毒を持つ鳥は珍しい!?「ピトフーイ」と呼ばれる毒鳥をご紹介!

虫やヘビ、サソリにカエルなど毒のある生き物は多くいますが、鳥類にも毒を持つものがいます。

希少種ともいえる毒を持つ鳥の代表格が、「ピトフーイ」と呼ばれるニューギニア島に住む鳥たちです。

どのような鳥で、どんな毒を有しているのか、今回は「ピトフーイ」という鳥を調べてみました。

ニューギニア島に住む「ピトフーイ」


出典:wikipedia.org

「ピトフーイ」とは毒を持つ鳥すべてを意味する言葉でも、特定の1種類の鳥のことでもなく、「ニューギニア島に住む6種のモリモズ」もしくは「ある時期に毒を有していることが確認された5種のモリモズ」を指します。

ピトフーイと呼ばれる鳥たち

ピトフーイと総称される6種の鳥はいずれもモリモズの仲間でニューギニア島固有の鳥です。

「ズグロモリモズ」「カワリモリモズ」「カンムリモリモズ」「クロモリモズ」「サビイロモリモズ」「ムナフモリモズ」

この6種がピトフーイと呼ばれています。ピトフーイという名前は現地での名前でもあり、鳴き声から付けられた名前とされています。

毒を持つ鳥を指すようですが、このうち「ムナフモリモズ」には毒がありませんので、正確にはニューギニア島に住む毒鳥の総称ではありません。

世界初の有毒鳥類

最初に毒があることが確認されたのは、ピトフーイの「ズグロモリモズ」という種です。

西洋社会に発見されたのが1830年頃、「Pitohui dichrous」という学名が付けられたのは1850年と古いのですが、この鳥に毒があることがわかったのは1990年頃になってからだといいます。

ある研究者が偶然ズグロモリモズの羽を舌にのせたところ、舌に痺れを感じたことから調査が進み、毒があることがわかったとされています。

この調査結果により、ズグロモリモズは世界初の有毒鳥類と認定され、後にはズグロモリモズに続いて残るピトフーイ5種のうち4種にも毒があることが判明しました。

有毒性があることがわかった時点では同種とされていたピトフーイですが、現在では分類が見直され、それぞれが別種とされています。

また、2000年には同じくニューギニア島の固有種「ズアオチメドリ」がピトフーイと似たような毒を羽に持つことが判明しました。さらに2017年にはニューギニア島およびオーストラリア北部に分布する「チャイロモズツグミ」の標本からも毒性が発見されました。

様々な調査の結果、現在ではピトフーイ以外にも毒がある鳥が発見されています。

ピトフーイの猛毒

ピトフーイの毒にはステロイド系アルカロイドの「ホモバトラコトキシン」という神経毒が含まれています。この毒はピトフーイの体内では生成されていないことから、捕食している昆虫に由来している毒だと考えられています。

「ホモバトラコトキシン」という毒は、ふぐの毒の4倍近い強さがあるとされる猛毒です。ホモバトラコトキシン自体の致死量はわかりませんが、調べてみたところ類縁体の毒「バトラコトキシン」が0.1〜0.3mgと極微量で人間の致死量になるそうです。

ちなみにピトフーイの生息するニューギニア島で毒があるというのは判明していないようですが、伝統的に食用にしない鳥とされているそうです。経験則的に食用にすると死に至ることがあるというのが伝わっていたのかもしれませんね。

他にもいる毒を持つ鳥

ピトフーイは羽毛まで毒を含むことから有毒生物とされましたが、一時的に肉に毒が含まれることがあるというのが判明している鳥もいますのでご紹介します。

ヨーロッパウズラ


出典:wikipedia.org

ヨーロッパウズラは、地中海地方からアフリカ、中央アジアにモンゴル、中央シベリア東部と様々な地域で姿が見られます。

特に地中海地方では秋に狩猟鳥として狩りの対象にされますが、この時期のヨーロッパウズラは肉や脂肪に毒を貯えていることがあります。狩りをして取ったヨーロッパウズラを食べて中毒症状を起こすだけでなく、急性腎不全に陥いって最悪死に至ることもあるそうです。

体内に毒を蓄えるのは餌となる植物に原因があるとされていますが、どの植物によりヨーロッパウズラの体が有毒化するかは判明されていません。またピトフーイと違い、羽根までは毒化していないことから有毒生物とはされていないそうです。

ツメバガン


出典:wikipedia.org

アフリカに生息するカモ類では最大の大きさを誇る「ツメバガン」。大きいものでは全長100cmになることもあるそうですが、この鳥も餌により一時的に肉や脂肪に毒が含まれることがあります。

「スパニッシュフライ」や「ツチハンミョウ」という昆虫の持つ「カンタリジン」という毒に耐性のあるツメバガンは、これら有毒性の昆虫を餌とします。

人間が「スパニッシュフライ」や「ツチハンミョウ」の毒「カンタリジン」に触れてしまうと死には至らないにしても、激痛が走り、水疱ができてしまいます。

このことから日本ではツチハンミョウの仲間でカンタリジンを持つ「マメハンミョウ」を粉状にすることで暗殺に用いていたといいます。

中国に伝わる伝説の毒鳥「鴆(ちん)」

毒を持つ生き物は多いですが、毒を持つ鳥となると非常に珍しい生き物になります。

中国では毒を持つ幻想世界の鳥がいると考えられていました。それは、緑色の羽毛と赤もしくは銅色の嘴を持つとされる伝説の鳥「鴆(ちん)」です。

その姿はワシのようとも、サギやキジ、フクロウに似た姿だともいわれており、龍や鳳凰といったほかの幻想世界の生き物と違い定まった姿はないそうです。

毒蛇などの生き物を好んで食べるため、肉だけではなく骨は羽、全身に猛毒があるとされています。そして毒の力は凄まじく、唾液の毒は餌を溶かし、排泄物で地面や石が溶ける、田畑の上を飛翔すれば作物を枯らすとされていました。

この鴆の毒を消せるのは「犀の角」だけとされていたことから、中国皇帝や貴族は毒による暗殺防止として犀の角を求めたとされています。

ヨーロッパでは毒消しに幻獣ユニコーンの角が効くとされたことから、海獣のイッカクの牙をユニコーンの角と偽って高値で売買された、という話に通じるものがありますね。

まとめ

西洋人に発見されて100年以上経ってからズグロモリモズをはじめとする「ピトフーイ」に毒があることがわかりました。現地でも食用にされなかったことからなかなか毒を持っていることに気付かれなかったようです。

それにしても、毒を持っていることに気付くきっかけになった研究者が羽を舌にのせる行為・・・一体何が目的だったのか気になりますね。

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出典:Wikipedia(Pitohui) / Wikipedia(Common quail) / Wikipedia(Spur-winged goose)

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