うるう年は知っているけど・・・「うるう秒」もあるって知ってた?

「1年は365日、1日は24時間で、1時間は60分」ということは誰もが知っていることですが、これ厳密にいうとズレが生じています。
そのズレを補うために4年に一度「うるう年」があるのは、ご存じのとおりかもしれませんが、実は「うるう秒」と呼ばれるものも存在します。

そこでここでは、「うるう秒」とはどのようなもので、どのくらいの頻度で発生しているのかをまとめていきます。
また似たようなものに「うるう月」というのもありますので、こちらについても解説していきます。

「うるう秒」とは

まずは「うるう秒」がどのようなものなのかを見ていきましょう。

うるう秒は不規則に発生する

「うるう秒」は、不規則に発生するもので、秒以下の単位の時間のズレを修正するために設けられています。

いわゆる1日は地球の自転を基準にして長さが決められています。
地球が1度自転するまでにかかる時間の1/24を1時間、更に1/60にしたものを1分、さらに細かくその1/60を1秒と定義してきました。

しかし、原子時計による正確な時間の測定などの技術の発達により、実は地球の回転速度にはムラがあることが判明しました。
つまり、地球は同じ速度で回転しているわけではないのです。

そうなると従来の時間の計測方法ではズレが生じてしまいます。
この不規則な時間のズレを修正するために用いられるようになったのが「うるう秒」なのです。

うるう秒はどのタイミングで入れられる?

地球の自転は一定ではないために遅くなったり早くなったりすることは前述の通りですが、ではどうやって修正するのでしょうか?

まず人間が認識している時刻には「地球の自転による時刻」と「原子時計による時刻」があります。
しかし、地球の自転にはムラがあるなら、どうしても両者にズレが生じてしまいます。

今現在も、地球の自転速度は原子時計と比較されながら観測が続けられているのですが、常に時刻の差は「+-0.9秒」の範囲になるように調整されています。
このズレが1秒以内で収まっている間に調整するためにためにうるう秒は設けられます。

ただし、この調整はいつやってもいい訳ではありません。
日本では、そのタイミングを「9時00分00秒の1秒前」に実施され、日付も「7月1日か1月1日」のいずれかとされています。

1秒追加されることもあれば、1秒減らす事もあるので注意が必要です。

「うるう年」とは考え方が違う

この「うるう秒」は、4年に一度ある「うるう年」とは考え方が異なります。

うるう年が発生する理由

1年とは、太陽が黄道を1周する周期の事です。
実際には365日ではなく約365.242189日かかることが判明しています。
ということは太陽の動きと暦にズレが生まれてしまうのです。

この差を調整するために設けられているのが「うるう年」です。

現在の暦のうるう年の算出方法

現在日本も採用しているグレゴリオ暦。
このグレゴリオ暦では、次の規則に従って400年間に97回の「うるう年」を設けると定義されています。

・西暦年が4で割り切れる年はうるう年
・ただし、西暦年が100で割り切れる年は平年
・ただし、西暦年が400で割り切れる年は必ずうるう年

400年間における平均1暦年は「365+97/400=365.2425日」となります。
平均回帰年との差は1年当たり26.832秒(2015年の値)となります。
この算出方法により、ズレを最小限に抑えることが可能となっています。

日本におけるうるう年の算出方法

日本において、うるう年のの根拠はグレゴリオ暦ではありません。
明治時代に出された「閏年ニ関スル件」という勅令、つまり天皇の命によってくだされた法令に基づいており、これが現在もうるう年の算出方法となっています。
この法令では、うるうどしは皇紀年数という神武天皇即位の年を元年とする日本独自の紀元から算出するよう定められており、以下の条件があります。

・皇紀年数を4で割って、割り切れる年をうるう年
・ただし、皇紀年数から660を引くと100で割り切れる年で、かつ100で割ったときの商が4で割り切れない年は平年

ちなみに、この計算方法で算出されるうるう年は、グレゴリオ暦による西暦年のものと同一となります。

「うるう月」もあった!

「うるう年」や「うるう秒」の他、「うるう月」と呼ばれるものもあります。

太陰太陽暦に存在するうるう月

現代では正式に採用されていませんが、旧暦の太陰太陽暦においては季節と日付を合わせるために特別の月「うるう月」を実施することがあります。

太陰太陽暦では月の満ち欠けの周期で暦月を決め、その12ヶ月を1年とします。

この算出方法だと、1ヶ月が平均29日半となり、12ヶ月換算しても354日にしかなりません。
つまり、季節の巡りの1太陽年365.2422日から考えると、11日余り短いために3年で34日ほどの不足となります。

したがって3年に一度もしくは2年に一度「うるう月」を置き、1年を13ヶ月にすることで暦と天体の動きのズレを調整していたのです。

まとめ

「うるう秒」は、人間が認識している時間のズレを修正するために用いられるものです。
人類が発明した最も厳密な時計の原子時計と、実はムラがあった地球の自転のズレを調整するために設けられるようになりました。

人間の科学技術の発達により生まれた比較的新しい暦の制度だったのです。

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