飲み屋街の印象が強い「横丁」とはどんな場所?路地や路地裏との違いも解説

2020.2.12

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横丁」は、少し入り込んだ路地に小さな飲食店が連なる通り道のことです。お酒が好きな方にとっては、聞いただけでもワクワクする響きなのではないでしょうか?

ひと言で「横丁」といっても場所により規模や並ぶ店はさまざまで、各々特徴を持っているんですよ。

今回は「横丁」の意味と、似た言葉である「路地」「路地裏」との違いを解説し、東京の有名な横丁をご紹介いたします。さらには、近年若者に大人気の「ネオ横丁」のご紹介もいたします。

ちょっとディープな雰囲気で美味しい食事とお酒を頂きたい方、はしご酒を楽しみたい方は必見ですよ!



横丁とは

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まずは、「横丁」本来の意味を解説いたします。

横丁の意味


市街のメインとなる通りから、横に入った細い道のことを「横丁」といいます。

横丁ではなく「横町」が正解?


「横丁」という表記の他に「横町」があります。読み方は「よこちょう、よこまち」とされ、現代では「横丁」と同じ意味で使われていることが多いですが、かつては区別されていました。

江戸時代、メイン通りから奥へ入るために地主たちが私道を敷設して作った道を「新道(しんみち)」と呼んでおり、幕府に公認された「新道」には「横町」という呼称が与えられました。

表通りでは火を使う商売が禁止されていたのですが、「新道」や「横町」は許可されていたため、次第に飲食店が並んでいきました。そして飲食街となった道をそれぞれ「食傷新道」「食傷横町」と呼んでいたそうです。

そのようなメイン通りから街裏へ入る通路で木戸(木の開き戸)がある公用語の「横町」に対して、「横丁」は木戸が無い一般道で「横町」の俗称として遠慮がちに使われていた表現でした。

現在では区別されておらず、同じ意味で使われていることが多いです。

東京都内の横丁をご紹介


今も昔も「横丁(横町)」といえば、飲食店が立ち並ぶ通り道です。東京都内の有名な横丁をご紹介いたします。

新宿ゴールデン街


新宿ゴールデン街」は東京都新宿区歌舞伎町一丁目にある飲食店街で、200軒以上ともいわれる小さな飲食店が密集しており、東京で一番有名な飲み屋横丁といっても過言ではないでしょう。

戦後の闇市から屋台による一杯飲み屋街へ姿を変え、昭和40年ごろからは飲み屋やバーが集合した街「ゴールデン街」と名付けられ発展していきました。1店舗の大きさは3坪~4.5坪。連棟になっている店の間を通り抜けながら、はしご酒を楽しむことがゴールデン街の特徴です。

かつてのゴールデン街は知名度が低く、下積み時代の作家や演劇などの文化人が多く集まり、安酒を飲み明かすといった個性的な場所でした。ゴールデン街が世間から注目されたのは昭和51年、作家の佐木隆三が直木賞、中上健次が芥川賞を受賞したことがきっかけです。「新宿ゴールデン街出身のスターが生まれた」として、ゴールデン街が新聞に紹介され知名度を上げたのでした。

バブル期の地上げが原因で閉店し放置されている店舗が増え、一時はゴーストタウンのようだったゴールデン街ですが、2000年代以降は若い世代の新規出店が増えたことで、客層も変わりつつ再び活気を取り戻してきたようです。

▼新宿ゴールデン街の公式サイトはこちら▼
http://www.goldengai.net

思い出横丁


思い出横丁」は東京都新宿区西新宿一丁目にある商店街で、別名「新宿西口商店街」「やきとり横丁」、さらには「しょんべん横丁」なんて言われたりもします。

ルーツは戦後の闇市。戦争中に逃亡した人々の交通中継地点が新宿だったため、商売を始めやすい場所だったのです。

かつては300軒ほどの店舗が密集していましたが、再開発や火災が原因で縮小されていき、現在は80店舗ほどの飲食店やチケット販売店などが並んでいます。

▼思い出横丁の公式サイトはこちら▼
http://shinjuku-omoide.com

上野アメ横


アメヤ横丁」は東京都台東区にあり、JR山手線の上野駅から御徒町駅にかけて400軒もの店舗が連なる大きな商店街です。

戦後の闇市だった時代は、規定に背いた取引や事件が多発していましたが、取り締まりを強化しながら正常な商店街へと発展していきました。

他の横丁と比べると、飲み屋街というよりも雑貨や衣類を取り扱う店が多い印象で、生鮮食品を安くたたき売りをするパフォーマンスを繰り広げているのが特徴です。

▼上野アメ横の公式サイトはこちら▼
http://ueno-ameyoko.jp/

のんべい横丁

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東京都渋谷区渋谷一丁目にある「のんべい横丁」は、40軒ほどの店が集合した飲み屋街です。流行最前線の渋谷ど真ん中にありますが、ここだけは昭和にタイムスリップしたようなレトロ感漂う街並みになっています。

そんな雰囲気のため年配のお客が多いかと思いきや、「逆に新しい!」と新鮮さを楽しむ若者も多く来店しています。

▼のんべい横丁の公式サイトはこちら▼
http://www.nonbei.tokyo/

ハーモニカ横丁


東京都武蔵野市吉祥寺北口駅前にある「ハーモニカ横丁(通称ハモニカ横)」も戦後の闇市から発展した商店街で、現在100軒ほどの店舗が並んでいます。

大半が飲食店で、雑誌やテレビで紹介されるようなグルメなお店も多くあり、昼間に行くと行列を見かけることも珍しくありません。

「ハーモニカ横丁」とういユニークな名前は、蔵野市在住だった作家の亀井勝一郎さんが、小さな店舗が立ち並ぶ様子がハーモニカの吹き口に似ているところから名付けたそうですよ。

▼ハーモニカ横丁の公式サイトはこちら▼
http://hamoyoko.jp/hamonika_kichijoji/

鈴なり横丁

yokocho 出典:wikipedia.org

東京都世田谷区北沢一丁目にある「鈴なり横丁」は、「ザ・スズナリ」という劇場に併設された施設一体型の横丁です。

2階は劇場、1階に15軒ほどのレトロな外観のバーや飲食店が並んでおり、その造りからクローズドなイメージで入りにくいかもしれません。しかし実際入ってみると、優しさ溢れる店主さんばかりで、一度行ったら通いたくなるという声が多く上がっています。

「スズナリ」とは、「たくさんの人が鈴なりとなって来てくれますように」という思いで付けれたそうです。

甘酒横丁


東京都中央区日本橋人形町にある「甘酒横丁」は、人形町駅から明治座まで続く400mほどの小さな商店街です。人形焼きや豆腐料理、お茶屋など老舗の名店が並木路両側に並んでおり、食べ歩きができる観光スポットとして有名です。

「甘酒横丁」の由来は、明治時代「尾張屋」という甘酒屋さんがあり、その小路を「甘酒屋横丁」と呼んでいたことから名付けられたとされています。
関東大震災後に道路が広げられましたが、今でもこの道は「甘酒横丁」と呼ばれ親しまれています。

▼甘酒横丁の公式サイトはこちら▼
http://amazakeyokocho.jp/

ホッピー通り


東京都台東区浅草の「ホッピー通り」は「公園本通り商店街」の俗称で、昭和の雰囲気そのままの居酒屋が並ぶ飲み屋街です。他にも「親不孝通り」や「煮込み通り」とも呼ばれ、店により味の違うもつ焼きや煮込み料理を売りにしており、昼間から多くのお客で賑わっています。

かつて高級品だったビールの代用品として生まれたのが、ビール風味の低アルコール飲料「ホッピー」。ホッピーを焼酎で割る飲み方が下町で広まり現在でも好まれています。

ホッピー通りに来たら、ホッピー片手に煮込み料理を頂くのが定番です。




横丁、その類語との違い

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横丁と似た意味で使われる言葉で「路地」「路地裏」「裏路地」があります。それぞれの違いをご紹介いたします。

路地とは


路地」は本来は「露地」と書き、かつては屋根のない地面全般を意味していましたが、現在では表通りに面していない建物と建物の間のとても狭い通り道のことを指します。

一般的に自動車交通の考慮はされておらず、隣接する建物の関係者が、家の裏口など正面玄関ではない出入口から家屋に出入りするために利用される道です。

路地裏とは


路地裏」とは、表通りに面していない場所や、路地の奥にある場所のことをいいます。路地が「道」を表しているとしたら、路地裏は路地につながる「場所全体」「空間」を指しています。

裏路地とは


裏路地」は表通りの反対という意味を強調させるよう「路地」に裏を付けて作られた造語のため、ほとんどの辞書には掲載されていません。

路地と同じ意味を持っており、表通りの裏手にある細い道のことを指します。

ネオ横丁は横丁と何がちがうの?

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最近ブームの「ネオ横丁」をご存じでしょうか?「ネオ横丁」と「横丁」の違いをご紹介いたします。

ネオ横丁とは


ネオ横丁」とは、屋内に小さな飲み屋が集まった施設型横丁のことです。

昭和のレトロ感溢れる店舗が多く集まった施設が多く、若者たちの間で「SNS映え」するという理由から流行り始め、今では幅広い年代の人々が訪れ人気が定着しています。屋内型横丁のため、天気が悪い日でも気軽にはしご酒が楽しめるところもいいですね。

また、最近ではレトロ調なネオ横丁だけではなく、おしゃれなネオ横丁も増えてきているようです。

東京都内のネオ横丁をご紹介


東京都内で人気のネオ横丁をご紹介いたします。

恵比寿横丁


東京都渋谷区恵比寿の「恵比寿横丁」は2008年にオープンし、ネオ横丁ブームの先駆けとなった施設です。

かつて「山下ショッピングセンター」というアーケード商店街だった跡地に、飲食店メインの集合施設として「恵比寿横丁」がオープンしました。

赤ちょうちんが並ぶ入り口を入ると、広さ3~4坪の小規模な店が20軒ほど立ち並び、毎晩多くの人たちが訪れ賑わっています。

鉄板焼きやおでん屋、串焼き屋など美味しそうな店ばかりで、どこに入ろうか迷ってしまいそうですね。

▼恵比寿横丁の公式サイトはこちら▼
http://www.ebisu-yokocho.com

星条旗横丁


2015年に東京都港区西麻布にオープンした「星条旗横丁」は「西麻布横丁」の別名です。7店舗の店が並ぶ施設は隠れ屋的な雰囲気があり、お忍びデートにも使えそう。

やきとり屋やおでん処などセンス溢れる店が並び、もちろん味も一流です。場所柄、もしかして芸能人に会えるかもしれませんね。

赤坂バル横丁


東京都港区赤坂に2017年オープンしたのは「赤坂バル横丁」。ネオ横丁ブームに乗った形で開店し、様々なメディアの宣伝効果もあり、開店直後から大賑わいしています。

オシャレでグルメな店が7店舗並んでいますが、お一人様でも気軽に入りやすい雰囲気があるのが特徴です。

▼赤坂バル横丁の公式サイトはこちら▼
http://baryokocho.jp/akasaka/

恵比寿ガーデンプレイスBRICK END


2016年、東京都渋谷区の恵比寿ガーデンプレイス内にオープンしたスタンド横丁「BRICK END(ブリックエンド)」は、長さ50メートルの路地に、カレー屋やワインバーなど5つの店が並んでいます。スタンド横丁といっても立ち飲みではなく、それぞれの店内には20席前後の椅子席が用意されていますよ。

恵比寿ガーデンプレイスでショッピングを楽しんだ後には、ぜひ立ち寄りたい横丁です。

▼恵比寿ガーデンプレイス BRICK ENDの公式サイトはこちら▼
https://gardenplace.jp/shop/area.php?a=11

渋谷肉横丁

  

東京都渋谷区宇田川町センター街にある「渋谷肉横丁」は、2010年にオープンした国内最大級の肉横丁です。

2フロア350坪に、なんと28店舗の肉の店が集まり、焼肉や馬肉、肉寿司などあらゆる肉料理を堪能することができます。各店舗拘りの調理法を持ちより「渋谷肉横丁で食べられない肉はない」とまで言われているんですよ。

肉好きの方には一度は行って欲しい横丁です。

▼渋谷肉横丁の公式サイトはこちら▼
http://nikuyokocho.jp/

蒲田バル横丁


東京都大田区西蒲田に2017年オープンしたのは「蒲田バル横丁」。施設1階70坪のフロアに9店舗の飲食店が集まり、「スペインのバル文化と日本の横丁文化の融合」をテーマに掲げて賑わっています。

蒲田バル横丁は、「大人が出会える横丁」として2019年にリニューアルオープンしています。飲食との出会いだけではなく、人との繋がりや出会いも楽しめるのだそう!

▼蒲田バル横丁の公式サイトはこちら▼
http://baryokocho.jp/kamata/

バル」とは、日本では飲み屋全般の意味を持って使われていますが、スペインでは酒場だけではなく喫茶店なども含め幅広い飲食店の形態を指していて、街中バルだらけなんです。

コーヒーやビールなどのドリンク類とおつまみを提供しながら、人々のコミュニケーションの場所になっており、スペイン人にとっては生活に欠かせない存在です。

まとめ


昔からある「横丁」も、近年ブームになっている「ネオ横丁」も、それぞれの個性を放ちながら発展していますね。

地方へ旅行をした際は、横丁を探索してみるのもオツかもしれません。拘りを持ったお店が並ぶ横丁で、地方ならではのお酒とお料理を楽しめそうですね。

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出典:Wikipedia(下北沢ザ・スズナリ)

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