
イタリア料理を食べに行くと、お店のメニューに「ミートソース」や「ボロネーゼ」と書かれていることがありますよね。
レトルトのパスタソースとしてどちらもよく見かけます。
どちらもひき肉を使ったスパゲッティですが、違いはどこにあるのでしょうか?
ここでは、そんな「ミートソース」と「ボロネーゼ」の違いについて見ていきましょう。
目次
ボロネーゼとは

じっくり炒めたひき肉と、刻んだタマネギなどの香味野菜を炒めたものを合わせてワインで煮込んだソースが、「ボロネーゼ」です。
日本では、主にパスタのソースの一種として知られています。
ボロネーゼの本場、イタリアでの名前
ボロネーゼは、イタリアのボローニャ地方が発祥の地とされています。
現地では「ラグー・アッラ・ボロニェーゼ」と呼ばれ、これは「ボローニャ地方のラグー」という意味です。
ちなみにラグーとはフランスの煮込み料理のことを指します。
だからボロネーゼは、ワインで煮込んだソースになんですね。
ボロネーゼの起源
ボロネーゼは北イタリアの美食の都、ボローニャで生まれました。
富裕層が隣接するフランスの煮込み料理「ラグー」をベースに、ワイン煮としてアレンジしたものがボロネーゼの始まりとされています。
ミートソースとの違い

ボロネーゼはひき肉と野菜をワインで煮込んだ、ボローニャ生まれのソースということは分かりました。
では、ミートソースとどこが違うのでしょうか?
煮込むものの違い
ミートソースとボロネーゼは、何で煮込むかによって違いがあります。
ボロネーゼはワインで煮込むのに対し、ミートソースはトマトで煮込むソースとなっています。
ボロネーゼにもトマトを入れることがありますが、あくまでも煮込む際のメインはワインです。
使うパスタの違い
どのパスタを使うかも違いがあります。
ミートソースは、細い麺状のパスタ「スパゲッティ」にかけて食べるのが一般的ですよね。
ボロネーゼの場合、イタリアでは平打ち状のパスタ「タリアテッレ」に絡めて食べるのが定番になっています。
パスタと一口に言っても、スパゲッティやタリアテッレのような麺状のものから、マカロニやペンネのように筒状の短いものもあります。
使うソースによってパスタを使い分けるのが本場、イタリアでは定番となっています。
ソースの盛り方の違い
ボロネーゼは麺と絡めてから盛り付けるのに対して、ミートソースは麺の上にかけて盛り付けるのが一般的です。
ミートソースの歴史

ミートソースは、どのように日本に伝わってきたのでしょうか?
ボロネーゼが日本で食べられるようになったのは比較的最近のことですが、ミートソースはずいぶん昔から慕われてきたものだと言われています。
戦後の日本に伝わったという説
ミートソースの起源のひとつが、戦後にアメリカ進駐軍が持ち込んだものが始まりとする説です。
アメリカ人が食べていたものが洋食として取り入れられ、日本人好みの味付けにアレンジされたといわれています。
アメリカに移住した北イタリア系移民が、故郷の味を懐かしんで作ったボロネーゼをまずアメリカでアレンジされたものが日本に伝わりました。
そしてさらにアレンジが加えられて、ミートソースになったともいわれています。
実は戦前の日本生まれという説
ミートソースの伝来には諸説ありますが、新潟県にある明治14年開業で日本初のイタリア料理店「イタリア軒」で生まれたという説もあります。
記録が火事によりなくなっているため、正確にいつから出されているのかは不明ですが、大正時代には東京の銀座にもミートソーススパゲッティを出していたとされる店もあったようです。
もしかしたら大正時代以前から、ミートソースが食べられていたのかもしれませんね。
缶入りソースが発売されてから定番に
確実に日本で広まるきっかけとなったのは、缶入りミートソースが販売されるようになってからのようです。
1959年に食品メーカーのキューピーが、ミートソース入りの缶を発売しました。
それによって一般家庭でも気軽に食べられるようになり、ミートソースが一気に普及して定番化されたそうです。
まとめ
ミートソースとボロネーゼは見た目こそ似ていますが、煮込む際に何をメインに使うか、そしてパスタは何を使うか、さらに盛り付け方も違います。
ミートソースがひき肉や野菜を「トマト」で煮込むのに対し、ボロネーゼはひき肉や野菜を「ワイン」で煮込みます。
使うパスタもミートソースが細長い麺の「スパゲッティ」なのに対し、ボロネーゼは平打ち麺の「タリアテッレ」を使用します。
ミートソースはスパゲティの上にソースを「後からかけて」盛り付けしますが、ボロネーゼはタリアテッレと「絡めてから」盛り付けをします。
違いがないようで、意外とあるんですね!!