
「トイレで“音姫”を使わないって、ちょっと恥ずかしくない…?」
そう思っていたのは、少し前までの話。
今、若い世代を中心に「音姫をあえて使わない」という人が急増しているのをご存じでしょうか?
しかもその理由は、単なる節約や機械の不調などではなく、まさかの“あの価値観”の変化が背景にあったのです──。
目次
「音姫」ってそもそも何?
まずはおさらいから。
「音姫」とは、トイレでの排泄音をかき消すための“擬音発生装置”のこと。
もともとは、女性がトイレ中の音を気にして何度も水を流してしまう“水道代の無駄”を防ぐために作られたもので、1988年にTOTOが販売を開始しました。
「ジャーッ」という水音を流すことで、“気まずさ”をカバーする画期的な装置として一気に広まり、今では多くの公共トイレに設置されています。
なのに、なぜ?「使わない派」が増えている理由。
一見、メリットしかないように見える「音姫」。にもかかわらず、“使わない人”が増えているのは──それは、次のような背景があるからです。
音姫の音が「逆に恥ずかしい」時代に?
Z世代を中心に、「音姫を使う=何か隠したい」という意識が定着しつつあります。
つまり、「わざわざ音を流すことの方が、逆に目立ってしまう」と感じてしまうのです。
TikTokなどのSNSでは、
「音姫の“ジャー音”が響くと“何してるのかバレバレ”って感じがして使えない」
という声も少なくありません。
「自然体でいいじゃん」という価値観の変化
ここ数年で大きく変わったのが、“清潔さ”や“羞恥”に対する考え方。
ありのままの自分を受け入れよう、という自己肯定感ブームの影響で、
「音でごまかす必要なんてある?」という考えが広がっています。
また、“性別に関係なくトイレは誰でも行くもの”という当たり前の事実に目を向ける人が増え、
「恥ずかしさ」よりも「自然さ」や「多様性」が尊重される時代になったのも大きな理由のひとつです。
さらに加速させたのは「音姫離れの社会現象」
実は、2020年以降のコロナ禍も、「音姫を使わない派」を後押ししました。
“非接触志向”で使わなくなった人も多数
感染予防のため、「トイレのボタンに触りたくない」という意識が一気に高まり、
ボタン式音姫を敬遠する人が増加。
また、最新のトイレでは自動洗浄や静音設計が進んでおり、そもそも音姫の必要性自体が薄れてきているという事実もあります。
実際どうなの?みんなのリアルな声
実際にX(旧Twitter)やYouTube、各種アンケートなどでは、こんな本音が見られます。
「最近は音姫使ってないな…誰も気にしてないし」
「音姫って逆に“何かしてる感”が出ちゃう気がして」
「昔は音姫連打してたけど、今はもうどうでもいい」
さらに最近では、「音姫を使ってる=時代遅れ?」という印象を持つ若者もいるとのこと…。
それでも「音姫は必要!」という声も
一方で、「音姫は絶対必要」という意見も根強く存在します。
「やっぱり音で隠したい」
「静かなトイレは落ち着かない」
「自分の音だけが響くのはツラい」
たとえば職場や図書館など、“静寂”が基本の空間では、音姫がありがたいという人も多いでしょう。
要するに、“使うかどうか”はその人の感覚やシチュエーション次第ということですね。
【まとめ】音姫は“恥ずかしさ”を超えた先へ
「音姫を使わない」人が増えているのは、恥を捨てたからではなく、
“恥を感じなくていい”という価値観を選び取る人が増えているから。
それは、トイレという誰にとっても日常の行為を、「隠すもの」から「自然なもの」として再認識しようという、時代の変化とも言えます。
あなたは“音姫派”?“自然派”?
音姫の「ジャーッ」という音が安心する?
それとも、静かなままでいい?
選ぶのはあなた自身です。
でも、どちらを選んでも、それが“正解”という社会に、少しずつ変わってきているのかもしれません。