「一寸先は闇」とはどんな意味?その類義語は?

日常生活でも頻繁に耳にする言葉、それが「一寸先は闇」です。
しかし、具体的に「一寸先は闇」とは何を意味するのでしょうか。

この記事では「一寸先は闇」がどのような言葉なのか解説します。

「一寸先は闇」とは

ここでは「一寸先は闇」の意味を解説します。

「一寸先は闇」の意味

「一寸先は闇」はほんの少し先のこともまったく予想できないことの例えです。

この言葉は特定の空間を描写するのではなく、時間を描写する言葉となります。

あくまでも手の届く距離のことではなく先の見えない時間のことを表現した言葉なので注意しましょう。

「一寸先は闇」の用い方・例文

「一寸先は闇」は近い将来や未来が不明瞭であることを指して使用します。

現代では「何が起こるかわからない」というニュアンスで使用されます。

・例文1:「一寸先は闇」だからこそ今を一所懸命に生きる。
・例文2:あれほど順調そうに見えた芸能生活がたった1回のスキャンダルで台無しになった。まさに「一寸先は闇」である。
・例文3:どれほど平和な世界でも絶えず戦争が起こっている現代こそ「一寸先は闇」の時代といえるだろう。

このように近い将来や未来が見えないことを指して「一寸先は闇」といいます。

言葉自体は距離を指しているように思える者の実際は時間を指しています。

時間ではなく距離に例えて使用するのは誤りとされるので注意しましょう。

「一寸先は闇」の由来

ここからは「一寸先は闇」の由来を解説します。

「一寸先は闇」の成り立ち

「一寸先は闇」は「一寸」「先」「闇」という言葉から成り立っています。

「一寸」とは一尺の10分の1の長さのことを意味します。
曲尺の場合は約3cmに当たる長さが「一寸」です。

その距離を時間を例えて表現したのが「一寸先は闇」です。

ちなみに、昔は「一寸先は闇の夜」とも表現されていたのだとか。

特にこの言葉は戦国時代(直後の時代)に生まれた言葉とされ、いつどうなるかわからなかった時代を投影した言葉だったとされています。

現に混迷した時代では何が起こるかわかりません。
当時は宴会の席などで「飲めや歌えや一寸先は闇の夜」などと歌われ、庶民の間でも頻繁に使用されていた言葉だったとされています。

「一寸先」は距離ではなく時間を例えたもの

「一寸先は闇」という慣用句において「約3cm先」は距離ではなく「ほんの少し先」などの時間という意味合いで使用されるのが一般的です。

具体的な距離ではなく時間のニュアンスが強い言葉となります。

ちなみに「闇」は光がまったくない状態のことを指します。
ここではまったく予想できないことに例えて使用されているのが特徴です。

「一寸先は闇」の類義語

ここからは「一寸先は闇」の類義語を紹介します。

無常の風は時を選ばず

「無常の風は時を選ばず」は、人間の死はいつどこで訪れるかわからないということを表現したことわざです。

「無常の風」は、世の儚さを意味する「無常」を「風」に例えた表現です。

花を散らす風は時間も場所も選ばずに吹きすさぶもので、人間の命もいつどこで尽き果てるかはまったく予測できません。

その点が「一寸先は闇」に通ずるのではないでしょうか。

人間万事塞翁が馬

「人間万事塞翁が馬」は、人生における幸運・不運は予測できないということを表現したことわざです。

起きた出来事が良いことか悪いことかは誰にもわかりません。
幸が不幸に転ずることもあれば、逆に不幸が幸に転ずることもあります。

このように運の善悪は時と場合によって変わっていくものです。
その点が「一寸先は闇」と似ているのではないでしょうか。

なお「人間万事塞翁が馬」には「将来や未来のことなど誰にもわからないからこそ一喜一憂する必要はない」という意味合いも含まれます。

実は「一寸先は闇」にも「誰にも将来や未来のことなどわかりようがない」というニュアンスがあります。

その点も共通しているといえるかもしれません。

まとめ

「一寸先は闇」はほんの少し先のこともまったく予想できないことの例えとして使用される言葉です。

ここでの「一寸」は距離ではなく時間を表しており、ほんのちょっと先のことすらわからない状況を表現しています。

日常生活でも目にすることのある言葉なので、ぜひその意味はしっかりと覚えておきましょう!

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