座高測定が平成27年度で終了する理由に関するツイートが話題になっているのでご紹介します。
1937年戦前から続いていた検査が昨年で終わったのである。戦後このシンプルな答えに70年以上も誰も気づかなかったのか。むしろそれを気づかせなかった座高測定器に拍手を贈りたい。 #illustration #イラスト #座高検査廃止 pic.twitter.com/DC4NLSPo1L
— 仲里カズヒロ (@Poolie82) 2016, 1月 12
平成26年に文部科学省の「学校保健安全法施行規則」が改正され、「座高測定」は平成27年度限りで廃止されることになっています(平成28年4月から規定の診断項目から除外される)。
目次
廃止の理由…測定に意味がないから?
座高測定は戦時中の昭和12年、内臓の発育などを確認するために始まりました。戦後も上半身と下半身の長さのバランスを見ることで、子供の発育状態が測定でき、学校に配備する机や椅子の高さを決めるのにも役立つとして続けられていました。
しかし、現場からは、子供たちの健康管理と座高の関係が分かりにくく、机や椅子の配備にもあまり役立っていないとして「測定に意味がない」との声が挙がっていたといいます。また、文科省の有識者会議も2013年12月に身長と体重の数値を活用すれば座高は省略できると提言。文科省は座高測定を廃止することを決定し、施行規則を改正していました。
(この件に対して寄せられていた声)
@Poolie82
確かに座高を測って足長い、短いわかった所で意味ないですね
ただモデル体型か寸胴かわかるくらいですもんね。
— 第六天魔王 (@wolverin00012) 2016, 1月 12
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@Poolie82 身長の割に座高が低いと、足が長い=スタイル良いとかで競い合いならあった。
— KiriyaClariS全通 (@Kiriya601) 2016, 1月 12
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@Poolie82 @hirakawamaru 「ひじきの煮物に鉄分が多く含まれていたのは鉄鍋で作っていたから」に匹敵する目からうろこの新事実した。
— かるまじろ (@karmajiro) 2016, 1月 12
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@Poolie82 @ra6_5ft 意味が無いわけではない。何十年も行ってきた傾向の中で病気の兆候や予防に繋がるの今の医学の力。そんな重要な財産が昨年無くなったんだと捉えて欲しい。
— じゅんぺー (@matujunn2) 2016, 1月 12
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ちなみに、既にご存知の方も多いと思いますが、「ぎょう虫検査」も平成27年度限りで廃止されることになっています。
子供の寄生虫感染率は激減。過去10年の検出率は1%以下
ぎょう虫などの寄生虫卵検査は、小学3年生以下に義務づけられ、昭和33年から行われています。肛門にセロハンテープを貼り、ぎょう虫の卵の有無を調査する検査を実施してきましたが、時代がすすむにつれて衛生環境は改善。子供の寄生虫感染率は激減し、過去10年の検出率にいたっては1%以下だったとされています(祖父母世代(昭和33年度)が29.2%、父母世代(58年度)が3.2%に対し、子世代(平成25年度)は0.2%)。
※ただ、沖縄県など南の地域は今でも発生率が高く、文科省は「地域によっては学校の判断で継続するよう指導する」と説明していました。
平成28年度から運動器健診が実施される
「ロコモティブシンドローム」という言葉をご存知ですか?これは、運動器の機能が低下することで、立ったり、しゃがんだりといった日常的な動作に障害が生じてくる状態。これまでは高齢者に多いとされてきましたが、近年では子供の「ロコモティブシンドローム」が増えているといいます。そうした背景のもと、学校の健康診断でも平成28年度より運動器検診が実施される予定となっています。
また、クラブ活動のし過ぎで炎症になる子供も増加傾向にあるといい、そうした症状の早期発見にも役立てるということです。
時代とともに、衛生環境も食事もライフスタイルも変化していきます。昔からすると、運動器健診が必要と判断される現代の子どもの状況は考えられないのかもしれませんし、今後も時代とともに、今では考えられない診断が必要とされるのかもしれません。