【日本三大陶磁器】世界に誇る日本の陶磁器、その三大名産地をご紹介

2020.2.17


陶磁器はその繊細な美しさから欧米でも評価され、世界中に大きな影響を与えています。

その中でも特に陶磁器文化に多大な影響を与えたといわれているのが「日本三大陶磁器」と呼ばれる名産地の陶磁器です。それでは三大といわれる陶磁器には、どのような特徴をがあるのか、日本三大陶磁器をみなさんにご紹介します。

陶磁器とは


「陶磁器」とは素地で成形したものを焼いて作る陶器や磁器の総称です。陶器と磁器でその歴史は異なります。日本の陶器の歴史は古く、陶器の原型となる縄文土器は、16,500年前の地層から出土しています。

現代のような一般的な陶器が誕生したのは奈良時代、約1,300年前の事だといわれています。

一方、磁器は1,800~2,000年前、後漢の時代に中国で生まれたとされ、粘土と石の粉末を混ぜて作られていたといわれています。それらが16世紀ごろに世界中に広まり、日本でも有田焼(伊万里焼)などの焼き物が作られるようになりました。



三大陶磁器①:瀬戸焼


「瀬戸焼(せとやき)」は愛知県瀬戸市とその周辺で生産される陶磁器で、日本六古釜の1つである瀬戸窯としても知られています。

平安時代から伝わる伝統製法や天然材料を使って作られている伝統的工芸品の1つであり、特に近世以後のものを一般的に瀬戸焼と呼びます。それよりも古い時代のものは古瀬戸と呼んで区別することもあるそうです。

1974年には国が「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」を制定したことで、より瀬戸焼文化の保護や育成が進みました。

それによって全国的に知名度が高まりました。以前から瀬戸焼を愛する人も多かったのですが、近年はさらに陶芸愛好家の間で高い評価を受ける作品が多数あります。

全国に伝統的工芸品は数多くあるのですが、瀬戸焼でいえば赤津焼や瀬戸染付焼が指定されています。こちらは瀬戸焼を語る上で欠かせないものですね。

三大陶磁器②:美濃焼


「美濃焼(みのやき)」は岐阜県の東濃地方の一部で生産されている陶磁器であり、1978年に伝統的工芸品に指定されています。

東濃地方は日本最大の陶磁器生産地として知られ、生産量日本一を誇る土岐市が有名です。その歴史は古く、平安時代に作られた須恵焼が原型といわれています。この須恵焼が鎌倉時代以降に本格的な陶器生産へと発展し、各地で製造されるようになりました。

16世紀初頭には土岐市周辺に窯が作られ、そして織田信長の経済政策によって美濃地方に大窯が築かれたことでさらに発展を遂げていったそうです。

桃山時代には美濃桃山陶が作られるようになり、美濃焼の基礎が築かれていきました。それが現代へと続く美濃焼の元祖といわれています。

三大陶磁器③:有田焼(伊万里焼)


「有田焼」は佐賀県有田町で生産される陶磁器の1つで、「伊万里焼(いまりやき)」とも呼ばれています。作品は多種多様な様式が採用され、製造時期によって初期伊万里や古九谷様式、柿右衛門様式、金襴手などに大別されます。

始まりは17世紀頃、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に有田を含む肥前の領主であった鍋島直茂に同行していた陶工の李参平にあるといわれています。彼は有田焼の祖と呼ばれ、当時の陶磁器生産に多大な影響を与えたと考えられている人物です。

時代を反映するようなデザインのものから、あえて時代に流されないデザインのものまで、数々の陶芸家によって作られてきたのが有田焼です。

作り手が独自の試行錯誤を繰り返したことで、より有田焼の文化は認知されるようになっていきました。1977年には伝統的工芸品にも指定され、日本を代表とする文化の1つとして正式に認められたことになります。

マイセンに影響を与えた有田焼


有田町とドイツのマイセンには深い関係があるのをご存知ですか?

古くからマイセンでは中国や日本の焼き物が盛んにもてはやされ、その美しさは多くの人々を魅了していました。特に純白で薄いにも関わらず硬く艶やかな陶磁器は、ヨーロッパでは真似できないものだったと言われています。

そのため、列強国の王族や貴族がこぞって陶磁器の製法を見つけようとしていたわけです。そして、長年の研究の末にようやく陶磁器に近いものを作ることに成功し、ヨーロッパ発の硬質窯「マイセン」が誕生しました。

また、17世紀に日本から輸出された古伊万里焼や古有田焼がドレスデン博物館で保管されていたことなどが縁となり、有田町とマイセンは1979年に正式な姉妹都市となったそうです。

有田焼の代名詞「酒井田柿右衛門」


酒井田柿右衛門(さかいだかきえもん)は有田焼の陶芸家です。子孫が代々襲名する名称として知られ、有田焼の代名詞としても知られていますよね。

柿右衛門様式と呼ばれる余白を活かした左右非対称の構図はあまりにも有名で、現在も希少価値が高い陶磁器として人気です。

ちなみに酒井田柿右衛門は日本で初めて赤絵の技法を作品に取り入れたとされており、濁手と呼ばれる柔らかく温かみのある素地を使っていたことで知られています。その美しさは他の作品にはない魅力を放ち、多くのファンを魅了します。

ちなみに十四代柿右衛門は人間国宝・重要無形文化財保持者と重要無形文化財に指定されています。

まとめ


陶磁器は古く長い歴史を持ち、日本三大陶磁器は今でもその精巧な技巧が認められています。数々の作品が時代のうねりの中で生み出され、文化として根付いてきたことは間違いありません。日本が誇る文化の1つということで、日本三大陶磁器は覚えておきたいですね。

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