様々なフルーツの中でも特に口にする頻度の高いバナナ。
白い実の中心部分にツブツブがあることからこれが種子だと思われがちですが、実は私達が口にしているバナナの実には種はありません!
ではあのツブツブは何なのか、そしてバナナの木をどのようにして増やして子孫を残しているというのでしょうか!?
目次
食用バナナに種はない
種に見えているものの正体
バナナの実を切ると断面、中心部分に見えてくる黒いツブツブ。
これはバナナの種だと考えられていることもありますが、実際は違います。
このツブツブの正体は『種の名残』です。
突然変異で生まれた種無しバナナ
本来は種のあったバナナですが、遺伝子の突然変異により種無しの個体が生まれました。
種有りバナナの遺伝子は、2本で対を成して存在する『二倍体』なのですが、突然変異したバナナは遺伝子が3本ある『三倍体』となっていました。
三倍体の植物の遺伝子は、細胞分裂が不規則になることから種が生じにくいという特徴があります。
この種の生まれにくいという性質は、食べやすいということに繋がります。
そのため、突然変異したものを食用バナナとして大事に育てたのだとされています。
この種ができにくい三倍体の特性から、スイカにも遺伝子が三倍体となるように品種改良された「種無しスイカ」が存在しています。
種無しバナナの果樹の増やし方
種の存在しない食用バナナは種から繁殖して子孫を残すということができません。
しかし、現在食用のバナナは多くの地で育てられていますし、新しい場所での栽培も行われています。
この新しい株がどのように生まれてきたかというと、親株の茎の根元近くから生えてくる新芽を利用して生まれてきました。
果実をたくさん実られるバナナですが、果実を実らせると枯れてしまいます。
しかし枯れる際にバナナの親株からは新芽が生えてきますので、この新芽を親株から切り離して育てることで次世代としているのです。
野生のバナナには種がある!
バナナの木は木ではない?
バナナはマレーシアなどの東南アジアを原産とする草本に属する植物です。
高さが数mまで伸びることから「バナナの木」と呼ばれますが、木に見える部分は木の幹ではなく実は葉っぱなのです!
葉の葉鞘が重なり合ってできた偽茎と言われる部分で、実際のバナナの茎は地中に短く横に這うように生えています。
野生種のバナナ
野生種のバナナの遺伝子は二倍体です。
そのため、果実の中には種が入っています。
その種は食用のバナナに見られる実の中心部分だけにある「種の名残」と違い、小豆サイズの大きな種がチョコチップクッキーの中にあるチョコチップの用にまんべんなくあります。
食用に品種改良はされていませんが、この野生種のバナナも自生地では食されています。
まとめ
私達が日常食べているバナナには確かに種はありませんでした。
しかし、バナナには新芽が生えるため、収穫して食用にするというサイクルが成立していました!
野生種の種があるバナナも食べることはできるそうですよ。