【日本三大美林】美しい林「天然美林」と「人工美林」6カ所をご紹介

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国土の3分の2が森林である日本は世界でも有数の森林国で、美しい森の木を大切に保護しながら育成してきた歴史があります。

その中でもヒノキ・杉・ヒバなどの森林は、古くから建築木材や家具などで使用され、私たちの生活にも深く関わってきました。

森林には、自然に造林された「天然林」と、木材を生産するために人の手で造られた「人工林」があるのですが、特に美しく優れている上位3つをそれぞれ「日本三大美林」と呼んでいます。

今回は、日本人が維持してきた誇るべき文化でもある「天然の日本三大美林」と「人口の日本三大美林」をご紹介いたします。

「天然の」三大美林

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自然が育んだ天然林は、人の手が入っていませんので木の間隔も一定ではないことから、木々の成長は人工林に遅いです。しかし、長い年月を経て育った木々には力強い生命力のようなものを感じます。

青森ヒバ【青森県】

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出典:wikipedia.org

ヒバ」とは、ヒノキ科アスナロ族の常緑針葉樹で、日本のみ存在する品種です。別名「アスナロ」ともいわれ「明日はヒノキになろう」という意味から名付けられました。名前はヒノキから一段劣る位置づけのようですが、実際はヒノキに劣らないほどの耐久性があり、優良な木材として重宝されています。

青森県下北半島・津軽半島を中心に分布しているアスナロの変種「ヒノキアスナロ」は「青森ヒバ」と呼ばれており、青森県の木に指定されています。

日本のヒバ(アスナロ、ヒノキアスナロ)総蓄積の8割以上も占めている青森ヒバは日本三大美林のひとつで、樹齢およそ200~250年くらいのものが多く生育しています。

風雪の寒さに耐えながらゆっくりと年輪を重ねた青森ヒバは耐久性があり、木目が緻密で美しい木材になります。そのため、社寺仏閣などの建築材料として申し分なく、岩手県「中尊寺金色堂」、青森県「弘前城」「岩木山神社楼門」始め、多くの歴史建造物に使用されています。

秋田杉【秋田県】

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秋田県の秋田市仁別・北秋田郡上小阿仁村・大館市長走(矢立峠)に生育している「秋田杉」も日本三大美林のひとつで、樹齢200~250年くらいの木が多くあります。

江戸時代初期に秋田県の大部分を治めていた佐竹藩は、秋田杉を藩の重要な財源として大切に保護し、藩財政を支えていきました。

青森ヒバ同様、じっくりと成長した秋田杉は年輪の幅が狭く強度に優れ美しい木目に育つので、建築や家具の材料として使われるだけではなく、大館市の伝統工芸品「大館曲げわっぱ」の原材料としても使われています。

木曽ヒノキ【長野県】

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木曽ヒノキ」は、長野県木曽谷(長野県南西部)~岐阜県木曽川上流地域の森林地帯で生産される天然ヒノキで、日本三大美林のひとつです。平均樹齢280年の木曽ヒノキは耐久性が強く、高級建築用材として幅広く用いられています。

江戸時代初期、幕府や諸大名による城下町や武家屋敷の建設、造船を目的とした森林の伐採が進み、木曽ヒノキの山は荒れ果てていきました。木曽谷を管理していた尾張藩は、ヒノキの伐採を禁止し、さらに禁止する地域や樹種を拡大させることによって、森林の保護に努めたのです。

その結果、かつての森林を取り戻すことに成功し、今でも美しい山々が形成されています。

「人工の」三大美林

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人工林とは、人の手により苗木を植栽、枝打ち・間伐等をしながら育成された森林で、天然林よりも2倍速く成長することが特徴のひとつです。

天竜杉【静岡県】

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天竜杉」は静岡県浜松市天竜区に生育している人工杉です。温暖な天竜川流域で育った木は、真っすぐで節が少ないうえに耐久性と耐水性も高いことから、木材として優れた特徴を持っています。

かつての天竜川は水害が多く、「暴れ川」と呼ばれるほどでした。明治時代に河川の改修と治山・治水も考えられた植林事業を始めたことが基礎となり、人工造林が進んでいきました。今では山の木が治水の役目をしており、地域の暮らしや産業にとって欠かせない存在になっています。

育成している木々は住宅資材として使う目的のため、7割が杉・3割がヒノキで、それ以外の樹種はほとんど植林されていません。

尾鷲(おわせ)ヒノキ【三重県】

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尾鷲ヒノキ」は三重県南部尾鷲市で産出されるヒノキで、400年にわたり「尾鷲ヒノキ林業」として栄えてきました。

江戸時代、現在の和歌山県と三重県南部を治めていた紀州藩が林業を奨励していたため、尾鷲地域で人工林が広がりました。大量の木材を船で江戸に運び入れていたことから、尾鷲ヒノキが優れた木材だと有名になっていったのです。

尾鷲地方は、急峻な地形と表土が浅く食物が育ちにくい土壌という厳しい環境です。そんな中ゆっくりと長い年月をかけて育った尾鷲ヒノキは、年輪が緻密で、油脂分が多く光沢があり、耐朽性にも優れています。

吉野杉【奈良県】

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吉野杉」は、奈良県中南部(川上村、東吉野村、黒滝村)の地域で行われている吉野林業で育成されています。

日本三大人工美林で最も古いのがこの吉野杉です。500年前の室町時代末期から造林が行われてきました。険しい山々の集落では農業を営むことが難しかったため、林業を産業としたことから始まったとされています。

吉野林業の特徴は、斜面の多い土地に木を密植(通常の2倍程度)させて苗木を植える独特な植林方法です。苗木同士を競争させながら真っすぐに育て、木の成長に合わせて間伐を繰り返し密度を調整しています。

吉野杉の材質は軽くて柔らかいため、高級家具よりも身の回りの物に使用されることが多いです。また、加工がしやすいことから、デザイン性のあるインテリアを作るときにも重宝されています。

まとめ

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日本は木材の資源がとても豊かな国です。しかし、安価が理由で輸入木材を使用されることが多く、日本の木材自給率は3割程度だということです。

森林を活性化し文化を守っていくためにも、日本の木材がどんどん活用されることを願っています。

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出典:Wikipedia(アスナロ)

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