誤用される「煮詰まる」の本来の意味と使い方!しかし今では誤用表現も間違いではない!?

2019.9.14


日々生活の中で言葉を使っていると、間違えて覚えてしまった言葉というのは思いのほかあります。例えば今回紹介する「煮詰まる」も、誤用表現を多く目にする言葉です。

今回は多くの人に勘違いされている「煮詰まる」の正しい使い方をご紹介します。

煮詰まるの誤用表現とは


勘違いされている使い方


煮詰まる、を日常でつい『困ったことにアイディアが煮詰まってしまった』のような形式で使ってしまうことはありませんか?これは煮詰まるの意味とは異なる、つまり誤用の表現になります。

本来使われるべきは「行き詰まる」


この煮詰まるの使い方ですが、『困ったことにアイディアがうまくまとまらない』といった状況が想像されると思います。それならば、本来使うべき言葉は、煮詰まるではなく、行き詰まるです!

行き詰まるの意味


行き詰まるの意味は下記のとおりです。

①道がなくなって先へ進めなくなる。 
②物事が進展しなくなる。

出典:weblio.jp

本来、上の例では、②の意味で込めて、『困ったことにアイディアが行き詰まってしまった』と使うのが正解になります。

煮詰まるの本来の意味


では、「煮詰まる」を本来の意味でこの例に当てはめるとどうなるのでしょうか。まずは煮詰まるの本来の意味をご紹介します。


①長時間煮て,水分がなくなる。 
②十分に議論・相談などをして,結論が出る状態になる。 
③時間が経過するばかりで,もうこれ以上新たな展開が望めない状態になる。

出典:weblio.jp

煮詰まるにはこの三つの意味があります。煮詰まるの最初の意味は料理を煮込みことで、水分が蒸発して完成間近になることです。それが転じた②の今回の状況で使う意味になります。余分なものが抜けて「結論が出る状態」ということは、文例で伝えたかった行き詰まった状況とは真逆になりますね!

そのため例に当てはめると、『困ったことにアイディアがもうまとまりそうだ』となってしまいます。本来伝えたい言葉と逆の意味になってしまう上に、不自然な日本語になってしまいましたね。

本来の意味で使っている人は減っている

文化庁の調査結果


しかし、誤用している人が多くなれば、本来の意味で使うと意味が通じなくなるという逆転現象が起きます。

平成19年度に文化庁が行った、「煮詰まる」の使い方に関しての調査の回答では、30代の73.0%が誤用した「行き詰まる」の意味で使っていることが判明しました。40代でも50.3%、全体では37.3%の人が意味を間違えて使用していました。調査から10年以上った今、間違えた意味を覚えている人がさらに増えていると考えられます。

実は誤用とはもう言えない?!煮詰まるに追加された新しい意味


ここまで、「煮詰まる」と「行き詰まる」は意味が違い、混合されて誤用されていると解説をしてきました。しかしこの考えはもう古く、「煮詰まる」は「行き詰まる」の意味で用いてもいいとされています。実際、前述の「行き詰まる」と「煮詰まる」のそれぞれの意味の中で煮詰まる=行き詰まると認識できる書き方がされています。

「行き詰まる」の②の意味『物事が進展しなくなる。』と、「煮詰まる」の③『時間が経過するばかりで,もうこれ以上新たな展開が望めない状態になる。』をそれぞれ読んでみてください。煮詰まるの方はいろいろ文が修飾されていて分かりにくいですが、両者書いてあることの意味は一緒で、『物事が進展しなくなる』ことをあらわしています。

すでに辞書では7割以上の人が使っている誤用は、煮詰まるが変化し、新しい意味を吹き込まれた意味と考えて項目が追加されていたんですね!

まとめ


本来は結論が出そうな状況の意味の「煮詰まる」が言葉の似ている「行き詰まる」と意味が混合され、多くの誤用をされていました。その誤用も非常に多くなり世代によっては70%以上の人が間違えて認識するようになり、ついには辞書の中でも「煮詰まる」の中で「行き詰まる」と同様の意味を追加されるようになりました。「煮詰まる」は言葉は変化していくもの、の代表格の一つとして考えられそうですね!

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出典:weblio.jp(行き詰まる) / weblio.jp(煮詰まる)

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