私たちが住んでいるこの国、その名前は「日本」です。
この「日本」という名前はどこから来て、いつから用いられているのでしょうか。
また、「にほん」とも「にっぽん」とも呼ばれていますがどちらが正しい読み方なのでしょうか。
そこでここでは、「日本」という国名についてここでは解説します。
目次
日本という国名の由来
日本の前は「倭(わ)」
日本はもともと「倭」という呼ばれ方をしていました。
その名称は、中国が始まりです。
魏志倭人伝などの歴史の書物からもわかるように、三国志の時代から日本のことを倭と呼んでいたことがわかっています。
この国名は、当時の日本人が自らのことを「わ」と称していた事から来たとも、中国で小柄な人を意味する言葉から来たともされています。
天武天皇が国名を「日本」に変えた
「倭」から、なぜ「日本」に国名が変化したのか。
これは天武天皇が使い始めたのが始まりだと言われています。
その意味には諸説ありますが、中国から見ると東にある国つまり太陽が昇る地という意味という説があります。
日本は「にほん」?それとも「にっぽん」?
日本は、「にほん」とも「にっぽん」とも読まれますが、どちらの読みが正しいのでしょうか。
「ひのもと」という読みから始まった?
日本という国名が使われ始めた当時、その読みは「ひのもと」でした。
日の昇る地というニュアンスを強調した読み方ともいえます。
「にっぽん」が使われだしたのは奈良時代
「ひのもと」以外の呼び方が浸透したのは奈良時代のこと。
時を経るほどに「にっぽん」という呼び名が浸透していきました。
室町時代には両方使うように
さらに時代が下り、室町時代に入る頃には「にほん」という呼び名も使われるようになりました。
だからといって、「にっぽん」読みが廃れることはなく、「にっぽん」と「にほん」その両方の読み方が普及していきました。
実は正式にどちらが正しいとは決まっていない
実は「日本」の読み方について、法律などで明確に規定されているわけではありません。
そのため「にほん」と「にっぽん」での呼称に揺れが生じています。
それもあって、日本の呼称については1934年に「にっぽん」という読み方で統一したらどうかという案が国会で出ました。
しかし、政府の話し合いで結論が出なかったため、この案は採択されることはありませんでした。
ちなみに、当時は国号が「大日本帝国(だいにっぽんていこく)」だったこともあり、「にっぽん」という読みのが主流だったようです。
調査結果によって相違が出ていますが、現在は「にほん」派が6割~7割で、「にっぽん」派が3割~4割という感覚で使われているとされています。
ちなみにNHKでは国号としては「にっぽん」
ちなみにNHKでは国号として「にっぽん」を使っています。
その一方で、民放では「にほん」と使うことが多いです。
テレビ業界など、多くの人の目に触れるものでも、呼び方に違いがあるわけです。
英語のJAPANはなぜ?
日本を意味する英単語は「Japan」ですが、その由来について見ていきましょう。
「Cipangu(ジパング)」から来たとする説
Japanは、「Cipangu」から来たという説が日本では特に知られています。
これは、マルコポーロというヴェネツィア商人がアジア諸国で見聞したものを旅行記としてまとめられた『東方見聞録』に登場する国です。
中国から見て東にある島国だとされています。
莫大な金を算出する「黄金の国」と記述されていますが、マルコポーロ自体は日本に来ておらず、事実ではなく中国(当時の元)に伝わる噂話を記述したものとされています。
この「Cipangu(ジパング)」という名前は、当時の中国での日本の発音から来たものという説があります。
まとめ
日本の国名は、中国からの呼称「倭」がはじまりです。
日本(邪馬台国)からの使者があったことを記した「魏志‐倭人伝」にあるように、古くからの名称となります。
これが天武天皇の時代に、中国から見たら東にあるから日の登る地という意味で「日本」と名づけられました。
英語ではJapanという英単語が日本を意味しますが、これはマルコポーロの旅行記に登場する「黄金の国・ジパング」が語源だとされています。