40代/男性/山口県)
・人に優しくなれた(40代/女性/愛知県)
ボランティアを必要としている場所に訪れたからこそ価値観に変化があった、人に優しくなれたという声がみられました。
さまざまな境遇があると知ることは共感力の向上にも繋がり、仕事などで人と関わる際に役立つのかもしれません。
どのような役立つスキルが身についた?
「海外ボランティアで身につけて、社会人生活で活きたスキルは何ですか?(上位3つまで選択可)」と質問には、『コミュニケーション能力(57.3%)』と回答した方が最も多く、次いで『異文化適応能力(46.5%)』『語学力(36.6%)』と続きました。
コミュニケーション能力や異文化適応能力といった、言葉の通じない海外に居たからこそ身についた能力社会人生活で活きたスキルと感じている方が多いようです。
まとめ
今回の調査結果で海外ボランティアを通して「人として成長できた」と感じている方が多いことが分かりました。
食文化や気温が体質に合わなかったり、言葉が通じなかったりと大変だと感じたことはあるようですが、視野を広げることができたり、人として成長できたりしたことから、人間的な成長に繋がったと思う方が非常に多いようです。
また、海外ボランティアでの経験は、帰国後の社会人生活の役に立ったと感じている方が非常に多く、「コミュニケーション能力」「異文化適応能力」「語学力」といったスキルが活きているという回答が寄せられました。