羽根の音を立てずに狩りをし、体も大きいうえに力が強いことから「ワシミミズク」は夜の空で最強といわれています。
襲う相手の大きさを気にすることなく攻めていき、時に倍以上も大きい人間もその対象になります。
そんな美しくも強い猛禽類「ワシミミズク」の生息地や夜の生き物で最強といわれる捕食活動、そして種類の豊富なワシミミズクについて見ていきましょう。
目次
ワシミミズクの生息域
ワシミミズクの羽毛は、白や薄茶色をしており、その中に茶褐色の縞や斑があり、頭部には触角や耳のようにも見える突出した羽、羽角があります。
目の虹彩はオレンジをしています。
夜行性なので日中は樹木の枝の上などで体を休めています。
ワシミミズクの生息域
ワシミミズクは、ユーラシア大陸の広い範囲に分布しています。
西はヨーロッパ大陸の端ポルトガル、東は日本の北方領土がある国後島や択捉島で暮らしているのが確認されています。
また、北海道北部や伊豆諸島、奄美大島では迷鳥とし来ていたのが確認されています。
森林の奥地や岩場、荒れ地を生息地として縄張りを持ち、巣は縄張りの中にある岩棚や木のウロをそのまま使うか、カラスの古巣の再利用しています。
ワシミミズクの捕食活動
ワシミミズクは猛禽類の中でも屈指のハンター
ワシミミズクは成獣になると体長が70~75cm。
翼を広げた姿は180cmにもなり、体重も4kgある大型の猛禽類です。
主にノウサギをはじめてとした小型のほ乳類や鳥類を捕食していますが、その恵まれた体格をいかしてキツネやイタチ、アライグマといった中型の生き物やハヤブサやノスリといった他の猛禽類さえ捕食します。
体重が13kgもあるシカを仕留めて捕食したという記録があることからも、ワシミミズクの力の強さが分かります。
種類の多い世界中にいるワシミミズクの仲間
一般的にワシミミズクといった場合は、ユーラシアワシミミズクのことを指します。
しかしワシミミズクは世界中に仲間いますので、その一部をご紹介します。
アジアに生息しているワシミミズクの仲間
ヒマラヤ山脈の南部、標高1500m以下の林に住むミナミワシミミズクとも呼ばれるベンガルワシミミズクという種もいます。
アメリカ大陸に生息しているワシミミズクの仲間
南北のアメリカ大陸に生息するアメリカワシミミズク。
南アメリカのペルーやアルゼンチンにある高山地帯に住んでいるマゼランワシミミズクが生息しています。
アフリカ大陸に生息しているワシミミズクの仲間
サハラ砂漠以南のアフリカ大陸に住むクロワシミミズク。
アフリカ大陸のサバンナやオアシスに生息しているアフリカワシミミズク。
逆にアフリカ大陸の乾燥地帯や半砂漠地帯といった木々がまばらに生えている場所に住んでいるアビシニアンワシミミズクなどがいます。
他にも紹介しきれていないほど多くの種類のワシミミズクがいます。
多くの場合は生息地や羽、目の色が違うというのが違いですが、大型の種が多いワシミミズクの仲間でも、アフリカワシミミズクとアビシニアンワシミミズクのような比較的小柄で40~45cmほどの大きさしかないものもいます。
恐怖のワシミミズク
ワシミミズクは大型の美しい猛禽類です。
しかし、自分の3倍もの体重のあるシカを襲って捕食することもある攻撃的な性格は人間に向かうこともあります。
ワシミミズクは人も襲う
2015年3月、オランダ北部にあるプルムレンド市でワシミミズクが捕獲されました。
このワシミミズクは一年以上にわたり地元住民を襲撃していました。
50回以上も人間を襲っていたともいわれており、中には頭部を6針以上縫う大けがを負った人もいたそうです。
羽音をたてずに空から襲ってくるワシミミズクにより数十人もの人が被害にあいました。
市はこの状況を看過できないと判断し、ワシミミズクは保護動物なので特別許可を取得したうえで捕獲しました。
まとめ
ワシミミズクは世界各地でその仲間の姿を見ることができる大型のフクロウの一種です。
カッコよく美しく、その上で力強さと攻撃的な性格をした野生の生き物です。