旧暦で1月を意味する「睦月(むつき)」、その由来は家族団らんの様子から?

お正月のある1月。
現在は簡素に数字で呼びあらわされる月名ですが、昔の人々は違う名前を付けており、「睦月(むつき)」と呼ばれていました。

音の響きだけだと6月を言い換えた?とも思えてしまいますが、この名前はどのようにして付けられたのでしょうか?
ここでは、睦月という名前の由来や意味を見ていきましょう!

睦月とは?

 

睦月は旧暦で1月をあらわす

睦月は旧暦で1月をあらわす名前です。
現在も1月の意味で用いられる事があります。

旧暦の睦月と現在の睦月があらわす時期は違う!

 

旧暦と言うほどですから現在の暦、カレンダーとは違う法則で動いています。
厳密には旧暦1月=睦月と現在の1月があらわす時期が異なります。

旧暦は太陰太陽暦とも呼ばれ、月の満ち欠けによってその月の始まりの日が決められ、そこに太陽の動きを考慮することで季節がズレないように調整して暦が作られてきました。
そのため地球が太陽の周りを回る周期でカレンダーを算出している現在の太陽暦とは差異が発生しています。

さらに年明けとなる日も違います。
現行太陽暦のグレゴリオ暦では、365日ないしは366日毎にやってくる1月1日が年明けと設定されています。

それに対して旧暦の年明けは、立春前後の新月の日とされています。
そのため、グレゴリオ暦と比較すると異なる日が正月となります。

月の満ち欠けを基準にしていますので、グレゴリオ暦上の毎年同日が年始めになるわけでもありません。
2020年はグレゴリオ暦での1月25日が元日となりますが、2021年が2月12日、2022年は2月1日が年始めとなりました。
30日から40日ズレが生じることになりますが、特に2023年は年初が2月19日になるので、50日ほど新年が始まるのに差が生じることになります。

このように旧暦では月始めが1月後半から2月後半から始まる期間なので、旧暦の睦月とグレゴリオ暦の1月では同じ1月とは言い切れないということになるんですね。

睦月の意味や由来

 

由来は正月?家族が集まる正月からきた説

正月になると昔から親類が集まったり知人の家に挨拶に出向くなどして親睦を深めます。
この仲良く団らんとしていることを「睦び」と表現することから、睦月と付けられたとされているのが説の一つとなっています。

元月(もとつき)から転じた説

 

1月は1年の最初の月です。
そのため元になる月という意味から元月と付けられましたが、それが変化して睦月になったという説があります。

字が違った?実月(むつき)から転じた説

 

1月は稲の苗を発芽させるために、実を水に浸す作業が行われていました。
古くから稲作が盛んな日本にとって重要な作業をする月だったことから「実月」とされましたが、それが転じて睦月になったという説もあります。

他にもある1月の別名

 

正月(しょうがつ)

現在の日本では3が日もしくは松の内の7日ないしは15日までをあらわす言葉として使われています。
しかし、中国などでは古くから現在まで太陰暦の1月をあらわす言葉として用いられています。

新春(しんしゅん)・新春月(はつはるつき)

旧暦では1~3月が春となります。
そのため春としての最初の月である1月を新春や初春月と呼ぶことがあります。

早緑月(さみどりづき)

 

現在の1月というと真冬になりますが、旧暦の1月はグレゴリオ暦の2月下旬~3月上旬にあたる年もあります。
3月ともなれば天候次第では植物が芽吹き始めるものも出てくることから早緑月という別名もあります。

太郎月

太郎月は人名から付けられた別名になります。
太郎という名前は長男に付けられる事が多い名前です。

そこで最初の月の1月を長男に見立てて太郎月という別名が付けられました。

まとめ

1月は旧暦では「睦月」と呼ばれてきました。
この名前の由来としては、いくつかの説があります。

睦びとも表現される家族団らんがされる正月のシーズンだから、一年の最初の月なので「元月」と呼ばれていたものが変化した、稲作の準備を行うことから「実月」とされていたものが変化したなど、諸説あります。

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