「何かおかしい…もしかして認知症!?」
女子中学生の機転が、83歳・認知症を患っている女性を救ったという出来事が話題になっているのでご紹介します。
栃木県足利市で2月、当時、市立西中学校一年生だった高沼アイラさん(13)が、下校途中に道に迷っている高齢の女性と遭遇したといいます。
「○○町って、どこですか?」と高齢の女性から道を尋ねられた高沼さん。市内に実在するこの町名を知らなかった高沼さんは「すみません。分からないです」と言い、一度帰宅したそうです。
しかし、帰宅後も女性のことが気になり、父親にその町のことを聞いた上で女性がいた場所に走って戻ると、女性は最初に会った場所から200mほど離れた所にいたそうです。
そして、高沼さんは女性にこう聞いたそうです。「さっき道を聞かれた者なんですけど、ご自分のお名前は分かりますか?ご住所は分かりますか?」すると、女性は自身の名前は答えることができたようですが、住所が答えられなかったそうです。そこで再び高沼さんは自宅に戻り、父親に相談。その結果、父親から女性を家に連れてくるように指示されて、家に連れて帰ってきたといいます。
「認知症サポーター養成講座」の受講経験が活かされた
この件で、高沼さんは女性と話している中で「もしかして…認知症?」と感じたといいます。小学校5年生の時に学校で「認知症サポーター養成講座」を受けた経験が活かされたそうです。
「認知症サポーター養成講座」は、認知症患者の増加に対応するため、厚生労働省が2005年に始めた「認知症サポーターキャラバン」事業の一つ。自治体や企業が、住民や社員らを対象に開講しているそうです(受講料は無料)。受講を修了した人は認知症の人や家族を支援するボランティア「認知症サポーター」に認定されるとのこと(サポーターは2015年年末時点で全国に約713万人)。詳しい内容はこちらでご確認ください。
ちなみに、認知症の女性は高沼さんのおかげで無事に夫の元に戻ることができたそうです。高沼さんは、「今後も困っている人がいたら、自分から声をかけて役に立ちたい」と語っています。
現在、認知症が原因で行方不明になったとの警察への届け出は1万人以上(2014年:警察庁調べ)といいます。高沼さんの事例にもあるように、感じて・考えて・行動することが誰かの助けになるのかもしれませんね。
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出典:YouTube