
過ちが起こりそうな状況に対して用いる表現「猫に鰹節」。
これは、間違いが起こる状態自体にも用いられます。
ここでは「猫に鰹節」という言葉について、その意味や類義語などについて見ていきましょう。
目次
「猫に鰹節」とは

まずは、「猫に鰹節」の意味について見ていきましょう。
「猫に鰹節」の意味
「猫に鰹節」は、過ちが起こりやすい状況のことを例えとした表現です。
それは当人の好物を預けたり、故意にそばに置いてみるといった状況です。
食事にいろいろ選択肢のある現代の猫ならいざしらず、この表現が生まれただろう明治時代以前ならと考えると・・・
猫に鰹節の番を実際に任せたところで、食べられてしまうだろうことは目に見えています。
このように、容易に不測の事態が起こることが想定できる状況から生まれた表現だとされています。
相手にリスクがあることを承知で譲歩することで、危険を招くという意味合いの言葉でもあります。
そして、油断ができないことの表現として使用されることも。
なお、猫の好物として鰹節ではなく乾鮭を挙げた「猫に乾鮭」と表現されることもあります。
実際に猫に鰹節を与えて大丈夫なの?
では、猫に鰹節を与えても大丈夫なのでしょうか?
ここからは、実際に猫に鰹節を与えるリスクについて見ていきましょう。
鰹節は、古くから猫の大好物とされてきました。
江戸時代には他家に猫を譲る際、鰹節を添える風習もあったほどです。
現代でも、その味わいや香りが猫を魅了することもあります。
しかし、猫が好きだからと鰹節を与えるのは避けたいところです。
なぜなら、人間用の鰹節を猫に与えると塩分過多になります。
他にも健康被害などが出てしまうこともあります。
だからこそ、気軽に与えるのは避けたいです。
どうしても鰹節を与えたいなら、猫向けに開発された鰹節を選んでください。
しかし、猫用の鰹節でも与え過ぎは当然よろしくありません。
管理できそうにないのなら、最初から与えないのが賢明です。
「猫に鰹節」の類義語

ここからは、「猫に鰹節」の類義語を見ていきましょう。
類義語としては、「盗人に鍵を預ける」「狐に小豆飯」などがあげられます。
盗人に鍵を預ける
「盗人に鍵を預ける」とは、災いの元凶となるものを助長することの例えです。
泥棒に鍵を渡すのは「盗んでください」と言っているようなもの。
本来、鍵は盗難を防ぐために使用するものであって、他人に預けるようなものではありません。
ましてや、盗人に預けてしまうなんてことは、は本末転倒です。
狐に小豆飯
「狐に小豆飯」とは、油断ができないということの例えです。
好きなものが目の前にあれば、人はもちろん動物だってすぐに手を出してしまうものです。
お腹が空いた狐の前に小豆飯を置けば、食べてしまうのは明白だと言えるでしょう。
そのため、この言葉は予測される事態を自ら招くような様子を指すのです。
「猫に小判」との違い

「猫に鰹節」に、語感が似た表現として「猫に小判」があります。
しかし、両者の意味は全く別物です。
「猫に小判」の意味
「猫に小判」は、高価なものや貴重なものを与えても価値がわからない人には何の意味もない、ということの例えとなる言葉です。
猫に対して、実際に小判を与えても少しも喜ぶことはないし、ありがたみを感じることもないでしょう。
それが転じて、価値がわからない人には高級なものを与えても意味がないといった意味となりました。
「猫に鰹節」と「猫に小判」の違い
「猫に鰹節」は、リスクを自ら与えてしまうといった状況を指す言葉です。
「猫に小判」は、価値のあるものを与えても、相手にその価値がわからないなら何の意味もないという意味です。
与える必要がない、与えるのがもったいないという意味合いでも使用されます。
語感こそ似ているものの、意味はまったく異なります。
まとめ
「猫に鰹節」は、過ちが起こると予測できる状況を指す言葉です。
多くの場合、その事態を自分から招くことに対して用います。
実際に、猫の前に鰹節を置いたら、我慢をする事なくきっと食べてしまうことでしょう。
その様子を例えとしたのが「猫に鰹節」という言葉になります。
この言葉のように、猫に鰹節を与えるのは控えたほうがいいでしょう。
なぜなら、塩分が多すぎるからです。