鳴き声が「仏法僧」と聞こえる鳥「ブッポウソウ」、実はその鳴き声は違う鳥のものでした!ってどういう事?

2019.10.18


瑠璃色の美しい体から「森の宝石」と称される鳥『ブッポウソウ』

生息地の山からは、夜になると「仏法僧」という鳥の鳴き声がしてきます。平安時代その鳴き声を聞いた人々は瑠璃色の美しいあの鳥を「仏法僧(ブッポウソウ)」と名付けました。しかし、昭和になって新たな発見が!なんと、ブッポウソウと鳴いていたのは別の鳥だったという事が判明したのでした!!

約1,000年もの間、鳴き声を勘違いされていた鳥『ブッポウソウ』とは一体どんな鳥なのか、ご紹介したいと思います。



ブッポウソウの生息域と生態


ブッポウソウの生息域


ブッポウソウは日本では5月ごろに繁殖のために渡ってくる夏鳥の一種です。本州や四国、九州の平地から低山地の林に生息していまが、集落や農地の周辺の林にも生息しています。

中国や朝鮮半島、オーストラリアにも繁殖をするために渡るものがいますが、それらとは違う種類になります。また、東南アジアで通年を過ごすものとも違う種類になります。

ブッポウソウの生態


ブッポウソウは特にスギやヒノキといった針葉樹の大木を好みますが、木に穴を開けて巣を作る能力はありませんので、啄木鳥が作った古巣や木の中にできた空洞の「樹洞」を巣として利用しています。

人間が作ったものを巣にすることもあり、ダムの排水溝や人間が用意した巣箱に住処にすることもあります。

ブッポウソウの食事


ブッポウソウの食事は昆虫食です。空中を飛翔しているトンボやセミといった昆虫を捕食します。特に大型のコガネムシを好物としています。このように空中での捕食活動は「フライングキャッチ」と呼ばれています。




「ブッ・ポウ・ソウ」と鳴く鳥はもちろんブッポウソウ?!


平安時代より長らく、ブッポウソウは夜に「ブッ・ポウ・ソウ」と鳴くと信じられてきましたが、近年になってその声の主は別の鳥であることが判明したのです!

その鳴き声の主はもちろんブッポウソウ、、、ではない!!


瑠璃色の体をしたブッポウソウの鳴き声は「ブッポウソウ」であると長らく考えられてきました。瑠璃は仏教世界では須弥山(しゅみせん)の南面を構成する四宝の一つとされ神聖視されていました。

神聖な瑠璃色の体をした鳥が、仏教で重んじられている「仏様・仏の説いた法もしくは経典・僧侶」の三宝と呼ばれる「仏法僧(ブッポウソウ)」と鳴いていると平安時代から長い間考えられていたブッポウソウは霊鳥とされていました。しかし研究の結果、この「ブッポウソウ」という鳴き声は違う鳥の声と判明しました。

ブッポウソウは「ゲエッ、ゲェッ」という濁った音を絞り出しているような鳴き声をしています。これは昔からわかっていましたが、しかし夜になるとありがたい鳴き声「ブッポウソウ」と鳴くのだと本気で信じられていたようです。

ブッポウソウと鳴くこの声の持ち主は誰?


ブッポウソウは名前と違い「ゲエッ、ゲェッ」という鳴き声をしているというは分かりましたが、実際に「ブッポウソウ」と鳴いているのは何者になるのでしょうか。

実はその鳴き声の主はコノハズクというフクロウでした。


生息地をブッポウソウと同じくしていたコノハズクは夜行性のため日中は姿を見せませんでした。そのため夜に「ブッポウソウ」と鳴いて活動していたコノハズクはその存在に気付かれることは無く、日中に瑠璃色の体で空を舞っているブッポウソウが夜に鳴いていると考えられていたようです。

姿のブッポウソウと声のブッポウソウ


「ブッポウソウ」と鳴いているのがコノハズクという事実は1935年、昭和になってから判明しました。名前が付けられた平安時代から1000年近い長い時間、日本人はコノハズクの鳴き声をブッポウソウの鳴き声だと勘違いしていました。

そのためかブッポウソウの名前が変更されることは無く、神秘的な瑠璃色の体をしたブッポウソウは姿のブッポウソウ、仏法僧という仏教的ありがたい鳴き声をするコノハズクを声のブッポウソウと呼ばれるようになりました。

まとめ


体が神聖な瑠璃色をしているから、夜に聞こえるありがたい言葉に聞こえる鳴き声も同じ鳥からに違いないと単純な勘違いをしてしまうのがブッポウソウの瑠璃色の体が見せる魅力なのかもしれません。

全国に葉ブッポウソウを観察できるという場所がいくつかありますが、鳥も巣の近くでじっと見られているのはストレスになるらしく、巣の廃棄などが行われてしまうこともあるそうなので、もしもブッポウソウを対象にバードウォッチングをしようと考えた場合は、よくよく注意する必要があるようですね。

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