
※本記事はFUNDO編集部に寄せられた体験談をもとに構成しております。
個人の特定を避けるため、登場人物や状況には一部フィクション・編集を加えております。
本記事は、 “ 亡き母との思い出 ” に心を締めつけられていた女性が、実家の押し入れの奥から見つけた “ ひと箱の贈り物 ” によって救われた感動体験を綴ったものです。
投稿者は、関東在住の30代女性・Yさん。
仕事や子育てに追われながら、人生の転機を迎えようとしていた彼女。
実家の片づけ中、ふと開いた段ボールの中にあったのは──
カーディガン、小物、手紙、そして“母からの言葉”。
それは、時を越えて今の自分に届いた、未来へのメッセージでした。
★1話完結で描かれる、 “ 押し入れの奥で見つけた奇跡 ” 。涙なしでは読めない感動ストーリーをお届けします★
目次
亡き母の服の香りに、涙がこぼれた

私の母は、5年前に病気で亡くなりました。
おだやかで、やさしくて──でも芯が強い人でした。
亡くなってからというもの、母の遺品にはほとんど手をつけずにいました。
実家に帰っても、押し入れの一番奥にある段ボールには触れられなかったんです。
でも、いよいよ実家を空けることになり、ついにその箱を開ける日が来ました。
開けた瞬間、ふわっと広がる、あの懐かしい香り。
母がいつも着ていたカーディガンと、いくつかの小物、そして──手紙が入っていました。
押し入れの箱の中には、“私への贈り物”が詰まっていた
手紙と一緒に入っていたのは、母が生前よく使っていたアクセサリー。
そして──私が学生時代に「かわいい」と言った、まるで忘れていたはずのシュシュとポーチ。
「これは、いつかあの子が必要になったときに渡そう」
きっと母は、そんな風に思って取っておいてくれたのでしょう。
さらには、母の名前が入った小さな数珠と、お守りのように包まれた一通のメモ。
そこには、ただ一言だけ。
「あなたに、いいことがありますように」
涙が止まりませんでした。
母は、私がこの箱を“必要とする日”を、ずっと前から準備してくれていたんです。
手紙に書かれていたのは、「未来の私」への言葉

震える手で、その手紙を広げました。
そこには、母の丸い、優しい文字が並んでいました。
「この手紙を読んでるあなたは、
きっと何かを手放そうとしているときじゃないかと思います。」
「でもね、手放すことと、忘れることは違うのよ。
大丈夫。あなたはちゃんとやってる。」
「弱くても、泣いても、あなたはちゃんと生きてる。
それだけで、私は十分よ。」
読んだ瞬間、声をあげて泣いてしまいました。
母は、自分がいなくなった“あと”の私のことまで、ちゃんとわかっていたんです。
片づけは「区切り」じゃなく「つながり」だった
私は、片づけるという行為を「終わり」だと思っていました。
思い出をしまいこむことで、母との距離が遠くなる気がしていたからです。
でも、あの手紙が教えてくれました。
“ 思い出す ” ことさえできれば、人はいつでも誰かと「つながり続ける」ことができる。
母が残してくれたのは、モノじゃなくて、
これからを生きるための “ 勇気 ” と “ 言葉 ” だったのかもしれません。
あのタイミングだったから、受け取れた

実は私は、ちょうど今の家を売って、新しい土地に移る決断をしたばかりでした。
子どもたちも成長して、自分の時間を持てるようになったとはいえ、不安は山ほど。
そんな時期に、あの箱を見つけたのです。
あのタイミングだったからこそ、母の言葉は、真っ直ぐに心に届いたんだと思います。
母は、未来の私の姿まで見えていたのでしょうか?
そんなわけない、と思いながらも──私は、確信しています。
まとめ:本当に大切な言葉は、時間を超えて届く
★ 亡くなった人の言葉が、 “ 今の自分 ” に寄り添ってくれることがある
★ 手放すことは、忘れることじゃない
★ 思い出は、しまいこむものではなく “ 支え ” になることもある
母が残してくれたのは、ひとつの手紙と、小さな贈り物。
でもそれは、私の背中をそっと押してくれる “ 未来へのメッセージ ” でした。
片づけを通じて、私はまた母と出会い直せた気がします。
この記事が、同じように大切な人を想う誰かの心に、そっと届きますように。