クラゲはみんな大好きふわふわした綺麗な生き物。そんなクラゲの身体を見ていると「この身体ってどうなっているんだろう?」と思うことはありませんか?
事実、クラゲには脳がないと言われており、心臓や血管、血液すらないと言われています。そう考えると何とも不思議な生き物ですよね。今回はそんなクラゲの謎に迫ってみます!
目次
クラゲには脳がない!?
クラゲには脳と呼ばれる器官がありません。人間であれば脳だけではなく、心臓も血管もそれぞれが働いているのですが、クラゲはそんな通常の生物とは一線を画す生き物なのです。
脳がなくてどうやって動く?
では、脳がないのにどうやって動いているのでしょうか。これに関しては様々な研究がされていることによって、ある程度その動きの秘密もわかってきたようです。あくまでも研究資料を参考にしただけですが、その動きについて知っておくと鼻高豆知識と言えるかも!
すべての動作は反射
クラゲは体中に散在神経と呼ばれる神経があるのですが、その神経が刺激された際の反射で動くと考えられています。人間も熱かったり冷たかったりすると反射で手を引っ込めますよね。これも神経の反応の一種と言われているのです。
クラゲもその神経の反射によって移動しており、その動きのほとんどは脳を使わない反射によるものです。
捕食も反射!
クラゲは反射で動く生き物なのに、どうやって食事をしているのでしょうか。実はここにも反射が関係していて、触手による捕食生活を送っているのがその生態となっています。
また、クラゲは光合成によってもエネルギーを生成することができる生き物ということもあり、太陽光を浴びているだけで活動できるのです。ある意味では捕食の必要性もあまりない生き物と言えます。
身体は95%が水分
クラゲの身体には心臓も血管もありません。身体がほぼ水分なので血液もないことで知られ、その身体はほとんど水に近いです。触るとぷるぷるとしていてゼラチンやコラーゲンのような触り心地。それはほとんどが水分で構成されているためです。
傘となる胴体を開閉によって栄養を全身に送ることができ、実は動いているだけで栄養が行き渡っています。つまり、クラゲは水中を漂うだけで生きていける生き物なのです。
脳がない生物は意外に多い
人間からすれば脳がないというのは考えられませんが、実は自然界には脳を持たない生き物が意外と多いです。
刺胞動物
動物の中でも特に刺胞動物には脳がないという研究がされており、クラゲを含む刺胞動物の多くは脳を持ちません。この刺胞動物は世界に約11,000種類も生息していると言われています。
日本で見られる刺胞動物を少し紹介すると、有名なものだとウニやヒトデ、イソギンチャク、サンゴなどがあります。これらの棘を持つ生き物はなぜか脳がありません。
想像したら海って……とにかく未知の世界ですよね!
脳がないのに眠る!
クラゲは脳がないのに、実は眠る生き物として知られています。そもそも生物の中で眠らないものはいないと言っても過言ではありません。……でも、脳がないのに寝る必要はあるの?
睡眠は脳の休息だと思われていたが
クラゲは脳がないのに睡眠という行為に近い行動を行います。そもそも動物がなぜ眠るのかについては解明されていない部分も大きく、クラゲに関してもなぜ寝るのかは真相も解明されていません。
自然界では眠ることに対してメリットよりもデメリットが多く、捕食されてしまうことなどから眠りを避ける個体もいます。しかし、それでも生き物である以上眠らないことには生きていけません。
クラゲも眠らないと生命活動に影響が出るという研究結果があり、それによってクラゲも寝ることがわかりました。原始的な神経を持つクラゲの睡眠は、単純に脳の休息というよりは体力保存の意味合いが強いのかもしれません。
脳はなくても記憶はあるかもしれない!
脳と言えば記憶をコントロールしている器官だと思われているのですが、近年の研究では「そもそも記憶は脳に依存するのか」という説が囁かれるようになってきました。
プラナリアの実験
ある科学者がプラナリアを使った実験を行ったところ、脳以外に記憶があることがわかったそうです。プラナリアは頭を切り落としても、完全に記憶を失うということはありません。同じ個体なら脳すら完全に再生することができます。
これは条件反射や感作ではなく中枢神経に関係している可能性があると考えられ、研究者たちの研究によってプラナリアは学習しながら脳を再生できる機能があることもわかっています。
つまり、記憶は脳だけではなく複雑な情報を保持できる末梢神経によってコントロールされており、鮮明な情報を維持している可能性があるということです。
クラゲも脳以外に記憶があるかも!
クラゲも神経の塊であり、記憶を脳以外で覚えている可能性があります。クラゲのように刺胞動物は身体の一部を失っても再生する能力を持っています。
脳がない刺胞動物はそれでも生命維持に必要な行動を行うことができます。つまり、脳以外に記憶が残っているかもしれないのです!
ベニクラゲ
不老不死のベニクラゲであれば、もしかすると太古の昔の記憶があるかもしれません。脳を持たずに不老不死でもあるベニクラゲを研究すれば、今後記憶だけではなく脳に関する重大なヒントも見つかるかもしれませんね。
まとめ
クラゲは研究がまだまだ進んでいない不思議な生物です。特に脳や心臓や血管を持たない生き物というのはかなり異様。血液すらないのにどうやって記憶を保持して生きているのか。
考えれば考えるほどその謎は深まるばかり。今後、もしかしたら何か重大なことが発見されるかもしれません……海ってすげぇ!笑