
出典:Wikipedia
今からちょうど50年前の1967年3月14日、東京の上野動物園で象のインディラが脱走する事件が起きたのをみなさんはご存知でしょうか?
その脱走した象を連れ戻したベテラン飼育員、落合正吾さんのある実話を上野動物園が公式Twitterアカウントに投稿し、話題になっています。
今回は、その涙が溢れ出てしまう落合正吾さんのエピソードをみなさんにご紹介します。
インディラと落合さんの深い絆
1949年にインドのネール首相からの贈り物として上野動物園にやってきたアジアゾウの「インディラ」
そんなインディラの飼育を担当していたのがベテラン飼育員の落合正吾さんで、インディラを家族のように愛し、接していたそうです。そんな落合さんの愛が伝わったのか、インディラも落合さんを信頼するようになっていたのだとか。
それから18年後の1967年3月14日、同居していた仲間の象とケンカをしてしまい、興奮したインディラがゾウ舎を脱走する事件が起きてしまったのです!
昭和42(1967)年の今日、アジアゾウのインディラが同居していたジャンボとケンカをして、運動場から堀に突き落とされてしまいました。インディラは手すりに鼻を巻き付けて体を引き上げ、なんと入園者側の観覧通路に出てしまったのです。
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) 2017年3月14日
出典:Twitter
園内は大混乱!上空にはマスコミのヘリコプターが様子を見ています。
園内はただちに緊急体制がしかれましたが、インディラはゾウ舎に戻ってくれません。やがてマスコミのヘリコプターが低空で旋回をはじめ、インディラはその音で興奮してきました。ゾウが暴走したら大変な事故になってしまいます。飼育係のだれかが言いました。「そうだ、落合さんだ!」
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) 2017年3月14日
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落合さんはその時、病気で頬がこけ、顔色も悪く、体重は36kgにまで落ちていたにもかかわらず、駆けつけて来た飼育係員の話を聞いてすぐに長年愛用していた調教棒を持ち、インディラのもとに向かったそうです。
落合正吾さんはゾウ飼育班長でベテラン飼育係でしたが、病気で休職中でした。アドバイスを聞こうと飼育係員が自宅に行くと、「よし、すぐ行く!」と落合さんは寝間着のまま、とめる声も聞かずに動物園に向かいます。
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) 2017年3月14日
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そして落合さんがインディラの名前を呼ぶと、インディラは徐々に落ち着きを取り戻したのだとか。
ゾウ舎に着いた落合さんは、病人とは思えない声で「インディラ、ダメじゃないか。戻るんだ。」と一喝。とたんにインディラの興奮がおさまって目がおだやかになりました。「よし、良い子だ。さあ、帰るぞ。」落合さん到着がら10分もしないうちに、インディラは無事に収容されたのです。 pic.twitter.com/YLbqvIsPs8
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) 2017年3月14日
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その事件から8日後、落合さんは天国へと旅立ちました。
実は落合さんは重度の胃ガンで、8日後の3月22日に54歳で亡くなりました。混濁する意識のなかで、いとおしそうに「インディラのやつ…」とつぶやいていたそうです。
— 上野動物園[公式] (@UenoZooGardens) 2017年3月14日
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落合さんとインディラの深い愛と絆を感じられて、思わず目頭が熱くなってしまいますよね。ちなみにインディラは1983年に落合さんのもとへ旅立ったそうで、今ごろ落合さんとインディラは天国で仲良く暮らしているのかな。