近年、日本人選手の活躍も目覚ましく、大人気のスポーツとなっているテニス。
テレビでも見かけることの多いスポーツですが、その発祥の地や起源を知っている人は少ないのではないでしょうか?今回はそんなテニスの発祥の国や時代に迫ってみたいと思います!
目次
テニス発祥の地はエジプト?
まずは気になる発祥の地から!なんとまさかのエジプトではないかという説があるみたいです!
エジプトの壁画にテニスが!?
時代を紀元前まで遡ると、なんとエジプトの壁画にテニスが描かれたものがあるそうです!
その頃のテニスはまだ現在のようなスポーツではなく、数人が集まり珠を打ち合うという行為が宗教的な意味合いをもつものとして扱われていたようです。
紀元前から存在するなんて…。こんなにも歴史のある競技だったんですね!
遊戯として定着したのはフランス
エジプトで宗教的なものとして生まれたテニスですが、それが遊戯として定着したのは11~12世紀のフランスだそうです。
最初は手で打つ遊び
フランスの修道院などで行われていた遊びが現在のテニスの原型となったようです。
最初は毛髪などを布で包んだボールを打ち合う遊びだったそうです。現在のテニスと全然違い、その頃はまだラケットというものはなく、素手やグローブでそのボールを打ち合っていました。
「jeu de paume」(ジュ・ド・ポーム、「手のひらの遊戯」の意)
その頃はまだテニスという名前ではなく、「手のひら(paume)の遊び」という意味で「jeu de paume (ジュ・ド・ポーム)」と呼ばれていました。
まだ貴族や僧侶だけの遊びだったのですが、この頃にはもう宗教的なものではなくなっているので、現代のテニスの原型に近づいてきましたね!
イタリアに伝わり、ラケット誕生
やがてその「ジュ・ド・ポーム」はイタリアに渡りました。
素手で始まったこのジュ・ド・ポームでしたが、さすがに手で打ち合うのは痛かったのかグローブをはめて行われるようになり、それから16世紀頃に現在のラケットの原型が誕生しました。
最初の頃のラケットはガットと言われる網の部分に羊の腸を繊維状にしたものが使われていました。この網状の部分をガットと言いますが、この言葉、実は「腸」を意味しています!
羊の腸を使っていたことが現代でもラケットのパーツの名前の由来として使われているんですね!
イギリスで現代テニスの始まり
フランスから広がっていったテニスですが、その波はヨーロッパ全土に広がっていきイギリスでやっと現代のテニスにぐっと近づきます。
ウィングフィールド少佐
イギリスまで広まったテニスの原型のジュ・ド・ポーム。1874年にウィングフィールド少佐という人物がこのジュ・ド・ポームを、道具やルール、コートなどをしっかりと考案し特許を申請しました。
それまでしっかりルールや決まりもなく行われていたジュ・ド・ポームを、テニスとして昇華させたということですね!これによって現代のテニスに大きく近づいた気がしますね!
ローンテニスとして広まる
ジュ・ド・ポームから現代テニスに近づいたその競技は、芝生(ローン)の上で行われたことから「ローンテニス」として急激に広まっていきます。
1877年ロンドン郊外のウィンブルドンで、ウィンブルドン選手権大会が開催され、この時にコートの寸法やルール、ボールの規定などが決められたそうです。
ここまでくるともうほとんど現代のテニスに近づいてきました!
日本初は横浜のテニス発祥記念館
ヨーロッパを中心に広く普及していったテニスですが、日本ではいつごろから始まったのでしょうか?
日本に来たきっかけ
日本に初めてテニスがやってきたのは1878年で、来日したアメリカ人教師のジョージ・アダムズ・リーランドという人が紹介したことがきっかけのようです!
ちなみに当時はボールを手に入れるのが難しかったようで、そんな背景から1890年に軟式ボールが生まれ、軟式テニスとして日本では普及されたようです。ソフトテニスにもしっかりとした歴史があったんですね!
テニス発祥記念館
神奈川県横浜市中区にある山手公園で1876年に日本で最初のローンテニスが行われました。その後1878年に日本で最初のテニスクラブが生まれたようです。
ちなみにこの1876年に行われたテニスは日本人は関係なく、横浜に移住した外国人が自分たちだけでプレーしていただけのようです。その後、日本初の洋式公園である山手公園と日本でのテニス発祥120年を記念してこのテニス発祥記念館が作られたみたいです!
テニスの語源には諸説あり?
そして気になるのが「テニス」の語源。ジュ・ド・ポームから随分大きな変化をしたこの名前ですが、実は明確な由来はまだわかっていないそうです。今回はいくつか有力な説をご紹介します。
フランスの「jeu de paume」の時の掛け声説
1つ目が現代テニスの原型となったフランスの「jeu de paume」の掛け声が由来説です。
フランス語の動詞である「tenir(トゥニール つかむ、保つ)」の命令形であるtenez(トゥネ)、つまり上手く訳すと、サーブを打つ前の「ほら!いくよ!」などの掛け声が由来なのではないかとする説ですね!
イギリスの詩人ジョン・ガウアーの詩説
そして2つ目がイギリスの詩人の詩が由来になっている説です。
詩人のジョン・ガウアーの1339年に書いた「平和を讃えて」の中にある詩に「Tenetz」という言葉が出ており、これがテニスの語源ではないかとしています。
なんだかフランスの掛け声の説に比べると少し由来としては弱いような気もしますね…。
他にもいろいろな説
他にもテニスの原型が10(ten)人で行われていたことから説や、サーブを打つ人が1度ふるいの上でボールを弾ませてからサーブを打つので、temis(ふるい)がなまってテニスになったとする説など、いくつかテニスの語源を推測する説がありますが、まだ明確な由来は分かっていないようです。
私は「jeu de paume」の掛け声からきた説が一番しっくりくるような気がします!
ちょっと気になるテニス雑学
テニスの発祥や歴史について詳しく解説したところでしたが、ここでちょっと気になるテニス雑学をご紹介しますね!
テニスの点数が独特なのはなぜ?
誰もが疑問を感じたと思いますが、テニスの点数の数え方って「15、30、40」と独特ですよね!
このカウントの方法にも諸説ありますが、かつて時計を用いて点数をカウントしていたからというのが原因のようです。15分単位で時計の針を動かすことで遠くから見ても点数が分かりやすいですよね!
じゃあなぜ30の次が45ではなく40なのかという疑問が湧きますね。これは英語でカウントする際に「forty five」とコールするのが長いので略して「forty」とコールしたのが原因という説が有力のようです。短くしただけってなんだか意外と理由は単純だったんですね(笑)
テニスの点数についてはこちらの記事で詳しく説明していますのでご覧ください!
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少しややこしいテニスの点数のルールを、由来まで含めてわかりやすく解説!
0をラブというのは?
そしてもう一つの疑問、テニスでは0の呼び方も独特ですね。ゼロを「ラブ」と呼ぶのってテニス以外では聞いたことないですよね。
これはゼロに似た形の卵がフランス語で「ラフ」と呼ばれていたようで、それがなまって「ラブ」になったのではないかという説があります。他にもラブには「何もない」などという意味があるからという説もあるみたいですが結局のところ明確な由来は分かっていないようです。
テニスの”ラブ”の由来に関してはこちらの記事で詳しく説明しています。
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テニスでラブを使う由来は?ラブの意外な意味とは。「ラブゲーム」や「ラブオール」の意味も紹介
まとめ
テニスに関する謎は解消されましたでしょうか?
世界中で愛されるスポーツのテニスですが、紀元前にまで遡るほど大きな歴史を持つとなると、やはり由来や起源など古い情報は抜け落ちてしまうのはしょうがないですね。
普段親しみのあるスポーツの起源や発祥を知るのは面白いですね!