「ハットトリック」はサッカー用語ではなかった?その語源はクリケットにあり!?

サッカーでは、1人の選手が1試合で3点を獲得することを指す「ハットトリック」。
この用語は、違うスポーツを発祥の言葉です。

では、「ハットトリック」の意味やどのようなスポーツで使われていた言葉なのかを解説します。

「ハットトリック」の語源

 

現在ではサッカーで用いられる事が多い「ハットトリック」。
しかし、元々ハットトリックという言葉を使うようになったスポーツはサッカーではなくクリケットでした。

元々はクリケットで使われていた

 

最初に「ハットトリック」という単語を使っていたスポーツは、クリケットです。

クリケットは日本ではマイナースポーツとして扱われていますが、実は世界的には非常にメジャースポーツです。
100以上の国で行われる上に、競技人口は3億人を超えることから、世界的にはサッカーに次ぐ人気のスポーツ競技といわれています。

クリケットはイギリスの伝統的球技スポーツで、野球の原型とされるスポーツです。
試合は1チーム11人の2チームで行われ、攻撃と防御を野球同様チームごとの交互入れ替え制で進行していきます。

野球と類似点もありますが、競技が違うことから相違点もあります。
例えば打者がボールを打つ方向です。
野球の場合、打者は投手のいる前方に向かって打ち返しますが、クリケットは違います。

クリケットの場合、打者は360度どの方角に打っても問題ありません。
そのため、クリケットでは投手と打者が立つピッチと呼ばれるスペースはグラウンド中央になります。

 

グラウンドの端の方に打者が立つバッターボックスのある野球とは全く異なるスタイルというのが、ここからでも見て取れますね。

他にも相違点はあるのですが、クリケットの特徴として注目したいのが、連続でアウトを取るのが難しいということです。
全方向に打っていいというルールなどもあってクリケットは加点がしやすいという特徴がある反面、アウトはなかなか取れません。

そのため、3球で3者連続アウトを取った投手を称え、高級な帽子(ハット)を贈呈していたそうです。
この素晴らしいプレーを称え、クリケットではと3球で3者をアウトにするプレーを「ハットトリック」と呼ぶようになったのです。

真の由来はまさかの・・・

 

ではなぜ素晴らしいプレーを見せてくれた選手に帽子を贈呈していたのでしょうか?

その由来は、実はクリケットどころかスポーツにも関係が無く「手品」だといわれています。
手品用語では、帽子を使った奇術の事をハットトリックといいます。

 

何が起きたか一瞬わからなくなるような感動のプレーと、見る人に驚愕を与える手品と重ねて、クリケットでも「ハットトリック」という用語が使われるようになったと考えられています。

ハットトリックが用語としてあるスポーツ

 

手品用語からスポーツ用語として流入した「ハットトリック」という言葉は、クリケットだけでなく更に他のスポーツでも使われるようになりました。
そこでここからは、現在「ハットトリック」を用語として用いているスポーツをご紹介します。

サッカー

 

サッカーは、一番「ハットトリック」という言葉を目にする競技なのではないでしょうか。
1人の選手が1試合中に3点取ることを指し、選手の実力を証明する勲章的な意味合いもあります。

しかし、国際試合やプロリーグといった公式戦でハットトリックを達成するのは非常に難易度が高いので、見ることができるのは非常に稀です。

野球

 

クリケットが発祥のハットトリックは、野球にも用語として存在します。
1イニング3球で3アウトという、クリケットと同じプレーを指します。

ラグビー

 

同一選手が1試合中に3トライ以上を達成することを、ラグビーではハットトリックと呼びます。

ダーツ

 

ダーツでは、1回に3本投げることを1ストーと呼び、1スローの合計を得点とします。
この1スローの中で、3本とも中央の「ブルエリア」にダーツが刺さることをハットトリックと呼んでいます。

まとめ

現在では広くスポーツ用語として使われている「ハットトリック」ですが、その由来は一番耳にするサッカーではなく、世界で2番目に人気を誇るとされるスポーツのクリケットにありました。
クリケットでは非常に難易度の高い、3球で3者連続アウトを達成という素晴らしいプレーをたたえる言葉として使われるようになったと考えられています。

この「ハットトリック」という言葉自体は、スポーツとは関係ないところに語源があります。
クリケットで見せたプレーが手品を見ているような驚きと感動があるということで、帽子を使った奇術「ハットトリック」が由来だとされています。

たしかにどの競技でもハットトリックを見るのは非常に稀なので、見ることができたら感動ものですものね。

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