「虚心坦懐」とはどんな意味?「虚心」は虚ろな心なんてネガティブな意味合いではありません!!

平静な様子や先入観を持っていない様子をあらわす「虚心坦懐」。
虚心なんて言葉が入っていますが、これは心が虚ろになっている様子を表しているのではありません。

ポジティブな要素を含む「虚心坦懐」という言葉について、ここでは解説します。

「虚心坦懐」とは

 

まずは「虚心坦懐」の意味と用い方や例文について見ていきましょう。

虚心坦懐の意味

虚心坦懐は、心になんのわだかまりもなく気持ちがさっぱりしていることをあらわしています。
先入観がなく不満も抱いておらず、物事をありのまま受け入れることができる様子を意味します。

虚心坦懐の用い方・例文

「虚心坦懐」は、理想的な心構えやあるべき姿に対する表現として用いられる四字熟語です。

・「虚心坦懐に話し合う」という用い方であれば、お互いに含むものを持ち込まないで議論する様であったり、お互いのことを先入観抜きで語り抜くことをあらわしています。

・「彼は誰にでも虚心坦懐に接する」、この用い方では彼という人物がどのような人物にも偏見を抱かずに交流を重ねる性格ということになります。

「虚心坦懐」のあらわすもの

 

ここからは、「虚心坦懐」の「虚心」と「坦懐」がそれぞれ何をあらわしているのかを見ていきましょう。

「虚心」とは

「虚心」は、ありのままを素直に受け入れることのできる心の状態を指します。

ここでいう虚心というのは、心がまっさらな状態をあらわしています。
けっして、虚無や空虚などといった「虚ろな心」を意味する言葉ではありません。
心に「わだかまり」「先入観」「私心」を抱いていないということになります。

「坦懐」とは

「坦懐」というのは、安らかな状態を指す「坦」と、心の内をあらわす「懐」を組み合わせた言葉です。
その意味も「坦」と「懐」を組み合わせたもので、わだかまりがなくさっぱりとした心穏やかな事となります。

「虚心坦懐」の類義語

 

心の有り様をあらわす「虚心坦懐」。
その類義語としては、「光風霽月」「星雲秋月」「明鏡止水」等があげられます。

光風霽月

光風霽月は、晴れた空のもと爽やかな風が吹くことあらわす「光風」、月が輝く美しい夜のことをあらわす「霽月」を組み合わせた熟語です。
そこから、心が澄んでいてわだかまりのない爽やかな様子という意味合いとなり、心の清らかな人に対して用いられます。

晴雲秋月

晴雲秋月は、晴れた空に浮かぶ白雲をあらわす「晴雲」と、秋の澄んだ空にかかる月の事となる「秋月」を組み合わせた熟語です。
心に汚れがなく澄み渡っていることの例えとなり、純真で汚れがなく透き通っている心の持ち主に対しても用いられます。

明鏡止水

一切の邪念がなく落ち着き払った心境を指す「明鏡止水」。
曇りのない鏡をあらわす「明鏡」と静かで小さな波も立っていない水面を指す「止水」の組み合わせから、わだかまりとなるものもなく、静かに澄み切った心を指すようになりました。

まとめ

理想的な心構えやあるべき姿を意味する「虚心坦懐」。
ここで用いられている「虚心」というのは、虚しさではなく、先入観などのない心が真っ白な状態をあらわしています。

そのため、「虚心坦懐」というのは心になんのわだかまりもなく気持ちがさっぱりしていることや、先入観がなく不満も抱いておらず、物事をありのまま受け入れることができる様子を意味するのです。

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